クリスタル・ロード 0293 宝はあるかな・・・・
「ええ~~っ 自分達は入ったらだめなの~~~っ?!」
「当たり前ですよ、危険なんですから。 入るのは冒険者の面々です、我々は待ちです」
兵士達に言われて貴族の兄妹はむくれているところだ。
ミミィが地図を検討し地形と照合した結果、入口らしき岩の隙間があった。
狭くて地下へと続いているが、なんとか入っていけそうな様子であるがちょっと怖い。
そんな所へ貴族兄妹が入りたがっているとは、物好きだと思う。
「後は罠にさえかからなければ、お宝ゲットよ~~」
大人でも入りたがっているのがいる。 マップ解読担当の彼女だ。
でも罠にかかればお宝を見ること無く・・・・・ そこを考えるべきでは?
「ネビィはやめておくか? 俺達は入るけど」
顔に出てしまったか? レフからそんな事を言われてはやめるわけにはいかなくなる。
リーシャ親子やジャンヌさんも入ることになり、残るのは貴族と兵士達だ。
・・・・・・・・・
「おっと、その岩は罠だよ。 触っちゃダメ」
「む、そうか。 他とどう違うんだ? 」
「マークが薄く入れてあるよ。 マップに出てる、注意とね」
それはマップを正しく解すれば避けられる罠だからいいが。
「解読の専門家がいるのは助かるな、闇雲にダンジョンに潜るとは違って」
「全くですわ、レフが罠にかかりまくったときなんて死にそうでしたもの」
「ねえ、 私達がフォローしてなきゃ死んでるよね」
「悪かったな!」
かなり悪い事態に慣れているらしい。 さすがはベテラン冒険者だ。
「しっ 何やら妙な気配があります」
ジャンヌが弓を持って急に声を掛けた。 めったに話さない彼女がだ。
すると洞窟の先が広くなっており、そこに光る小さな物が・・ 徐々に増えていく。
「魔物だ!」
グロフが叫んで槍を構えるまもなく、ジャンヌの矢が飛んでいき、ジョーイが続く。
コウモリやバッタのような魔物が小さいながらも数で攻めてきて、混戦状態で忙しない。
こちらは剣で切りまくる事になった。
「ひゃああ、私は戦えないのでよろしく~」
などとミミィは後ろへと逃げて隠れた。
あの人も呪術とかでいくらか戦えるはずだが、今日は準備をしていないのか?
フレアやリーシャ親子の魔法が控えめながら洞窟を綾取り、剣や槍が煌めくと魔物達がバタバタと地面に折り重なっていく。
「ふう、びっくりした~ 。こんなのはマップに出てないよ」
「たまたま住み着いたんだろ。 この程度は罠のうちに入らんしな」
「うむ、縄張りに入ってしまっただけのこと」
奥へと進むにつれ洞穴は広くなり、やや下りながらも歩きやすく非常に助かる。
「これならお宝も期待できそうね、 歩きやすければ持ち込むお宝も大きくどっさりとねぇ?」
「だといいけどな」
レフが笑って応じる。
そして更に進んでいくと今度は道が3つに分かれている。
ミミィの足がその前で止まった。
「問題はここなんだよね。 マップに書いてはあるんだけど、左へと」
「なら左で良いんだろ、なんで悩むんだ?」
ミミィがマップを見ながら顔をしかめて、こめかみに親指をあててこじる。
「そこの横に気になる文があるのよ。 ”道は自分で切り開くべき” なんてね、 しかもこれは後から書いたみたいで・・」
「それなら左は罠か? じゃあ俺が他を見てくるぞ」
「なら自分が右を行こう、レフは真ん中。 いいな」
言うが早いか二人はさっさと進んで行ったが、止めなくてよかったのだろうか。
経験豊富とはいえ大丈夫なのかと思う。
しかし半時ほどでレフが戻ってきた。
「だめだ。 真ん中は行き止まりでな、崩れていやがる」
それから暫く経つとグロフも戻ってきた。
「罠が一つあったが先に続いているし、更に広くなってるな。 こっちで良いんじゃないか」
それではと皆で進むことになった。
途中にあった落とし穴は既にグロフにより発動され、下の剣を見ながら飛び越えた。
「この程度の罠ならわかりやすいし、こっちで良さそうだ。 ハズレならもっと危ないはずだよな」
「それもそうだね、ハズレは必殺で良いはず」
必殺て・・・ 嫌なことを言う。
そこから更に進むと広い部屋のような空間と、その端に石の棺のような物が置いてある。
あれが宝なのか?!
「当たりだねえ、 あれがそうだろ」
ミミィが満面の笑顔で石棺へ近づいていくその時、懐が急に熱くなる。 これは?!
「待った!」
叫んで止めようとすると石棺の辺りの地面が急に動き出した。




