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裸転生~あなた、それは犯罪です!~  作者: ハル
エピローグ
2/15

1話 裸で逃げる男、それを追う警官

 何故こうなった。


「止……さい」


 何が原因だ。


「止まっ……下さい」


 俺が、何をしたというのだ……!


「あなた、止まりなさい!」


 女警官から逃げながら、俺はこう思う。


「そこのあなた、裸で駆け回るのは犯罪です!」


「俺は悪くないんだぁぁぁぁああああああ!」


 俺は、転生するのに服すらもらえないのか!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 顔をあげると、まず目を疑った。


「……は?」


 見たこともない景色。先程までの狭い空間はなんだったというのか、目の前にはたくさんの木々が覆い茂り、明らかに時間帯も夜から朝へと変わっていた。


「お、俺は……」


 この感覚、何度も何度も見たことがある。テレビしかり本しかり、このお決まりはよく目にしていた。暇な時間は、この時のことを想像したことすらある。


 そう、まさに、これはーー


「異世界てんせ」


「あなた、なにやってるんですか!」


 突如現れた声に、お決まりの台詞も中断する。


「こんな森の中とはいへ、やっていいこととやっちゃダメなことも分からないんですか! 明らかにそれは犯罪です!」


 振り返ると、そこには日本でも見たことあるような女警官の服を着て、いかにも異世界な杖をもっているお姉さんがいた。


「やめてくださいよ、今大事な儀式中なんですから。いくら可愛いからといって、大事なしょっぱなくじかないで下さい」


「か、可愛いだなんてそんな……ち、違います! そんなことより、あなたの方がなんなんですか!」


「なにがです?」


「その格好です!」


 格好とはなんだろうか。いま、テンションのスイッチが入りきりそうで変なポーズでもとっていたのだろうか。


「俺、なんか恥ずかしい感じなことやってました? いやすいません、こんなこと起こると思ってなくて」


「そうじゃなくて!」


 警官は、ビッと俺の方に指を突き刺す。


 そして、言った。


「あなた、なんで裸なんですか!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 そうして、冒頭部分に戻ってくる。


「待ちなさーい!」


「嫌だぁぁぁあああ!」


 転生を舐めていた。まさか、風呂に入って真っ裸の奴を狙うなんて、そんなこと微塵も考えていなかった。


「俺は悪くないんです! なんか勝手にこんなところにいて、服をちょうど着てなかっただけなんです!」


「それがアウトだって言ってるんですよ! ほら、なにも悪くないというのなら、早く止まってください!」


「絶対に捕まるか!」


 転生初日、捕まってみた。テヘッ


 そんな奴見たことないし、そんなカッコ悪いことできる訳もない……!


「あー! あそこにゴブリンが! ほら、倒してこなくていいんですか」


「いいんですよ。あなたの方が危険ですから」


 初めての異世界定番ゴブリンも、一瞬のうちに俺より格下になったらしい。


「ほら、あそこにヤバそうな熊いるじゃん!」


「あなたの方が危険です!」


「あそこに盗賊団のアジトみたいなのあるじゃん!」


「あなたの方が危険です!」


「後ろ見ろ! なんかヤバそうな龍いるぞ!」


「あなたの方が危険です!」


「まじか?! あんた頭どうかしてるぜ!」


 どうやら俺は、彼女にとってこの世界の何よりもヤバいらしい。


「早く止まりなさい!」


「俺が何をしたって言うんだぁぁぁあああ!」



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