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第六
【走狗】
「犬、知っておろう?」
「鼻が利く」
「うむ」
「耳が良い」
「ああ」
「よく奔る」
「その通りだ」
「よく忠義である」
「それによく噛む」
「吠えもする」
「そうそう正しく、な?」
【倍々】
「ポーケットーのぉ中にぃは」
「ビスケットーがぁひ、と、つ、」
そう言って男児の片方が、ポケットに手を入れた。
「……どう?」
「ふたつ」
「そっか」
今日は肉が買えそうだ。
【大地】
天は父。地は母。
わかる。百姓だと、なおさらわかる。
おっ父は見てるだけでも、おっ母はずっと節介してくれる。
いわば、おっ母の体に生えたモンを俺らは食って……
──おっ?
【鬱林】
心地よい風、擦れる音。
隠れる所、休む所。
生物の鳴き声も聞こえるし、水の音だってある。
時たま、美味しい物だって見つかる。
なかなか天国じゃないか。
オフィスなる場所は。




