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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【34000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0237  美術品のお土産?

 「疲れた~~~~~~~~~~~」


水路プール開きで十分遊んだ夜、一番疲れた様子なのはミミィである。

さんざん泳いで食べて飲んでまた泳いで、さあ帰ろうかというときにグラナダ師匠に見つかって仕事に連れ戻され遅くまで仕事だったからだ。


 皆の夕食が済み、風呂へ入った頃ぐったりとして帰ってきた。

仕事から逃げて遊んでいた罰とはいえ気の毒なことだ。


「エビをお土産に持って行ったのに~~、 これはザリガニだよって言いながら食べておいてこの仕打ち~ ? 、ひどい~~~~」


ザリガニなのは本当だし、お土産があったから泊まり込みにしなかったと思えば温情ある措置なのではと思うが、なんと慰めたらよいか。  


 「まあまあ、この時間に帰れたんだからすぐにお風呂に入れますよ」


外のテーブルに用意された遅めの夕食をぐったりとしながら食べるのに付き合って、彼女のグラスにワインを注ぐ。

これは良いワインで領主が帰り際にくれたそうだ。

やはり成果の多さで機嫌が良いのだろう・・・ 持ち帰れないほどの記録だし。


 「おいし~ ワインもご飯も。 いい香りのお酒に出汁の効いたスープ、ネビィのお母さんて料理上手ね~~」


ようやく疲れが取れてきて緩んだ顔になり笑顔が戻っている。

テーブルに両肘を付いてやや行儀が悪いがまあ良いだろう。


「あらありがとう、 ミミィさん、そろそろお風呂が空くからあとで一緒に入らない?」  


母さんがやってきて食べた皿を下げながら誘うと、グラスを一気に飲み干した。


「はい~ 、ごちそうさまでした。 お風呂入りま~す」

「大丈夫かな? 酔ってないですか、寝込んでしまわないようにね」


ご機嫌なのは良いが風呂で倒れないかなと思う。 


「大丈夫よ~~ これしき子供じゃないんだから~ ♪」


しかし立ち上がり方がゆらりとして危なっかしい。


「そうよね、私もさっき飲んだけどなんてこと無いわよ、ねえ」

「そうそう、お母さんも平気ですよね~~ 、女は強い~ 、師匠は強すぎるけど」


 母さんは酒が強く1本飲もうが平気だが、ミミィは・・?  それほどでは無いようだが大丈夫かな。  


「皿は洗っておくのでこの人を頼みます。 お風呂でも」

「ハイハイ」


ミミィに肩を貸して二人でお風呂へと向かっていった。

倒れませんように。



 皿を洗い終わる頃、父さんが帰ってきた。

何やら大きな荷物を抱えているが、何だ? お土産とも思えないが。

布を巻かれた丸みのある物・・・・ なんだろう。


「ふう、母さんは風呂か? これを見せようと思ったんだがな」

「何ですかこれ、プレゼントではないかな。 誕生日じゃないし・・」

「ああ、だけどちょっとしたもんだぞ。 見るか?」


 包みを開けると大きなカゴに、鉢植えの木? 花? と鳥が入っている。  

花にしては太い茎で枝のようだし、小さい木のような物に鳥が止まっているが置物では無くわずかに動いているし、顔を近づけると首をかしげ他の枝へと移る。


 「本物みたいだろ、これが造り物なんだぞ。 信じられるか」


父さんが得意げに言うがこれは見覚えがある。

遺跡、あの大きな木に辿り着く前に止まっていた鳥のようだ。

羽の色や艶が美しく、印象的だった。


「遺跡にいたものですか、回収したんですねいつの間に」

「お前達から報告があってすぐにな、回収班が行って少しだけ持ってきた。 でかい木の方はまだ調査中でとりあえず現場の保全だけだが、すぐ石板も運ぶぞ」

「早いですね」  

「領主がずいぶん急いでいるからな、特別な隊は24時間体制だぞ」


 夜中も・とは、ミミィさんよりキツそうでご苦労さまです。


「報告によるとこの鳥や動く絵に関する記録もあるそうだな、それでこれをうちの街で造ろうとの考えだそうでな」


それは初耳だ。 もうそこまで記録の翻訳が出来たとは・・ずいぶん早い。

グラナダ師匠が張り切っているのだろうか。

ミミィがへばっているのも頷ける。 よほど急がされているらしい。


 「美術品を造るとはこれのことですか」

「そうだ、まだまだあるだろうな。 これはサンプルとして持ってきたが」

「良いんですか、持ち出して」  

「ミミィが記録の解読をしてるだろ、実物もよく見せんとな。 これも仕事だ」


そんなことを言ってるが、立場を利用して母さんに見せるのがいつもの事だ。

まるで宝を見つけた子供のようなのだ。


 「美術品というよりこれは工芸品のようだが、遺跡の高度な技術がいるなら芸術として通りそうだろう? 芸術家で無くても作れるとしたら・・ どうだ」

「そうか、一般人が造ってそれを売れる。 もしかすると高値で」

「そうだ、領主はそれを狙っている、 この街、あるいは我が国の特産品ができる」


 客は隣町・・別の国、特に竜王国にもいる。

そうだ、竜王国の王妃が美術品に関心があると言っていたか。

どこかで聞いた気がしたはずだ。  


 「竜王国を相手に・ですか」

「そう、 だが秘密だぞ。 誰にもいうなよ」


父さんのほうがバラしそうだがそれは言うまい。 今更突っ込んでも仕方ない。

動く絵というのも気になるが、それは見たっけ? 彫刻は見たようだが、他には何があったか・・・・ 兵器に気を取られて他の記憶が欠けているらしい。


 考えているうちに母さんたちが風呂から上がり鳥を見ている。


「これが造り物なの? 本当に?」


そう言われて父さんが得意げだ。




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