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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【34000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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233/251

クリスタル・ロード 0233  完成と,お祭り前日

 水路の模型ができた。


模型とはいえ実物の十分の一、幅50cm、長さは一部なので2m、木製だが本物は石やレンガで固められ底には滑り止めで砂利を敷き詰める予定だ。

そして肝心の取水、排水部の捕獲器もつけてある。


 漁獲部は車輪付きの台車が受け止めるようにして、すぐに運べるようにしてある。


「まだどれほど捕れるかわからんがな」

「でも捕れすぎて困るよりは良いでしょう、用意しておけばすぐ運べるし」


庭の隅で父さんと模型に水を入れてるとリーシャやフレアがやってきた。


「これがプール? の模型? 流れるのって怖くない?」

「ゆっくりだから大丈夫、内側は子供用で浅く外側だって1m少しで足がつくし」  

「これが街の外を一周するんですの? 長いですわね」


二人して興味深そうに水路を見つめて聞く。

水が溜まっていくにつれ目が輝いて泳ぎたそうだが実物はもう少し先だ。


 「いつ頃出来そうです? 水着を用意しませんと」

「計画が固まればすぐ施工できるんで、それから2ヶ月ほどかな、領主次第だが」


父さんが代わりに答えたが2ヶ月とは早いほうだろう。

やはり領地を守る意味があるから通常の工事より優先すると思われる。


「早く造るためなら私も協力しますわよ、魔力で。 ゴーレムだって使って!」

「あ、それならワタシも、フレアさんほどではないけど出来ます」


フレアの魔力は制御に難があるけど力は強い方だな、役に・・立つかな? トラブルさえなければだが。


 「おう、領主の許可があれば魔力使用もできるな。 ギルドを通して人材集めもだし後で交渉しておこう」



 そして数日後、交渉が通って魔法担当も体力担当もギルドで募集が開始されすぐに施工が始まることになった。

当然工事は専門家がついているので自分達は補助程度になった。

流れるプールと言う表向き娯楽用としては異例の資金が投じられ、人手も資材も潤沢に集められ工事は急ピッチで進んでいるので早く完成しそうだ。


 「俺達も明日から少し入ることになった。 夕方から日没までだけどな」


レフとグロフが畑仕事をしながらそんなことを言う。  


「うちの仕事が終わってからまた仕事ではしんどいのでは」

「なに、冒険者家業ではその程度はよくあるしどうってこと無い」

「ああ、畑の世話程度では体がなまっていたところだから丁度良いさ」


 ちなみに魔力を使うことの許可も出てフレア達は昼から向かっているし、ギルド長まで出てアイリスも働いているそうでやはり異例の工事である。

アイリスは主にフレアの補助だそうで、暴走しないように制御する役と思う。


「なんだかアイツラのほうが活躍してるようでしゃくだがな」

「腕力なら自信あるが土木関係は素人だからな、仕方ない」


屋台や水着関係の業者も準備が進んでいるそうだし来月には泳げそうな気がする。



 そう思っていたら・・・・ 本当に出来た。  



「完成だ、早いだろう。 フフン」


父さんが指揮した訳ではないのに鼻高々だ。

計画を固めたのはそうだが施工には大勢が関わっているし、フレアもだ。

アイリスが付いても何度か暴走しそうになったらしいが、事故もなく収まったのは実にめでたいし関係者が胸を撫で下ろしたと思うのに、そんな事は知らない風である。


 水路は大きめの石やレンガでしっかりと固められ底には玉砂利が敷かれ水は澄んで、日光を受けて光り良い雰囲気で喜ばれそうだ。 

これで屋台などが並べば賑わうことになるだろう、既に場所決めが始まっている。


「やっと出来たね~ 楽しみ~ お祭りみたいだね。この感じ」


水路を見下ろしていたらリーシャがやってきて並んだ。  

今は昼なので休憩時間、水路を見ようと人がだんだん集まってきている。


 フレアやジョーイなど4人組も門から出てきたところで、こちらを見てやってきた。


「ついに完成だな、ここを泳げるとは・・ 一周するのはしんどそうだな」

「ぶっ続けは無理じゃない? かなりの距離だよこれ」

「距離はともかく、大勢が入るとぶつかってしまいそうだな」

「流れるプールか、どっちに泳ぐんだろ? 流れに沿ってか逆らってなのか」

「方向は自由なのかしらね、一方通行かしら」


 皆てんでに言いながら水路を見つめながら盛り上がっていると、周りもつられて色々と話が弾んでいる。   

やはりお祭り騒ぎの好きな住人達だ。


「そういえばミミィさんは? 遺跡巡りから見てないようですが」

「おお、あの子は領主の館に泊まり込んどるそうだぞ。 遺跡で記録が山程見つかったんだろ? その解読とかで大忙しらしいぞ」


父さんが知っていたか、あの記録。 あれには兵器などかなり危ないものも載っているし機密のはずだがとヒヤリとする。

リーシャ達はともかく他の人に聞かれるとマズイはずだが。


「領主がたいそう喜んでおったぞ、すごい収穫とな。 報酬もかなりらしい、だからこそこの水路にもはずんだわけだぞ」


ニヤリとしながらそう言うがあれにはかなりの懸念が・・と、父さんに言うのはまずいか深く考えないタイプだからな。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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