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クリスタル・ロード 0273  鍛冶師の村へ

 「ふう、みんなお疲れさん。 あんたらの捕ったもんだが後で金を払うからさあ食ってくれ」


森の中、作業の後で焼肉が始まり山菜と合わせて食事となった。

とりあえず消火帯はできているので、ひとまずは休憩できる状況だ。

魔物は大物をいくらかを含め、小物が一山あるので肉には事欠かない。


「おう腹減った、酒があるとなお良いんだが仕方ないか」


レフが焚き火の前に勢いよく座り、剣を置いた。

その向かいには斧を持っていた男達が肉を手際よく焼いている。


 グロフ達は隣の焚き火で同様にもてなされているが、フレアが機嫌悪そうである。

自分の出番があまり無いのがご不満のようだ。


「酒がある方良いのは儂らも同感だが、今は茶でこらえてくれ! 事が終われば改めて用意するからな」

「おう、期待してるよ」


 自分の隣に座ったリーシャ親子も焼肉をもらうが、辺りを見てリーシャが少し落ち着かない。


「焼肉の匂いでドラゴンが寄ってこないかな、大丈夫?」

「ああ、 嬢ちゃん! アイツラはこれしきの焼肉など目もくれんよ。 食う量が違うからよほどの大物でないとな、それに生肉のほうが好むから」

「そうよ、安心して食べなさい」


 先生にも言われてようやく食べ始める。

では自分もと頂くと、魔物の肉にしては美味い。タレが良いのか付合せか香りが良い。


「あんた達が来てくれて助かったよ、危うく手が足りなくて火が広がっちまうとこだったから」 

「そうそう、街の奴らドラゴンが来たら閉じこもってしまって、誰も来ないとは」

「オジサン等は森に住んでるの? 」


ジョーイがウサギ型の魔物を丸焼きでかぶりつきながら聞いた。

小さめの獲物とはいえ丸ごととは・・ 


「おう、俺達は鍛冶師の一族だからしょっちゅう金床の音を立てるだろ、だから森のほうが都合いいんだ。 薪(まき)だってここなら山ほどあるしな」

「俺達は急ぎとなれば夜中だって仕事するから、町中(まちなか)じゃケンカになっちまうよ」

「そりゃ夜中までカンカンやられたんじゃ、はた迷惑だよな」


違いない! と、大笑いしながら食べているが、夜中まで働くほどの需要があるのか? 

戦でもなければそれほど急ぎの仕事があるだろうか、しかしあまり聞くと怪しまれるかな。  

これもスパイ活動だから目立つわけにはいかない。


 「あんた達は外国の人かな? 冒険者が来てくれて良かったよ、ここの奴らは薄情だ!」

「旅をしながらお宝探しをしてるんだがな、この辺にないかな? そんな噂」

「ね~~、 お宝のためなら少々の危険はものともせず、なんだけどね~~~」


レフとジョーイが調子よく話を合わせるが、宝がほしいのは本当かな? 初めて会ったときもそんな事を言っていたか。 遺跡を見つけたとかで・・ 。

 

 「宝かあ? この国でそんな噂は聞いたこと無いがな、 無いよな?」


鍛冶師が仲間に聞くと、首をかしげながら答えた。


「無いはずだと思うが、 俺の爺さんならそんな話聞いとるかもな。 若いときに探したと言うとったが・・・ 当てにならんぞ、 ワハハ!」   

「いい、いい。  宝探しなんて当てにならない噂で当たり前ってね」

「その通り! 当てになるならとっくに他のやつに取られてるさ」


 う~~ん なるほど、それもそうだ。

などと話していると、向こうの焚き火ではフレアとグロフが反応して聞き耳を立てているように見えるが、やはり冒険者の血が騒いでいるかな。

ジャンヌさんは我関せずと言うように、既に食事を負え木に登り見張りをしている。

ミミィは食べ終わるとメモを持って魔物やら植物やらの事を書き留めてるらしいが、あの人は久しぶりに外出できて嬉しいだけかな?


 「煙が広がって来ましたよ!」


木の上のジャンヌさんが声を掛けてきた。 火が近づいて来たと言うことだ。   


「じゃあ後退するか、あんたらのお陰で十分間に合ったし腹ごしらえの時間までできた。 改めて礼をするから家まで来てくれ、ここは見張りを立てておく」


焚き火を消し、食べきれない肉は荷車に乗せて運んでくれることになり、皆で鍛冶師の村に向かうことになった。



 村は丸太の高い塀で囲まれ、ちょっとした砦のように強固そうで森で暮らしているだけはあり、門から入るとそこかしこに鍛冶用の釜があるのか高い煙突から煙が上がっている。


「普段は鍛冶の音で溢れとるが今は男手が出払っとるから、静かなもんだろ?」


笑いながら村長の家に案内されると、大きめのレンガの家に大男がいた。

ギルド長より一回り?大きく、彼より腕が太く筋肉質で・・ 硬そうだ。 さすがは村長。

鍛冶で長年鍛えられたのが見て取れる。   


 「あんた方が手伝ってくれた冒険者か、すまんの、 改めて礼を言わせてくれ。 これは少ないができるだけ用意したでな受け取ってくれ」


そして革袋に詰まった金を2つ置いた。 どちらも銀貨が詰まったなかなかの額だ。


「これだけ貰えりゃ十分だ、なあ」

「あれしきでこんなに頂いてよいのかなと思う。 多いほどだ」


レフが言うとグロフが頷いた。  


 その夜、彼らによる歓迎の宴が行われたのだが、そこで少し変わったものを見られることになった。



早く涼しくなると良いですね。

暑いですが頑張ります。

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