#19 転居率マジヤバ1000%
麗美と蘭子は吸血鬼の姉妹である。
生活の保障と引き換えに国家への協力を要求された2人は、社会に紛れて人を喰らう無法の吸血鬼たちと長年戦ってきた。
その結果、吸血鬼による犯罪は激減し、姉妹の仕事はもっぱら自宅警備と宅配受取になった。
この物語は、そんな哀れな吸血鬼姉妹の釣られやすい姉、麗美と、
釣られやすい妹、蘭子と、
釣られやすい対吸血鬼班の刑事であるジローの壮絶な戦いを記した短篇集である。
「きゃーー!?」
深夜の公務員宿舎に、麗美の悲鳴がこだまする。
「突然うるさいな」
ジローはパソコンの画面を見ていた麗美に歩み寄った。
「で、何を見た」
「あうあうあう……」
麗美がマウスを操作すると、インターネットブラウザに間違い探しパズルの画像が表示された。
「ただの間違い探しじゃ……ってこれってよくあるあの」
当然、間違い探し画像が一瞬にしてホラーチックな怖い顔画像に切り替わる。
「きゃーーー!!」
「ぎゃーーー!!」
2回目なのに驚いてブラウザを閉じる麗美と、男なのに驚くジロー。
「うるさいなぁ、もう」
自分の部屋から出てくる蘭子。
「きゃーー!」
「ぎゃーー!」
叫びながら、2人は蘭子をパソコンの前まで引っ張っていく。
「なに……?」
麗美がマウスを操作して、再び間違い探し画像を表示させる。
「え、間違い探し……?」
数秒後、怖い顔。
「きゃーー!!」
「ぎゃーー!!」
「ひゃううーーー!!??」
3人の絶叫が、夜に響きわたる。
こうして今日も、彼女たちが住む宿舎の評判は下がっていくのだった。




