クリスタル・ロード 0266 水の国の資源は
「水の国で集めた情報な、実になりそうだぞ。 あれから精査が進んでな」
自宅にて夕食前、仕事から帰った父さんから唐突にそんな事を言われた。
「帰るなり仕事の話ですか、こちらは骨折を治療されたばかりでまだ痛いんですが」
自室のベットで夕食まで休んでいようと思っていたのに、ズカズカとやってきた父さんに安息を破られてしまった。
「ああ、辻斬りだか強盗だかにやられたんだったか。 砕かれたなら一週間は痛いぞ、そんなのにやられるとは情けないな全く」
「とんでもなく強いやつだったんです。 あれは暗殺屋ですよ、凄腕の!」
「ほう、どんな奴だった? 剣技は?」
「あれは・・・ 筋肉質で細身、長身の、棍棒を4本手足で振り回す、確か苦渋道ー 粉砕骨 とか言って・・ 」
たしかそんな事を言ってたと思ったが、自分でも怪しげな話に聞こえる。
「苦渋道? そんな流派は聞いたこと無いがな、他国の者か? 言葉はどうだった?」
「言葉は・問題なしですが、どうも竜王国の関係かと・・そんな発言があったので」
「ほう、ではスパイか? それにしてはあからさまな接触だが、からかいに来たかな?」
そう言われると、あの態度はそんな気がする。 暗殺屋が顔を晒して接触などまともではない。
狂気のこもった笑顔など不気味な態度はからかいに来たとしか思えん。
だんだん腹が立ってっきた。
「それで逃げられたか」
「手足と腹を切ってなんとか引き分けに持ち込みましたが、人質を取られてたので」
「今度見かけたら問答無用で斬れ。 でないとまた取られるぞ」
そのとおりだ。 甘い奴と思われると仲間が狙われる。
こんな前例は一度にしておかないと。
「それでさっきの話だがな、水の国ってのはなかなか有用な資産持ちなんだぞ」
「有用・ですか? 魚介類はすごく美味いですけどね」
「食料も良いが、魔法関係な。 専門家によると魔力とも少し違うらしいが、極秘だぞ」
父さんは声を低くして顔を寄せ、ニヤけながらこちらの顔を見る。
こんな態度のときはかなり機嫌が良いのだ。よほど良いことがあったのだろう、領主に褒められたのかこれは良い意味で酒が多くなりそうである。
「二人とも夕食できたわよ、いらっしゃ~い」
「おう、早いな」
母さんが戸口に呼びに来た。 体が痛いのでゆっくりと立ち上がると父さんが体を支えてくれるので地味にありがたい。
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「そうそう、私もあの国で魔力とも違う力を感じたよ。 お母さんもだよね」
「そうね」
翌日、リーシャの家(魔法塾)にてリーシャ親子と水の国の話をすると思い出したわけだ。
「父さんが言うには 極秘事項だから後で改めて伝えるから とのことだけど」
「あの国には魔力とは別の力があるみたいなのよ、魔力や生命力の源のような・根源の力とでも言うのかしら」
「うん、私の杖もそんな事を言ってるの。 地脈とか霊脈とかでどう伝えたらよいか適切な言葉がわからないと、なんてね」
地脈? 霊脈? 杖は先史文明の知識を有するけどそれでも説明しにくいこととは?
「それでね、あの街に着いてすぐドラゴンが飛んできたでしょう? あれがね、あの国の力と関係あるような気がするのよ。 偶然てことも有りうるけど、去年も同じ時期に来たそうなの」
「あの国のお祭りにも関係あるのでは? 祭りでの名物、光る噴水? 間欠泉だったか」
「そう、あの国の人はただお祭りとして行っているけど、もしかすると凄い資源があるのよ」
資源、ドラゴンを引きつけるほどの力。 それがあの国に眠っているなら・・・
あの国との繋がりを強めることができたら竜王国に対抗できるのでは?
もしかするとそれ以上の。
「私も会議に呼ばれているから明日領主様の館に行くのよ、多分その話になるから」
「期待してます、続報お願いしますよ」
「二人ともわかっているだろうけど、極秘だから口外禁止よ」
自分達は黙って頷いた。
短くてすみません。




