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クリスタル・ロード 0256  フレア退場?

 水の森に叫び声がこだまするが水の精ではない。


フレアのパニックによる絶叫で森の木々が揺れるかのようだ。


原因はフレアの首に巻き付いたヘビ状の魚、噛みつき魚なのだ。

さんざん気勢を上げたフレアでもヘビにはずいぶん弱いらしい。

グロフが掴んでいなければどこまで走っていったかわからないほど暴れている。

しかし即座にグロフが反対の手で魚を掴んで放り投げた。


「こんなことで騒ぐな、大した相手じゃ無いだろうが。 たかが噛む魚だ」

「ではすべておまかせします、ヘビはだめ~~~~~~ っ」

「お前がけしかけたんだ、責任を負えっ!」


 放り投げられた魚はすぐに地面へ潜って姿を消してしまった。  

帰り道まで把握しているようだ。 なかなかに厄介な相手である。

しかしすべて切り捨てていては捕獲ができないので、峰打(みねう)ちとするか? 

つまり刃のついていない側で叩くのだが・・ それでいいだろうか。


 二人が揉めているうちにもヘビ魚は次々に飛んでくるし、フレア達とリーシャ達へも向かうため自分が守らねばならず忙しい。

しかもやはり遺跡の剣は峰打ちでも切れ味が良く真っ二つになってしまう。


「ネビィ、少しは生け捕りにしてね~~」


後ろの先生から声をかけられる。 わかってはいるんですよ、いるんですけどね。

この数と速度のヘビ魚から守るには手加減する余裕がなく、切り捨ててしまう。

それではと剣の横、広い面で叩いたがこれだと地面に落ちてすぐまた向かってくる。  


「う~~ん、ダメージ無しか? 加減が難しい!」


やはりフレアの魔法に頼るほか無いのだが・・・・・。


「ほらフレア、お前の出番だぞ。 さっさと働け、逃げるな!!」

「イヤ~~~~~~~~~  ! 」


 あれは役に立ちそうに無いぞ、どうする?

他のチームに合流しようにも川を隔てているし、向こうも余裕がなさそうに見える。

なにせ数が多いので対処に追われているのが見て取れるのだ。


「仕方ないな、これは一時撤退をすべきか」


グロフがつぶやき後方を確認したその時、別の気配がして草むらからそれが飛び出して来た。

黒くて回転するボールのような物? それがフレア達に向かっていくところをかろうじて叩き落としたが、何だあれは! 子供の頭程もある黒い玉??


硬い殻に包まれたそれが地面に落ちると伸びて・・エビ?あるいはシャコのような足の数本あるものが口を開けると鋭い歯が見えた。

しかしすぐにまた丸まり、転がって去っていった。 どうやって転がっているのだろう??


「また来たよ!」


リーシャが叫ぶと後ろから次は2匹のボール?が飛びあがってくる。


「くそっ 囲まれたか?! 」


グロフが一つを払ったがもう一つはこちらへ来るので叩いたが、ヘビ魚と違い峰で叩いても切れず転がって行く。

手応えは固く重く、手がしびれてしまった。   

濡れた地面を勢いよく転がり水しぶきを上げながら去っていく。


「ほらフレア、今度のはヘビじゃないぞ。 あれならいいだろう、殺れ!」


いえ、殺ってはだめなんだけどね、今は言わないけどフレアに復帰してもらえばいいけどさ。

フレアを見ると少し落ち着いたように見え、襟首を掴まれながら振り返り辺りを見た。


「ホントに? ヘビいない・・?」


しかしヤブから飛び出して来たものをグロフが弾こうとすると、穂先に絡むように止まりそれがフレアの足元にドサッと落ちた。 

蛇型の魚がとぐろを巻いたようにだ。


またフレアの絶叫が森に響き渡った。



 「仕方無いわね、撤退しましょう。 全員に撤退の指示をお願い!」  

「わかりました、 みんな撤退だ、撤退。  引くぞ~~」


先生の指示で撤退が始まったがフレアは気絶したのかリーシャと先生に支えられている。

そしてグロフと自分が向かてくるあれを切り捨てるが、まるで減る様子がない。


「もう捕獲は捨てて、後ろに強い障壁を張るから前だけ頼むわね」


先生が後ろへと杖を振り魔法を放つと、そこへ当たってヘビも玉も撥ね返され落ちていく。

これなら問題なさそうだ。  あとは前だけ注意していれば良い。

少し気を抜いてヘビどもを次々切り捨てていった。 もちろん刃を使ってだ。

これなら硬い殻も難なく斬る事ができる。


 「後は森を抜けるまでの辛抱だな、やれやれ・・・」


グロフが呆れたようにそう言うのも無理がなく、とんだ失敗クエストで疲れるだけだった。

これは責任問題になるのではと考えたその時、また森の気配が変わった。

今度は前方で妙な低く響く音でざわついている。



どうも、これで終わりとはいかないようだ。




いつも読んでいただきありがとうございます。

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