クリスタル・ロード 0292 宝探しの始まり
道案内の石細工士は良い石が手に入ったと喜んで帰って行った。
「帰りに寄りたいよね、あの人のお店! アクセサリーの安くて良いのが有るって」
「うん、 自分も見たい。 買おうかな~」
「安いなら服に合わせて色々持っとくなんてね、色違いとか」
ジョーイとリーシャがそんな事を言って色めき立っているがその時間が有るだろうか?
兄妹の護衛もあるし、竜王国の開戦のこともだ。
しかしまあ、水は指すまい。 ファッションや飾りは女の嗜み喜びだろうから。
そう考えていたら岩場から飛び立って舞い上がって行った大鷹が見えた。
一度は離れたはずなのにこちらに向かって来るように見える・・ ?
「なんだかあの鳥、近づいて来てません?」
フレアも気づいたようだ。 まだ遠いとはいえ、段々と大きく見えてくる。
「ヤバいんじゃないか? 追われてないか俺達」
「でも卵からとっくに離れているのに、なんで?」
そうだ、卵には触っていないし匂いが付いたわけでは無いのにどうして。
あそこから持ってきた物なんて・・ と、考えたところで思い当たった。
「あの花、あの匂いでは?」
ジャンヌも気づいてつぶやいた。 持ってきたのはあれだけだし、卵の周りに咲いていた。
それにいつの間にかこちらが風上になっている。
花の匂いを辿られた?!
「花を捨てろ!」
レフが叫んだときには大鷹はすぐそばまで来て上空の視界を覆うほどになっていた。 早い!
ジャンヌとジョーイが弓を取り出し、構えようとする。
自分達も構えようと剣に手を掛けた。
しかし大鷹はこちらを見つめながら大きく一周すると、力強く羽ばたいて遠ざかっていった。
「ふう、去ったか」
「いったい今のは何だったんだ?」
卵が有るかと思ったんだろうか。
「花の匂いを確認に来ただけですね。 卵の匂いはしなかったんで行ったのかと」
ジャンヌが弓をしまって言った。
花を持って来た自分のせいだろうか、ちと危うかったと思う。
「あ、ネビィは私のために花を摘んできてくれたんだから、気にすること無いよ。 ねえ?」
「そうだな、 少し焦ったが」
リーシャの言葉にグロフが応じ、他の人は横目で見ながら何も言わない。
「す、すみません」
でも肩身が狭い・・・・・ 。
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宝の地図での次の目印である細い岩が前方に見えてきた。
木々の間にひときわ高く黒光りする物がそびえ立っていて、ここらではかなり目立つので間違えようが無い。
「やっと着いた~~」
「お宝、ここ? 有るの? 見つかった?!」
馬車で寝ていたはずの兄妹が窓から体を乗り出して騒ぎ出した。
「まだですよ、これから探すところです」
「飛び出さないでくださいよ、ここだって危ないんで」
「「ええ~~~~っ」」
顔をしかめている兄妹をよそに、ミミィは馬を降りて地図を広げ方向を確かめている。
初めの大きな岩場と合わせ、地図と慎重に合わせて更に辺りを見ていた。
兵士達は周りを警戒し、グロフ達は馬から降りてミミィのすることを見つめて黙っている。
「ここの東には川、南には低い岩場があるはずね。 こっちには大木があるはず・と」
「確認してこようか? 私、目がいいし木登りもできるよ」
「じゃあ俺が川を見てくるか、東だな?」
「なら自分も。 南の岩場ね、すぐ戻るよ」
急いで向かうとたしかに低い岩場があった。 辺りはそれらしいものがない。
「あったよ」
「こっちもだ、地図に合ってるんじゃないか」
「私も確認した。 ここで良いと思うよ」
その言葉を聞いてミミィが勝ち誇ったようにニヤリとした。
「よっしゃ! 思った通りだね。 これでお宝探しのスタートだ」
「「やった~~~~~」」
貴族の兄妹も盛り上がった。 元はと言えばこの二人が持ってきた宝の地図だ。
果たして本当にお宝はあるのか? 宝はなんだろうか・ 金銀財宝?
それとも・・・・ ?




