告白
――今日はついにわたしの学校復帰の日
朝から愛莉に捕まって大変だった…怒られ、泣かれ、喜ばれとなかなか忙しかった。
なにより一番大変なのは勉強で、二、三日とはいえだいぶ進んでしまっていた。
「あぁ…疲れた…もう無理、死んじゃう。」
「ふっふーん。そんな沙羅ちゃんにこの愛莉様が素敵なお誘いをしてあげよう。」
「なに?」
「明日、この前いったカフェのケーキ、新作でるから行かない?」
「ほんとっ!?行く!ありがとう愛莉!」
「いーえー。じゃ、まずはこれから屋上にいってらっしゃいな。」
愛莉には悠希に屋上に呼ばれていることを話してあった。
「うん、行ってくるね。」
「いってらっしゃい!また明日ね!」
☆☆☆
――屋上
悠希来ないな…何してるんだろ?
探しにいこうかと思ったとき、扉が開いた。
「悪い、遅くなった。」
あぁ、やっぱりかっこいいな…なんて思ってしまうわたしはどこまで悠希に溺れているんだろう。
「ううん、大丈夫。それで?話ってなに?」
悠希はしばらく口ごもったあと、
「俺、沙羅が好きだ。付き合ってほしい。」
そう、告白してくれた。
え?今、悠希なんて言った…?え、えぇぇぇ!?
好き?悠希が?わたしを?
ありえない!
「沙羅?」
「えっ!?あ、あぁ、なに?」
「いや、返事、聞かせてくれないか。」
「…悠希さ、それ本気で言ってる?」
「もちろん。」
「わたしと一緒にいたら不幸になるかもよ?大切な人を失うかもよ?傷つくかもよ?それでも悠希はわたしと一緒にいてくれる?」
わたしが興奮して一気にまくしたてると、悠希はそっと抱き締めてくれた。
「沙羅と一緒にいて不幸だなんて思わないし、大切な人は必ず護る。俺はそう簡単には傷つきはしない。沙羅が俺の気持ちに応えてくれるなら一生一緒にいる。」
「ほんとに?」
「あぁ。だから、お前の素直な気持ちを聞かせてくれ。」
そんなの、決まってる。わたしは悠希に抱きつきながら、
「わたしも悠希が好きです。」
と言った。
こんなにも幸せな気持ちになるなんて、伯母さんの家にいたころは考えられなかったな。あのとき、伯母さんの家を飛び出してよかったかもしれない。なんて、考えてしまうわたしはよっぽど幸せなのだろう。
「悠希、これからもよろしくお願いします。」
沙羅の輝く笑顔に、
「あぁ、こちらこそ。」
悠希も優しい笑顔を浮かべてこたえたのだった。
☆☆☆
――次の日、夕霧のみんなと愛莉に報告するとみんな祝ってくれた。愛莉なんておめでとうといいながら泣いていた。この時間を大切にしたいと心底思った。
放課後愛莉と行ったカフェでは、愛莉が太っ腹にも奢ってくれた。
――ある日の放課後
「みんな、ちょっといいかな。」
わたしの声にみんながこちらを向く。
「どうしたの?」
わたしはすぅと息を吸い込んでから、
「一緒に闇龍に会ってほしい。」
と言った。
みんなは二つ返事で了承してくれ、そのままわたしの地元へ行くことになった。
☆☆☆
「へぇー!ここが沙羅の地元かぁ。」
「そうだよ。ここで闇龍のみんなと過ごして、ケンカもしてたんだよ。」
例の伯母さんの件以来、こっちには来ていなかったからとても懐かしく感じる。
周りを眺めるわたしの目に、ふと見覚えのある姿が映った。
それは…
「…友香。」
友香だった。
覚悟を決めてきたはずだったけれど、いざ会うとなると少し緊張した。そんなわたしに気がついたのか、悠希が手を握ってくれた。その悠希の手を握り返し、わたしはついにその後ろ姿に声をかけた。
「友香…っ!」
友香はこちらを振り返ると、
「誰?」
と言った。
その言葉にショックを受けて思わず立ち止まると。
「沙羅、変装といてないぞ。」
と悠希に言われた。
あ!そっか!わたしおさげに眼鏡したままだった!
慌てて取ると、友香は目を見開いた。
「沙羅っ!?」
「うん、そうだよ。」
そういうと、友香は駆け寄ってきて、勢いよくわたしに抱きついた。
「馬鹿!馬鹿沙羅!どれだけ心配したと思ってんの!」
「うん、ごめんね。ほんとうにごめん。」
泣き出した友香の背中を撫でながら、わたしはひたすら謝った。
しばらくしてようやく友香が落ち着いた頃。
遊が、
「ちょ、ちょっと待った!お前、沙羅!?」
と言ってきた。
周りを見てみれば、悠希と友香以外の人はみんな固まっている。そういえば、みんなの前で変装をといたのは初めてだったな。
「そうだよ。びっくりした?」
くすくす笑いながらそういうと、みんなは口を揃えて
「別人じゃん!」
と叫んだ。
ひどいなぁ、もう。そこまで言わなくてもいいのにね。
「いやー全然地味子なんかじゃなかったのね。」
「確かに。」
「むしろ超美少女じゃん!」
「もっと早くにその姿を見てたら取り合いになってたかもね。」
「秋良、余計なことを言うんじゃねぇよ。」
「はいはい、あーこわこわ。」
そのあとほかの闇龍のメンバーとも会って、みんなに怒られたり泣かれたりしながら過ごした。
「それで?沙羅、この町にはいつ帰ってくるの?」
これは聞かれるだろうと思っていたので、すでに答えは用意してある。
「わたしはこの町には戻らないよ。桜町に家はあるし、悠希が彼氏だしね♪それに、あんたたちはわたしがいなくても十分やっていけるよ。」
「そうか。寂しくなるな。」
「ま、ちょくちょく遊びに来るからその時は相手してよね!あと、なんかあったら連絡しといで!とんでくるからさ。」
「おう。」
こうして、闇龍のみんなと話をしたあと、次の休みには桜町に来るのを約束して別れた。
☆☆☆
――帰りにわたしと悠希は夕日が見える丘に来ていた
人はおらず、静かだ。
「ありがとう、悠希。」
「あぁ。」
いろんなことに対するありがとうだったから、あえて主語はつけなかったけれど。悠希にはちゃんと伝わったみたいだ。
「沙羅。
悠希に呼ばれて顔を向けると。
チュッ――
と甘いキスが降ってきた。
「大好きだ。」
という言葉とともに。
「わたしも大好き。」
悠希、これから辛いこと、苦しいこと、あるかもしれないけど一緒に乗り越えていこうね。
――これは多くの人に愛されてるSecret Girlの恋のお話。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
初めての作品で読みづらかったりしたと思いますが、最後までお付きあいいただき、本当に光栄です。
沙羅と悠希が自分の気持ちを自覚してからの流れがとてもはやくなってしまいました。
本当は雪とくっつけようかとも思ったのですが、悠希の方があっているかなと思い、このような結果となりました。
まだまだ未熟な点があると思いますので、感想、ご意見、聞かせていただけると嬉しいです。
これでSecret Girlは完結の予定です。
次回作でもお会いできることを祈っています。
本当にありがとうございました!
2014.3.27 美龍




