↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
286/307

クリスタル・ロード 0286  石細工士との出会い

「砂嵐?!」


出店の人がそう言った。

聞いたことはあるが、自分の国ではそんなことは無い。


「長いと2日になるね、 それはごくたまにだけど」


砂嵐か、 それでは予定より遅れてしまうが仕方ないかな。

どっちにしても戦(いくさ)の事とお宝の情報集めが必要なので、滞在してもさほど変わらないはずだ。


 考えているうちに出店の人達が店を片付け始めた。


「宿屋に泊まるかするほうが良いよ、外にいると砂まみれになっちまう」

「冒険者ならギルドの館に避難すりゃ良いぞ」


自分達だけならそれでいいが、今回は貴族の護衛を兼ねている。  さてどうするか?


「ネビィ、お弁当の残りギルドで売っちゃおう。 あそこなら人が集まってるでしょ」

「そうだね。 グロフ達も行ってるはずだ」



 ギルドの館はそこそこに大きく、人が既に避難のため集まり始めている。

冒険者達が安く済ませようとのことだろう、泊まらずに済みそうだし酒場にはまだ早いしだ。

 

 フレア達がカウンターで話しているのが見える。

もう情報集めが始まっているらしく、ジャンヌさんやミミィ達も掲示板前で話し中である。

こちらはギルド職員に許可をもらって弁当を売ることにする。


「全部売れたよ」

「早いな、許可されたばっかりなのに」

「新鮮だし、安いし。  出店が閉まっちゃったからなおさらね」   


笑顔で袋を畳んでいる。  いくつか入っていた弁当がもう完売だ。


「今度は情報集めだよね、 どっちにするの」


 リーシャが寄ってきて囁く。  戦とお宝の事と、どちらにするか・・だな。

戦のことなら兵士がいるし、グロフ達がしているのもあり得る。


「お宝だ」

「やっぱりね」


二人で囁く。 他の人に聞かれないように気を付けなければ。


 「ミミィさんがあっちにいるよ、お話を聞けたかな。 行こう」


リーシャに引っ張られて向かうと、掲示板の前で一人のお爺さんと話し込んでいる。


「でね、こんな岩? があるところで薬草を見つけたと聞いたのよ。 わかる? 場所」  

「おお、 これは見覚えあるな。  どこだったかな・・ 北? 少し西寄りか? 谷の向こうで」


お宝では無く薬草としているらしい。 そこは秘密とのことでだな、と思う。


「あ、来たねリーシャ達。  こちらの方が道案内してくれそうなの、この辺に詳しいって」

「お仲間か? 大体の場所はわかるぞ。 砂嵐が止んだら行けるがそれでええかな」

「は~い、お願いしますね。  では料金は〇〇で・・・」

「ん、 それでええ」


 怪しまれない程度の報酬で話がまとまった。

とりあえずお宝へのルートをたどる準備ができたが、グロフ達の方はどうだろうか。


「ではテーブルで飲み物でもどうですか、自分が出しますんで」

「奢(おご)りか? ならエールをもらうとするか」   

「私、果実水が良い!」

「あ、私も」


 ちゃっかりリーシャ達も乗ってくる。  まあ良い、頼みに行くとしよう。

そちらに向かいながらグロフ達の方をちらりと見るとレフが指で合図をして頷いている。

情報が入ったようだ。

そちらは後で聞けばいいだろう。


 ウエイトレスさんは忙しいようなので、飲み物を受け取って自分で持っていく。


「お待ちどおさまです」

「おう、ありがとうよ」

「こちらの方ね、石細工士なんですって。 道案内もしながら良い石を探してるとか」

「時間があれば工房に見に来とくれ。 門柱やら石看板とか造っとるし貴族が買うこともあるぞい」 


石細工、それは少し変わってる。 木工ならともかく。


「石にも色々あってな、黒光りするのや白のマダラや青みがかった半透明やらで、磨くとそれは良いもんじゃぞ、もっと石の良さを知ってもらいたいの。 重いのが、ちと困るが」

「宝石も良いけど、きれいな石ありますよね。  艶が良くて深みがあって、見惚(みと)れるような」


 うっとりとした顔のミミィさんは変わった物の商人でもあるので、気が合いそうだ。


「お前さん、石の良さをわかっとるな。 なんの変哲もない石ころが磨くと光る、彫ればなおさら良し。貴族でなくとも買えるのもあるぞ」

「じゃあ、小さめの看板とか?」

「彫りやすければ銀貨10枚、石の硬さによるでな」   


リーシャは店の看板を考えているらしい。  磨かれた石の看板とは良さそうだ。


「へえ、石の看板をね。  宝石みたいなのがあればなお良いんじゃないかな」

「それらしいのはあるぞ、少しムラは入っとるがなかなかの物がの」


 その時、ドアや窓がガタガタと鳴り出した。  風が出てきたようだ。


「砂嵐が始まったな、あんたがた運が良いぞ。 外にいたら砂まみれで大変だ、迷うことも有るしな」

「はあ~~ 良かった」


 嵐が収まれば宝探しの始まりだ。

それまでは石のことや細工の工具に関して話を聞くと、面白い。

ごく小さな石でアクセサリーも造るとのことで、リーシャ達の目が輝く。


「あとで見に行きたいね」   

「ね~~」


時間があればね、と言っておこう。




ようやく秋の気配ですね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。