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クリスタル・ロード 0296  真の宝とは?

「これが宝なのか・・・・ ?」


レフ達が呆然と見つめて固まるのも無理からぬところ、そこには金属の棒が数十本。

短い槍のような物?  魚を取る道具にも似ているが、これはなんだろう。

こちらにも石棺があって、そこに収められていたのは金属棒だけである。


「神具? 頭に女性の彫刻が着いていますもの。 儀式用でしょうか」

「生贄用(いけにえよう)じゃないよな、刺すためとか」

「生贄?! ええええ」


先がやや尖っているのでそう見えなくもないが、そうなのか?


「ちょっと待ってよ、これを見て」


 ミミィが石棺の蓋(ふた)の内側を見るとそこに絵が彫られている。   

麦らしき作物を持った女性像で、後光がさしているが・・


「生贄には見えないよね?」

「豊穣の女神・でしょうか。  農業神を示しているような?」

「だよね、 そのへんが正解じゃないかな」


 しかしこの棒で何ができるのか、それがわからない。


「使い方が描いていないのかな、これをどうしろと?」

「全くだな、もっとヒントをよこせと言いたいぞ」

「う~~ん、 他には絵が無いよ・・ね?  周りはどう? 何かある?」


言われて皆で辺りを探すが、他にはそれらしきものはまるで見つからない。


 「説明が無いのはおそらく、その必要が無いから・だね。 単純なんだと思う」  

 

ミミィが棒の方を何本か取り出して何やらを探しているかのように見つめる。

そして視線が止まった。


「ん~~~~~ ん?」


一本を凝視してから、他の数本の同じ位置を見比べてから言った。


「これは多分数字だね、1から4まで。  他のもそう。  1,3,4,2,1,4、3,1」


石棺の中を探りまた棒を数本取り出して見つめた。


「こっちも、1から4までだね。  多分4本で1組なんだ、4本で使う物なんだよ!」

「4本?  なら畑を囲うように刺すとか」

「たぶんそうだね、それなら単純だ。  そして豊穣の女神なら、どう?」

「なるほど、実りを促すと?」   

「本当かよ!、 こんなものでか?」


 しかしミミィは自信満々で背筋を伸ばし立ち上がった。


 「見た目はともかく、オトリの宝を用意してまで隠した本物だよ。 そうでなきゃ意味無いでしょう」


 棒は全部で40本、 つまり10組ある。  どれほどの広さまで使えるか不明だが、実りを促す効果が本当なら痩せた土地ではかなりありがたいはずだ。

食料が有ると無いとでは命に関わる問題だから。


 「さあ、みんなで持ち帰るよ~~ 、 どれほど効果あるかは試せばわかる! 運ぼう!!」


ノリノリのミミィにせっつかれて分担して背負うが、ちと重い。

だがこれでようやく空の下へ出られる。

石を運ぶ作業もあったので全身土にまみれ、淀(よど)んだ空気に包まれていたので爽快だろう。   


 

 「脱出~~~! お宝ゲット~~~っ!!」

 

 洞窟を出た途端、ミミィが宣言するように叫んだので馬車のそばで寝ていた兵士達が驚いて起きるほどで、見張りをしていた兵士が凝固している。

馬車から出てきた貴族兄妹が宝発見を聞いて熱狂することになった。



 翌日出発し、最寄りの街で冒険者ギルドへ行くと領主の館から連絡が来ているとのことだ。


「ドラゴンは去った、 館に戻れ。 だとさ」

「やはり竜王国の戦に参加しに行ったか、当然だよな」

「あの国の状況が今ひとつ掴めませんわね、何を考えているやらですわ」


本当だ。 あの王子の動向や考えをもっと知りたい。 関わりたくは無いけどな。


 「ようし、では今晩は街の旅館に泊まるぞ、 これで仕事は一段落。 風呂に入って美味いものを食おう。  領主様から許可が出てるぞ!」


兵士隊長からそう宣言されて、皆から歓声が上がった。


 「やった~~ お風呂! お母さん久しぶりだよね?」

「そうね、ようやくくつろげそう。 ベッドで眠れるわね」


リーシャ達に笑顔が出るといつも黙っているジャンヌもホッとした顔をしている。

ジョーイ達も何を食べるかと今から話している。


 「隊長さん、酒を飲んでもいいかい? 美味いのがあるだろきっと」

「おう、君等は飲んで良し。 ただし朝まで抜ける程度にな」


兵隊さん方はまだダメらしい。 さすがに兄妹の護衛で気を緩められないか。

レフやグロフはこれでやっと禁酒から解放されたと、お宝以上に喜んでいる。   



 馬車に少し残っていた海産物を旅館に渡し、料理に使ってもらうことにして少々豪華な夕食をたらふく詰め込みベッドに潜り込むと沈み込むように眠りに落ちていった。

これで数日後には館に到着することになるだろう。



 そして館では、竜王国に関しての情報を掴んでいた。




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