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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【32000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0242  未知の召喚獣

 敵のうちの一人が懐から出した袋、それから素早く出した物を空へと投げると

一瞬辺りが暗くなって中心からズルリと出てきたのは・・あれは何だ。


暗い紫の煙を吹き出しながら巨大なイカのような、クラゲのようなものが出てきた。

召喚した獣魔なのか、頭の部分はサメのようであり大きな口とその内側には鋭い歯が並んで、羽がないのに飛んでいる。

まるで空中を泳ぐように。

あんなのは見たことがない、こちらの兵士が浮足立って騒いでいる。


 「お、おい、何だありゃ あれが獣魔か」

「あんな魔物、聞いたことも無いぞ。 どっから連れてきたんだ・・」


それに反して敵は勝ち誇ったようにニヤついている。  


「死にたくなければ撤退するんだな、今ならまだ間に合うかもしれんぞ」

「手遅れでも責任負えんが、 くくく・」


 ドラゴンソードは威力が有り過ぎと思い持ってこなかったが失敗だったか? まさかこんなのを用意してあるとは、遺跡の剣なら切れ味は良いが飛ばれては届かない。

これでは弓か魔法に頼らねばならないが、しかし見てるだけなのは情けない。


 剣を抜いて地上の敵に向かう事にしよう。

召喚した者が操っているのなら其奴を倒せば良いはず、敵は数人程度で味方のほうが多いから・ と思ったが飛ぶ獣魔から小さな物がポロポロと落ちてきた。

平べったい貝のようなそれが地面に落ちるとすぐ水平に回り出し、滑るように進み向かってくる。   


 よく見ると細い触手のようなものを振り回し、小石を跳ね飛ばし草を切りながらで背筋が冷たくなるのを感じた。


「避けろ!」


慌てて兵士達が飛び退って躱すが靴に触手が当たり厚い皮が切れてしまった兵がいる。

小さいながらも危険な魔物、あんなのが手下なのか。

しかも地面を滑るような動きで、上からの攻撃と挟み撃ちになる。

 

 「私が上の魔物を仕留めますから、下のを頼みますわ」


その時フレアが叫んで杖を振るのが見えた。 魔物相手ならと大魔法を使うのだろう、人相手では彼女の力では有り余ってしまうからな。  


「では俺達が下の貝共だな、皆いいか、全部潰すぞ」


 兵士達が剣を向けて動き回る貝を狙うが何しろ早い。

触手をかわしながらでは剣が当たるかギリギリの間隔だから空振りが多い。

自分も手伝いつつ召喚者を撃つべく進むが、敵の魔術士からの妨害が入った。


「そうはさせるか、泥水をくらえ」


 振った手から黒い水がばら撒かれ地面に広がると足元が滑り出し危うく転びそうになって踏みとどまるがそこへ貝が来て足を切っていった。

足から血が垂れ痛みが走る。 

しかも貝は滑りやすくなった為、速度が上がりますますやっかいになって兵士達も切り傷が増えている。  


 それにフレアが立ち向かうクラゲイカ?も大魔法を食らっているはずがさほど効いていないようだがどうしてだ 。

ジャンヌの爆発する矢を食らっても少し変形する程度で焼けもしない。


 「恐れ入ったか、あいつは耐魔法、耐物理に優れた召喚獣で我が国の秘宝だ、お前達が御せるような相手ではない」


 勝ち誇ったように敵のリーダーらしきのが吠えた。

ドラゴンソードがあればあいつごと真っ二つにしてやれるのにと思ったが、待てよ、もしリーシャの母さんが敵の馬車に乗っていたら巻き込んでしまいかねない。

なぜここにフレアがいるのか疑問だがそれは後の話としておこう。


 「もう、まだるっこしいですわね。 炎も氷も効かないなんて、この軟体獣魔は」


フレアが業を煮やして叫ぶが全く同感だ、下の貝もだがどうしたら良いのか。

このままでフレアの魔力が尽きればこちらの負けが確定になる。


 「ネビィ!」


 その時後ろから叫びが聞こえた。 リーシャの声だ。

何かと振り向くと馬車から身を乗り出してこちらを見つめている。


「私が強化魔法で支援するから、あの大きいのを斬って。 前にやったよね、支援ジャンプあれを使おう」


 そうか、だいぶ前だと思うがあれはリーシャの制御が今一つで、不安定だからと封印していたのだったか、あれからも訓練していたのだろうか? こちらはすっかり忘れてしまっていたが。  

と、思うまもなく体が軽くなって力がみなぎる。 これは明らかに前より良い。

足を狙う貝を苦もなくジャンプで避けられた。

これなら空へのジャンプもできそうな気がする。


 振り向いてリーシャに叫ぶ。


「じゃあリーシャ、やるぞ。 1.  2.  3! 」


空の魔物に向かってジャンプすると強い力に押し出されるように飛び上がり、すぐに魔物の上まで来た。  高さ100mはあるだろうか。

そして落ちながら近づいていくとサメのようなでかい口が開いて鋭い歯が見えた。




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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