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クリスタル・ロード 0260  暗殺ツインズ?

 「俺の名はブレッドン、流れの兵士だ。 ここいらで強いと噂のネビィと戦いたい」


自分と? でもなんでここへ来るとわかってたんだ、つけてきたのか? 

でも待ち伏せのように見えたが、どうやって?

馬を使えば先回りをできるか?

男は背が高め、手足が長く細めだが肩幅広めで引き締まった筋肉、鍛えた体と見える。



「ネビィは自分だ、だが今は客を送る仕事の最中で勝負どころではない」


仕込み槍を持って立ち上がり、ジョーイに回り込むように合図を出した。


「ほう、噂通りずいぶん若いな。 だが仕事はキャンセルで問題ないぞ、なぜなら・・」

「ぐっ 」

    

 後ろから妙な声が聞こえたので振り向くとジョーイの首に蔓(ツル)が巻き付いて締め付けられて、それはお客の小さな荷物から伸びている。


「動かないでくださいね、暴れると首が断ち切れますよ。 そちらの方も」


前方を見るとレフの首にもいつの間にか巻き付いていた。

ツルが馬車の下を通っているようだ。  レフも外そうとするがすでに食い込んでいる。


 「言ったろう? キャンセルで問題ないと」


ブレッドンと名乗った男がニヤリと片眉を上げて両手を広げた。

客の女がグルと言うわけだ。 おびき出すための役目か・・・ 人は見かけによらないな。


「言われたとおりにすれば二人は無事ですが、断れば死にますよ。 わかりましたね?」

「ああ、それでどうしろと?」


お客は前方の男をちらりと見た。  


「俺と一騎打ち、勝負というわけだ。 邪魔の入らない荒野でな! 実に素晴らしい演出だ」

「そして私が審判を。 仲間二人の命をかけて、あなたが勝てば二人は自由! あなたもね」

「そして俺が勝てば・・・ お楽しみ・だ」


 とんでもなく邪悪な顔でニヤリと歪み、性根の悪さが伝わってきた。 女も同様だ。

コイツラは一体何なんだ?!

普通の兵士や冒険者とは思えないおかしな気配が伝わって、女などさっきまでの客とは思えない。


     

 「言い忘れたが俺の流派は・・苦渋道(くじゅうどう)、  粉砕骨(ふんさいこつ) 」 

「私は同じく苦渋道、 締斬蔦(ていざんちょう) 」

 

苦渋道? そんな流派は聞いたことがない。  

武術の流派と言うより、まるで闇宗教の狂信者ではないか。 


  ・・・・・・・・・・・・・・・・・



 馬車にレフとジョーイが囚われ、女が見張りをし、自分と長身の男が少し離れて向かい合う。

風は弱く、晴れ。 辺りは開けて通るものはいない。

魔物もいず、まさに邪魔されない場所におびき出したというわけだ。

癪に触るが今更そんな事を言ってもどうしようもない。


「では始めようか、 日没まで時間はたっぷりある。 思う存分・・だな? 言っとくがその女は一切手を出さん、その二人にもだ。 俺が危なくなろうともな、安心しろ」

「そうよ~~ うふふ、 安心して殺す気でやってね!」


 こいつは仲間を殺されて構わないのか? しかし信用はできないか。   

いざとなると二人とも何をするか、わかったもんではないし、な。


「それでは・・・・ 試合・・・・・ か・い・し ! 」


女が言った途端、男の両手に武器が現れた。 袖から出したのか急に現れたのだ。

禄に動いてもいないのにどうやって出したのか見当がつかない。

やはりこれは普通の武術とは違う、魔術も入っているのか・・・・ 気配も違う。

ショートソードほどの短めの棒の先にはサイコロ状の四角い金属? どちらも鈍く光り、重いのか軽いのかは定かでないが手首と鎖、他方のは皮バンドかで繋がり外れにくい工夫なのだろうか?

 

 こちらは仕込み槍を構え、仕掛けを確かめる。

相手はこの武器のことを知らないはず、色々な仕掛けが付いていることを・・・・。


「それが噂の武器か? 楽しみだな、出し惜しみするなよ」   


?!  これのことを知っている?  よそ者なのに? 一体どうして!


「あらあら、私達は色々聞いたうえで来ているのよ。 それお父さんが造ったんですってね、あなたがたの二つ名は ”殺し屋親子” だったかしら?」


違う、”歩く凶器親子” だ! 、 言いたくはないが。


「くすくす、冗談よ。 怒らないでよ」

「おい、今は試合中だぞ! ヤジを飛ばすな」

「は~~~い」  

 

 女は涼しい顔をして笑顔のままだ。 しかしレフとジョーイを捉えるツタを緩める気はないと目は鋭く見張っているのが、コイツラこそ殺し屋ではないかと思わせる。

そして男が動いた。 10mはあった間合いを一気に詰めて左手の武器がぼやける。  


そう見えた瞬間、自分の頭に黒い塊が迫っていた。




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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