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クリスタル・ロード 0278  宝物地図? 本当かな

 「お宝だって? 」

「地図? あるの、本当に」


皆の視線を集める二人が笑顔になって自分達の荷物を開けて探り始めた。


「実は少し持ち出してきて・・ 近くのだけでも調べたいと思ってさ」

「行きたいよね~」


ゴソゴソと荷を調べる間、他の皆は固唾(かたず)を飲んで見守り何も言わない。 兵士達もだ。


「あった、これこれ」


細く短めの筒を取り出しそこから一枚の皮を抜いて広げると、古そうな地図である。

大まかな図の他、細かい文字が全体に書き込まれている。

赤いインクで描かれたところもあるが、だいぶ褪(あ)せてしまってかろうじて分かる程度だ。   


 「これはこの国だと思うんだ。 地形に似たところがあるから・・この辺とか」

「他の国ので近いのも有る~~ 、そこも行きた~い」

「おお、この国か。 それなら行けるかな」


本当にこの国ならなんとかなるかとは思うが、果たしてそうなのか? 描かれた文字が崩れて読みにくいし、何やら妙な表現も有るが暗号なのでは? 子供が理解できたろうか。


「でも良いんですの? 子供を預かっているのに宝探しなんて」

「危険なところまで連れて行くわけにはいかんさ、だが近くまでならな? グロフよ」

「うむ、 どうせ街から離れるし同じところを回るよりは面白かろう。 兵士もついてることだし」

「そうだねえ、下見程度なら危険は無いよね、ね?」


 生粋(きっすい)の冒険者4人組は凄く乗り気。   

ミミィさん等他のメンバーは・・ 危険でなければまあ良いかという表情で、ジャンヌさんは温かい目で受け入れているようだ。 

子供がはしゃいでるかのような感覚なのだろう。


 リーシャをちらりと見ると向こうも見つめていた。


「あ~ 、ネビィも行きたがっているでしょう? その目!」

「しょうがないわねえ、男の子って。  宝探しって大好きだものねぇ」


「え? 自分がそんな目をしていた? そんなはずは」

「してた!  そんな・目」

「ねえ?」


親子してそんなふうに見ていたとは。  とても心外なんだが・・・  四人組はともかく。

自分は仕方なく付き合う程度と思っているよ。  

   


 「もう肉が焼けていますよ、食べませんか」


ジャンヌさんからそう言われて、皆が我に返った。


「おっと、焦げそうだな。 みんなさあ食おう、坊っちゃん達もだ。 野生のは食えるかな?」

「焼き立ての魔物、初めてだ~」

「獲ったばかりの、油ジュウジュウ! なんかすご~い」


 野生の魔物は初めてのようだが、腹を壊さないだろうか?  後で薬草を食べさせておくか。

幸い胃腸に良い草があちこちに見えるし、それに先生が回復魔法を使えるから問題ないか。

そう考えていると二人は既にかじりついている。


「熱っ でも美味しい!」  

「タレが無いのに凄く美味しいし、いい匂い~」

「とれたてだからな、塩とコショウで十分うまいんだ。 たっぷり有るからどんどん食え」



 皆が食べているうちにグロフが別の地図を出して見比べていると兵士の一人も地図を持ってきた。

どちらの図も宝の地図と、縮尺も書き込みも違い位置関係が今ひとつだ。

大雑把な把握しかできそうにない。


 「う~~ん 、やはりこの辺が似ているだけか」

「そりゃそうだ。 正確にわかるならとっくに取られてしまっているさ」

「絶対この国だよ、うちに代々伝わるものだし。  ご先祖が描いたものだよきっと」


子供は力説するが思い込みも有るだろうからと、話半分の態度が見て取れる。

でも退屈な仕事よりは楽しみが有る方が良い。   


 「だとすると、まずここへ向かってですかね。 現在地からだと・・ 3日? 4日かな?」

「そうだな。 急いでも3日はかかると思う」

「そこからこの湖・・・ ここまでの距離が怪しいけど」

「縮尺がな、 湖の名が描いてないだろ?  どの湖か定かでない」


 地図に描かれたときと地形が違うこともあり得るから、なおさら怪しい。

それに文字の方もヒントなのか暗号なのか、よく読まないと。


 「これ、筆跡が違うね。 インクの質も違うみたいだし複数の人が書いたものだな・・ 3人かな?」


今まで黙って聞いていたミミィさんが宝の地図を見ながら言った。

彼女は今まで古代語の解読を仕事にしているし、注意深さがでているようだ。


「へえ、そんな事がわかるんだ」   

「この手の記録はね、全部がヒントとは限らないよ。 妨害のために書き加えることもある」

「妨害?」

「ニセの情報を加えることで混乱させるんだ。 だからまず分解して見ないとね」

「「へえ~~」」


そんなやり方があるとは、さすがは解読のベテラン。  


皆、食べながらミミィの作業を見守ることになった。




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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