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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【32000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0243  初めての空戦

 ジャンプしたのは良いがタイミングが悪かったのか下では魔物がデカい口を開けて自分を食おうと待っていた。


顎を斬ってやろうかと剣を構えるがちょうど真ん中に落ちそうで、届かないか?!

これはマズイ。

切れ味の良さそうな大きな歯がずらりと並んで迫ってくる。

背中に冷や汗が出始めて視界が暗くなっていく。


 その時急に視界が流れて闇が消え、明るくなった。


「何だ?!」


いつの間にか魔物の口がズレて自分の体が通り過ぎている?  ・・・?


それだけでなく体が落下せず、高度を上げていく。  

これは・・ ジャンプではなく、飛行・だ。    鳥のように飛んでいる。

振り返ると馬車の窓から身を乗り出して杖を向けているリーシャが顔をしかめ、苦心している様子が見えた。


 そうか、前はジャンプさせるのが精一杯だったのに飛ばせるようになったとは、いつの間にか修行を積んだようだ。 

成長したんだな、リーシャ、と自分のこと以上に感動してきた。


と、グラリと体が傾き軌道がズレ始めた。

どうやらまだ安定させるのは今一つらしい。

出かけていた感動の涙が引っ込んで、気を引き締めないとならない状況だ。


 「ネビィ、 ごめん もうちょっと待って! 」   



リーシャが叫ぶのが聞こえた・・ 謝るのは後で良いんで集中してもらえるかな。


 ゆら、ゆら と、軌道がぐらつきながら8の字旋回を繰り返しながら魔物の回りを飛び回るうちやや安定してきたが、敵のクラゲの方が安定しているのが少し悔しい。

しかしこれでまともに戦えそうな気がする。


 フレアは魔力が乏しいか、飛び回る自分を案じてか攻撃を中断し見つめているし、ジャンヌは狙いを人間の方へと移していた。


「リーシャ、良いぞ、攻撃開始だ」

「わかった~ 」


そう聞こえると魔力が一段と増加したように速度が上がり、風圧が増す。

敵もそれを察したのか後ろに流れるようだった触手が、広がり振り回され、さも迎え撃つと言いたげな様子になった。

自分の体が魔物に向かって蛇行しながら速度を上げつつ飛んでいく。


 やはりあの触手は攻撃や捕獲に使われるようで、前方に伸びてきてこちらへと繰り出されるが、その程度で捕まるような自分ではない。

遺跡の剣を振るって全て切断、 と、思ったがズルリと滑るような感触で手応えがおかしく、少し傷ができた程度のようだ。


 「ぬぬぬぬ~ 、この剣でも切れにくいとは・・・」


しかし触手は細いし斬ったとしてもダメージが低そうだから構わないか、倒すには本体それも急所をやらねばならないだろうが、急所はどこだ。


こんな獣魔は見たこともなく文献にも無いと思う、噂にも聞かないものだし。  

一体どうすればいいのか。

しかし悩んでる暇はなく又触手が向かってくるので剣で跳ね除け、本体へ飛んでいくとでかい口で飲み込もうとしてくる。

寸前で軌道が変わって避けるときに今度は顎を斬りつけると、重い手応えがあった。


 手応えが固くて重い!

体は柔らかそうで触手に近いのにだ、これは???   

そうか歯があるなら噛むために力を入れるし、そのためには顎が固くなければならないはず、だから手応えが違うのか。

それならあの顎を切り落とせば良いのでは? あるいは体まで裂いてしまうか。


 しかし体の方は柔らかそうだし、今ひとつ浅くなりそうな気がする。  

次に向かって来たときに口から顎へと斬りつけたがやはり体に向かうにつれて柔らかいので滑るように浅くなる。


 そろそろリーシャの魔力が枯渇しそうだがどうすべきか。

空中でターンをし、体をひねったその時、背中で折りたたみの槍がガシャリと鳴った。

そういえば父さん作成の槍も持ってきてたんだった。

まるで使えと言うかのようにそれが主張するとは、不思議・・じゃ無いか、しばらく使ってなかったし、あの父さんの造った武器だから。


 よーし使ってやろうじゃないか、大物相手だが壊れるなよと念じる。

オプション(付属)のワイヤーもだ、背中から槍を取り出し飛びながら伸ばした。

ワイヤーの一方は槍に繋がり他方には手首を通す程度の環が付いている。  


 そして次に向かってきた魔物が大口を開けたとき、槍を構えて思い切り振りかぶった。



いつも読んでいただきありがとうございます。

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