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クリスタル・ロード 0297  豊穣の神具

遅くなりました。

少し疲れています

 貴族兄妹の館にようやく着いた。


これで護衛任務は終了、宝さがしも成功したし一息着くことができた。

ご当主に招かれて広間にてねぎらいの言葉をいただいているところだ。

兵士達は全て下がっている。


 「皆お疲れ様だ、しかし宝が本当にあったとはね。 ご先祖のいたずら程度に思っていたが、子供の話も馬鹿に出来んと知ったよ。 それに豊穣の魔道具だったか? 本当なら素晴らしい!」


領主としては小柄で細身ではあるが、賢そうな顔立ちでテーブルの端に座り、その近くに兄妹が大人しく座して楽しかったね~などと小さな声で頷(うなず)きあっている。

元気な兄妹だが父親の話を邪魔しないよう躾(しつけ)がされているようだ。

 

「我々が金貨等を3分の2も頂いてよろしいのですか」   


 宝の話を聞いて領主は驚きながらも気前が良かったので、グロフが恐縮している。

普通なら3分の1がせいぜいだろう。


 「ああ、その代わり魔道具はそちらが一組とさせてくれ。 君等は金のほうがいいよな?」

「異存ありません」

「魔道具が本物ならかなり有用でね、今のところ食料に困ってないが不作もあり得るからな」


困っていないと言っても竜王国に畑を焼かれたり作物を取られたりもあると、備えが欲しいのも当然と

思える。  

未確認ではあるが、効果次第では少々の金貨よりありがたいだろうから。


 「宝の地図、まだあるよ。 あっちも探したいよな、また行きたい!」

「そうそう、もっと良いものあるんじゃない?  探しに行こうよ」   


ついに堪(こら)えられず兄妹が喋り始めて、領主が苦笑する。


「みなさんもうお帰りなんだ。 また今度な! お前達は勉強の時間だ」


二人は、「え~~~」と顔をしかめて不満を示し、後ろのメイドに宥(なだ)められることになった。


 「今年はドラゴンの被害が少なくてな、あいつが早めに帰ってくれたのが幸いしたよ」

「竜王国が隣国に開戦したせいですよね」

「君等も聞いてたか、 末の王子が仕掛けて暴れまわりかなりの被害だそうだが、あの王子も負傷して兄たちが駆けつけ回収して帰投とのことだ。 死傷者がかなり出たらしい」


さすがに領主には詳しく情報が入っている。

やはりあの王子の暴走だったか、兄達は全く末っ子に手を焼いているに違いない。


 「小国とはいえそこまでやると後ろ盾の大国が黙ってませんよね」   

「そのとおり。 うちの国が先でなく助かったがな、今後ますますそちらの国との繋がりが重要だ。 国王によろしく言っといてくれ」


 自分達が来たのはそもそもこの国との繋がりを造るためと、竜王国の戦い方を見るためだ。

お宝探しは面白かったし楽しい寄り道だった。


 

 そして転移門にて帰ることに。



     ****************



 「あ~~~、 私達の国~~~~ 。 ただいま~~」

「やっぱり落ち着くな、 他の国も悪くないけど」

「自分はこれから領主へ報告書を書かないとならんから、憂鬱(ゆううつ)なんだがな」


 転移門は領主の館の奥へ通じているからすぐに会えるはずだが、外出中とのことだ。   

多分竜王国の開戦で、飛び回って情報収集や外交なのだろうな。


「お宝は私達が分配で良いよね、領主に渡さなくて」

「あれは、領主の依頼とは別だろ。  子供からの話だったしな」

「ですよねえ。  お宝を持ってこいとは言われてませんもの」


 ジャンヌやミミィも含めて皆で山分けになり、小遣いとしてはかなりの収入となった。

魔道具に関してはとりあえずうちの畑で試して、効果があれば領主へ献上と決まる。


 「俺達が畑の道具を貰ってもしょうがないしな」

「ですよね、畑持ってませんし・・」

「国のために役立ててもらうのが良いですね」


 「じゃあ私が記録を取るよ、 普段の収穫と比較すればいいよね」   


リーシャが受け持ってくれてありがたい。

細かい作業はどうも苦手だ。

収穫が増えたらリーシャの家へたくさん渡すことにしよう。  お裾分けどころかどっさりと。


 「ならいっそこの土地で育ちにくい作物も試そうか、外国産の果物とか」

「あ、それ良いね。 行商さんから種を買って試したい」

「あなた達、今度は畑に頑張るの?  張り切りすぎないようにね」

「良い果物できたら食べさせてね~~」


リーシャ母さんとミミィは傍観するだけのようだが。



 そして数カ月後のこと、 その畑はいつもの収穫の数倍となった。


見知らぬ果物も豊作で、たわわに実るとはこの事だ。    


「「「「「「美味しい」」」」」」



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