クリスタル・ロード 0299 ドラゴンの使役
「ドラゴンとて、タダで動くわけではない・ですよね」
ドラゴンの運用、これは昔から謎が有るとされている。
竜王国がどのように竜を従わせているか、他国は長年探ろうとしているが解明に至らず。
「そうだ。 ドラゴンの力からすれば人間に従う必要は無いはずだよな、だのになぜだ?」
レフが酒のジョッキを持ちながら珍しくも考えている。 酔っているからなのかな。
「強力な魔術で縛り付けているからと思っていましたが・・ それとも高価な魔石を食わせている?」
「昔からそんなふうに思われてるよな、しかしそんな魔術を他国は編み出せず。 金にあかせて魔石を与えるのはありそうだが、他国でもできるのではと思わんか?」
「う~~ん、 確かに」
レフにしては尤もな事を言う。 竜王国はどうやって・か・・・
「なんだなんだ、レフが政治を語ってるのか。 珍しいこともあるもんだ」
グロフが笑いながら来て肉を挟んだパンをかじる。
肉は羊や牛などの上級品が今日は山盛りになっているほど買ってある。
「何だよ、俺だってたまには考えるぞ。 なあ?」
「竜王国が、どうやって従わせるかと言われると・・ 、 どう思いますか」
「竜が食う場合は半端な量じゃないだろ、山程食料を用意せにゃならんだろが。 肉や魚をどっさり、カネがかかってしょうがないんじゃないか?」
食い物か、その可能性も無きにしもあらずだが、それだと他国も可能そうだし。
「竜なら生きている獣を食らいそうだし、毎日となると大変だろうな」
「それに、ここだけの話だが・・・・ 」
グロフが声を潜めて顔を寄せた。
「生贄を使っているとの噂もあるぞ」
「それは・ 人!?」
レフが大声を出しそうになり、グロフが口を塞いだ。
「し~~~~っ 、噂だけどな。 あの国だとやりかねんだろ?」
周りの人達には聞こえなかったようで、こちらを見ることもなく談笑している。
アイリスはリーシャやジャンヌとお菓子をつまみながら楽しそうだ。
あの子には特にこんな話を聞かせたくない。
「しかしな、うちの領主は違うことを考えている。 ここからが本題だ」
「違うこと?」
肉入りパンを頬張りながらここで言葉が途切れ、勿体つけているようだがレフさえ黙って聞いている。
「ドラゴンの魔力は強大だが、無尽蔵か? 体から湧き出るか? そうはいかないはずだとな」
「そりゃそうだろ、魔物は他の生き物から取り込むはずだし。 魔石を食うとか」
「大気から取り込むにしても、それなら他国でも同じはずだよな」
その通りだ。 竜王国だけなぜだ?
「ちょっと~~ 、そこ何男だけで固まってんのよ。 内緒話~~?」
顔が紅潮したジョーイがグラスを持ってふらふらとやってきた。
これは、酔っている?
「めでたい席なんだからボソボソ話してないで、盛り上げなさい。 暗いよここ!!」
「おいおい、お前はまたワイン程度で酔いやがって」
「相変わらず弱いやつだな」
レフに寄りかかり、グロフを指差し偉そうな態度であるが今にも寝てしまいそうな酔いざまだ。
「なによ~~ やる気~~~? 私は強いぞ~~~!」
グラスと反対の手を挙げて強がるが迫力はない。
「はいはい、強い強い。 だから大人しくしてろ、倒れるぞ」
「お~~い、 誰かこいつを引き取ってくれ。 寝かせるほうが良いぞ」
グロフが言うとフレアが果物の乗った皿を持ったまま、やってきた。
「だからお酒は控えめと言ったのに、しょうがないですわね」
「何よお祝いのパーチイなんだから、皆でたくさん飲まなきゃダメでしょうが!」
パーチイと言ってる時点で危なっかしいけどな、まだ飲む気なんだ?
「ちょっと~、 誰かワインでもエールでも良いから瓶ごと持ってきて~~」
「こらこら、お前はそのへんにしとけ」
グロフとレフがなだめようとするが、本人に聞く気はないらしくエキサイトしている。
「ハーイ、お酒追加で~~す。 お料理もお菓子もありますよ」
と、素直なリーシャが両手で持ってきてしまう。 酒はビン3本も。
「キタキタ、 さあみんな飲むよ~~! ジョッキを出しなさい、フレアもよ」
「はいはい、しょうがないですわね」
呆れたようにジョッキを持つがフレアは平気なようだ。
貴族の社交で酒は慣れているのだろうか。
「リーシャも飲みなさい、 お姉さんの命令よ! もうお酒ぐらい大丈夫よね?」
「は~~い、 少しなら飲めますよ」
リーシャは意外に酒に強いが、勧めるとは悪いお姉さんでは?
まだ子供だと思うのだが・・・ ほっといて良いのだろうか。
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