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裸転生~あなた、それは犯罪です!~  作者: ハル
第一章 ~怒濤の始まり~
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3話 始まりの追跡

 今後、本文の前にある二人が話すだけの部分は、森から出るときに話してた雑談の内容を書いていきます。

 リアナのカナルの呼び方が変わっているのも、いつか書くと思います。二人の会話と共に、この世界について少しだけ詳しくなれますよ。

「カナルさんはどこに住んでたんですか?」


「俺は……そうだな、東の果ての国とでも言っておこうかな」


「東の果てですか……。東の果てというと、かの有名な『地獄の門』の近くにあるラバーンという街でしょうか。よくここまで来れましたね」


「ふーん、『地獄の門』ね」


「あら、ご存知ないのですか?」


「いや、東の果てと言ってもそんな怖いところじゃなかったぞ。何ていうか……発展してるけど結構平和で、他の国から大量の借金背負ってるのにずっと増え続けてる、そんな街だ」


「そんな街があるんですか。初めて知りました」


「リアナはどこで生まれたんだ? 住んでたのは塔なんだろうけど、あそこで生まれた感じ?」


「うーん、そうですね。……言いづらいんですが、雲の上、とでも言っておきます」


「すげーな。俺もそんなこと言ってみたいよ。『俺、空の上で生まれたんだ』みたいな?」


「ふふ、元気ですね」


「逆にリアナは大人しいな。久しぶりの外じゃないのか?」


「いえ、ほんとにきつくなった時は、こそこそ外で遊んでましたから」


「あら、悪い子ですね」


「ええ、わたしは悪い子です」

———————————————————

 次の日。


「……て……さい」


 誰かの声が耳に届く。しかし、綺麗な鈴のような声に、逆に意識が落ちていく。


「起きて……い、カ……くん」


 体を揺すられると共に、床の硬さに違和感を感じる。

 ああ、これは夢だろう。柔らかい掌に鈴音の声、いつもベッドで寝ているのに、布団すらないというのはありえない。


「起きて下さい、カナルくん。起きないようなら——」


 声の音量が少しだけ上がった。徐々に意識が覚醒していく感覚に抗い、そのまま二度寝を——、


「——目潰しの呪文、かけてあげますよ」


「おっはようございます!」


 恐怖の言葉による急激な覚醒に足が反応し、直立しながらおかしなテンションで朝の挨拶をしてしまった。


「おはようございます、カナルくん。よく眠れましたか?」


 その声に隣を見ると、座った体勢で微笑むリアナがいた。


 風呂も寝床もないまま一夜を越したものの、リアナに目立った汚れもない。俺自身の方はわからないが、早急に泊まれる家を探したいところだ。


 特にこちらから話す内容もなかったため、無言の時間が流れる。


 ……ふと、昨日の寝る直前の視界とズレていることに気付いた。


 二人の間の線は昨日俺が取っ払ってしまったため、なんとなくの記憶を頼りに、線を超えてしまってないか確認する。


 ……俺が大幅に超えていた。


「すんませんでした!」


「やめてください、気にしてませんから」


 日本式土下座が通用するのか分からなかったものの、誠心誠意の謝りだったことは伝わったらしい。もともと気にしてない節はあったものの、謝るに越したことはない。


「それより、カナルくんがあれだけ言っていたあの線が消えています。線がないからそんな決まりもなかった、これで良いですか?」


「十分です。いや、恥ずかしい」


 あれだけ言ったのに、それをあっさり自分が破ってしまった。この借りは、いつか返してあげようと決意した。


「ところで、急に起こしてどうしたんだ? まだ太陽も登ってないから結構暗いし、なにもないなら寝たいんだけど」


「いえ、ちょっと気になる情報がありまして……」


 そういうと、リアナは手を合わせて目を瞑った。手が淡く光り始めているのを見ると、なにかしらの術式を始めているのだろう。


「……あ」


「今、カナルくんにも見えるようにしました。わかりますか?」


「わかるわかる。え、何これスゴッ! これってこの周辺の地図?」


 契約内容が頭に送られてきたように、なにが地図のようなものが頭の中へと送られてきた。昨日の雑談の時に術式の仕組みを教えてもらったが、人のニューロン・ファイアリングがどうのこうのと、まったくもって分からなかった。


「今わたしたちがいるのが、赤く光っている部分です」


「あーあーあー、わかった、理解できてる」


「次に、黒い点が出ます」


「あ、結構真っ黒になったし動いてる。これは?」


「それなんですけど……」


 声のトーンが少し落ちたためリアナを見るも、目を瞑っているためよく分からない。


 黒い点に集中すると、忙しなく動くものもあれば止まっているものもあり、なにを指し示しているのかが分からない。


 結構早く起こしたのだ。なにかしらのことが起こっているのだろう。


「わたしもよく分からないんですが」


 地図が広くなり、おそらくこの街すべての部分が一度に見えるようになる。


 まばらに散らばる黒点と、中心にある黒の集団を発見すると同時、リアナの口が動いていた。


「——これ、わたしたちのことを悪く思っている人達です」

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