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クリスタル・ロード 0303  鍛錬か遊びか

 「水の国で?   竜が現れたのはあの王子の気まぐれだと・・思っていますが」


竜と散歩? あるいは他国をからかってやろうと?  どっちにしろあの王子なら考え無しに行動かと。


「開戦の直前にかい?  気まぐれにも程があると思わないかな」

「それは、 そうですが」


あの王子ならやりかねないと思う。  うん。


「それも一つの考え方だが、もし違うなら ?」

「違うなら・・ 開戦前にしなければならなかった理由があると?」

「そう、 可能性を考えるとそうなるだろう?  裏付けが無くともさ」

「裏付けがなくて、良いんですか」


裏付けの無いことはただの想像ではと思うが、そんなので構わないのだろうか。   


「裏付けの有るのは情報。 無いのは推測だがね、どっちも必要だと思うよ」

「どっちも、ですか」


はっきり言って推測なんて苦手・です。



 「すみません領主サマ~ 、緊急の連絡が入っております」


 と、そこに領主以外の声が聞こえたと思ったら近くの小屋から秘書?さんが呼んでいる。

あそこが管理室なのかな。


「あ~~ 呼ばれたか~~~ 、もっと遊びたかったのに~~~~!」


領主が頭を抱えて顔をしかめ、のけぞっている。

遊び、ですか。  部下に怒られますよ、鍛錬と言っておかないと。


 「しょうがない、行くか~ 。 きみは続けていいよ、終わったらあの娘に言えばいいから」

「すみません、お急ぎください」

「はいはい、 行きますよ」

 


 一人になったので帰ろうかと思ったが、せっかく使っていいと言われているのでもったいない気がする。  どうしよう、もう少しやっておくか?  それともリーシャ達を呼ぼうかな。

レフ達も来たがる気がするけど、畑仕事も有るんで皆で抜けるとまずいかも。


「よろしければ、私がお相手しましょうか~」


 見るとさっきの秘書さんが近くまで来ていた。

髪が長く腰まで有るのを後ろで縛って、温厚そうなお嬢様だが訓練の相手ができるのかと思う。


「良いんですか、 お仕事が有るのでは?」


ここはケガしないそうだから、少しならできるかな。   


「良いんですよ、私だって少しは遊びたいです。 領主様は何日も遊んだんですよお」


何日も、ですか。 

それはまた、自分だけずるいですよね。 

ならば自分も思う存分使わせていただきますか。


 「じゃあ二人で遊びますか。 魔法みたいなこともできるんですよね」

「そうですよ、使い方を昨日覚えました~。  私、魔法使いの役で~~~!」


その手には小さめの石板のような物がある。 あれが杖の代わりらしい。


 それから二人は数時間にわたり魔法と剣の勝負となった。 

終わったとき、外では日が落ち始めていた。   



*****************************  


 「ずるい・・・」


 翌日、リーシャとアイリスに話して誘うとなぜか睨(にら)まれた。


 「昨日、妙に帰りが遅いと思ったら一人で遊んでいたんだ、ネビィってば」

「うん、ずるい。 一人だけ」


え? それは違うぞ。


「領主様と大事な政治的お話があったし、鍛錬のお付き合いもね。 それにリーシャ達が使う前に安全性や使い方の確認を身をもってしなければならなかったからで」

「目をそらさずに言って」

「どこ見てる?」


なぜか疑われている気がする。 女の感なのか?  アイリスなんてまだ小さいのに。   

リーシャから仕込まれているのでは?


「なんだ~? ネビィの浮気か~~ 、いかんぞ浮気は」


 レフが適当なことを言って茶化してくるが、これはちょうどいいから誘うことにしよう。

グロフやジョーイなども畑仕事で揃っている。




 「「おおお~~っ」」

「これは良いな、広いしケガをする心配が無いとは!」


 領主の館、鍛錬部屋に着くと感嘆の声が上がった。

畑仕事を抜ける許可を母さんから受けたし、皆1日分の仕事を手早く済ませてきた。

リーシャ達の追求もなんとか交わすことができたし、抜かりはない。


「似たようなのを前に見たけど、こっちのほうが良いな」   

「ここなら大魔法を思い切り使えますわね、最大限まで!」

「手加減いらないよね、弓を最強にしても良いよね~」


見えない壁に当たってもケガしないのは確認済みだ。 柔らかく受け止めてくれる仕様になっている。

ちなみにジャンヌさんは仕事を抜けられないとの事だった。

さすがにあの人は真面目である。  遊びたがりの自分達と違って。


 「今日、領主様は来られないのでネビィさん達が好きに使って良いそうです」


秘書さんが来てそう言ってくれた。


「昨日は楽しかったですよね、二人で思い切り試しましたし安全は確認済みですから ♪」


「あの人とも遊んでたんだ・・」

「浮気?  浮気なんだ?」   


リーシャ達からの追求が再開しそうだ。




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