クリスタル・ロード 0304 いずれはここも戦場?
遅くなりました。
最近? スランプのような・・・・・
朝起きると少し体が痛い。 これはきっと筋肉痛だろう。
普段から鍛えているつもりだったが、最近鈍っていたようだ。
他の人達もそうに違いない。
「あ痛痛痛痛痛痛っ」
案の定、家の畑の方からそんな声が聞こえた。
あれはジョーイだが、皆似たりよったりだと思う。
きっとリーシャやアイリスもそうなっているだろう。
「おはよ~~~」
リーシャの声がいつもより張りがない。
多分アイリスも・・・ もしや疲れてまだ寝ているのではないか。
保護者のギルド長が心配していなければいいが。
「昨日の鍛錬、面白かったけど夢中になってたらやりすぎて体が痛~~い」
「そうだね、久々の全開モードになってしまったし」
「アイリス、大丈夫かな?」
「ギルドには治癒師もいるし、心配ないと思うよ。 寝ていれば治るはず」
「あはは、そうか~」
畑で作業中のレフとグロフが柔軟体操だろうか、体を伸ばしたり捻ったりをしながらやってきた。
「おはようさん、昨日は面白かったよな。 久々に暴れられたしスッキリした」
「遠征では戦う機会が少なかったからな、あれは良い施設だ。 ぜひまた行こう!」
「それは良いんですが、領主から聞いた話だと竜王国が本格的に開戦しそうだとか。 今までは小競り合いで済んでいたのが大国同士になると」
二人ともさほど驚きはしないが、表情が変わった。
「そうなるだろうな。 今のところは遠方だが場合によればこっちに飛び火するぞ」
「戦かよ、やだねえ全く。 あのワガママ王子のせいだろ?」
「それで領主は他の国と連携して対処を考えてますよ、遠征の情報が役に立っているそうです」
「あれが、か? 自分はたいして成果が無かったと思ったが」
報告書をまとめたグロフも、さほどのことはなかったと思っているようだ。
「水の国にドラゴンが現れたのは理由が有るはずとか、その他にも役立つことが有るらしく」
「そうか、 あの人は着眼が違うというか・・色々考えるからな。 多分その通りなんだろう」
「自分なんて考えるのが苦手で、ヒントを貰ってもわかりません」
「ネビィは剣士の素質があるだろう、自分は体格だけが取り柄だから羨ましいぞ」
剣士の素質・・と言われても暴れるだけで、ろくに考えられないのが自分だし。
あの人のようにできれば良いんだがと、溜息が。
「グロフはまだ良いよ、俺なんか体格もイマイチで剣士としてもだ。 頭はダメだし」
自分以上の溜息をついている人がいる。
リーシャは横で聞いているが何も言わず苦笑していた。
「何ですの、男三人で暗くなって情けないですわね。 しゃんとなさいな!」
と、フレアが元気よくやってきた。
「お前は体が痛くないか、 威勢いいな全く」
「痛いですわよ全身が、 歩くのもつらいほどに!」
「胸張って言うことかよ」
「プライドの高さが、さすがに元貴族様だな」
そこにジョーイも来て話に加わる。
「みんな体痛いんだ~~、 私も起きてから体中が痛くってしょうがないよ」
足取りがおぼつかないのが、さもそれらしく痛々しい。
でもつまみ食いは忘れず、イチゴを食べながらだ。
「あの~皆さん、 よかったらうちの母に回復魔法お願いしましょうか? 私も少しできるし、痛みが和らぐと思いますけど」
「それありがたいよね、タダかな? まともに払うと結構な額でしょ、ねエ」
「多分それでいいですよ、私もですし」
半時ほど後にはおかげで楽になっていて、回復魔法は偉大だと皆が感謝感激だ。
「それで、さっき聞いた事なんだけど・・ 本格開戦になりそうって? この国もなのかな」
ああ、リーシャも気になっていたか。
「すぐにではないけど、いずれは巻き込まれそうだね。 ほっとくわけにはいかないし」
「竜を動かすとなれば小国同士協力しないと、順にやられてしまうしな」
「そうですわね、同盟や裏の協力など政治の駆け引きも盛んになりますわよ」
「やっぱりそうなんだ。 母さんも言ってたし」
心配なのはもっともだ。 ここもいずれ戦場になるかもと思えば。
あの領主が国王になれば頼りになるし、遺跡の兵器の力もあるとはいえ絶対ではない。
「竜の秘密か、水の国に現れた理由な。 それがわかれば他国に有利になるんだな」
「竜の秘密って?」
リーシャは聞いていなかったか、不思議そうな顔をする。
少し説明をすると、やや納得したようだが他の人は今一つらしい。
「水の国の祭りって、あの光る間欠泉だか噴水のことですわね?」
「そうそう、綺麗だったけどあれとドラゴンが何の関係で? 光物が好きとか?」
「竜は金貨を集めるなんて噂があるよね。 習性なのかな」
そうとも言えそうだし、タダの退屈しのぎにも感じたが・・もちろん王子の。
「それなら自分がまた行って調べてくるか、領主が望めばだが」
「でもあれ、年に一度と言ってなかった? もう起きないんじゃないの?」
「そうか、それではダメか・・・ 」
しかし、その時ふと思い出したことがあった。
あの時の水を、少し持ってきたのじゃなかったっけ? たしか水筒に入れたような。




