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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【34000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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232/251

クリスタル・ロード 0232  堀をプールに

 流れるプールに関して考えることにして、図を描いてみた。

川から水を引き込み堀に流し、街を一周してから水が出ていく事になる。

ある程度を溜めてしまえば後は少しずつの取水で足りるし、流れる速さと水温で調節すればいいか。 水の浄化のためにも流れているのは都合がいいな。


「問題は安全面だな、流れる事もだが取水と排水で危険が無いかよく考えんと」


朝食のテーブルの上においた図を父さんが見て言う。

安全面・ 取水はともかく排水の方で人が流されるのは絶対に防がないと。


「ほら二人とも、話は後にしてご飯を食べて。 図はしまって」


母さんがパンやスープを持ってきてテーブルに置き始めた。


「はいはい、人が流されない仕組み・仕組み・・・」  

「おお、今日は魚があるか。 昨日のカニもだが今日の魚も新鮮だな」


 テーブルに置かれた魚を見て父さんが機嫌良さそうだ。

ん? 魚? さかな・・・ 網?    網か。


「排水部に網を張るのはどうかな? 目の細かいのならなお良いんでは」

「網か、悪くないがたるんだり引っ掛かりはせんか? それに強度はどうだ」


引っ掛かるかな、女性なら髪が絡まるのはあり、か? 指に絡まるのもあり得る?

指輪をしてると有りそうか、う~~~ん。

考えながら台所をふと見るとスノコが目に止まる・ ん? スノコ、あれはどうだ、

網の代わりにスノコを使ったら。


 「なるほど、スノコか たるまんし良さそうだな」  

「しかも斜めに長くすれば、水の底から水面上まで水の力で上がってくるのでは?」

「あら、魚を捕る仕掛けみたいね」


 母さんが言ったとおりそんな仕掛けがあるな。

ほっといても魚が上がってくるものだ。 それの人間版だが安全のためだから良いだろう。


「じゃ、それを取水部にも付ければ魚や川蟹が捕れるのでは」

「お、良いなそれ、 泳ぎの合間に焼きガニで一杯な」

「捕れたての魚もうまいと思うし」

「二人とも、領主様に怒られますよ。 勝手に漁獲なんて」


 そうなのだ、本来漁獲は認められた業者だけで黙って捕るのは違法なんだが。


「なーに、この程度は許してくれるさ。 焼く手間賃を業者に払い食材は無料で提供なら泳ぐ住人への格安のサービス屋台になるぞ」  

「泳いでると腹が空くしね」

「あらあら、許可が出るかしらね~」


 

 結果から言うと許可が出た。 

ただし多く捕れた場合は市場へ卸すように言われたが、程々ならOKとのことだ。

これも遺跡の成果のおかげだろう。


「やったな」

「流れるプールと屋台で人気出ますよこれは、他の屋台も来そうだし」


などと言って父さんとガッツポーズ。 

しかし問題はここからで、単純な構造とはいえ水路は土木工事が必要だし自分達は門外漢。 模型作り程度はできるが実際の工事となるとどうする。  


 「その点は問題ない、こちらで案を固めれば施工は専門家がしてくれるから、我々は住人が楽しめるよう考えれば良い」

「なるほどそれなら、魚のつかみ取りさせるとかイベントを」

「おお、その案いただきだな、 カニ釣り競争とかな」

「二人してまるでお祭り企画ね」


母さんはそんなふうに笑うが、住人はお祭り騒ぎが好きなのだ。 遊び場ができるのも歓迎されるだろう。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

 

 リーシャ達に話すと目の色が変わった。


「え、流れるプール? ホントに? 街を囲むほど・・長いんだ~ 、水着、買わないと」

「ワタシも、それに浮き袋も」


アイリスは泳げないかな、というより漂っていたいタイプかな? 楽しみ方は人それぞれだけど、頑張って泳ぎそうな性格には見えない。


 「え? なになにプール? どこに、流れるって? 川じゃなくて?」

「それじゃ海まで流されてしまいませんこと?」


ジョーイとフレアも話に入ってきた。 耳ざとい。

畑に入っていたはずがいつの間にかそばにいる。


 「海まで流されたりしませんよ、街を一周するだけ。 安全面も考えてますよ父さんと一緒に」

「ほほう、小さい子でも大丈夫なのか? 本当にか」  


ギルド長までいつの間にかそばにいた。

ごつい顔で睨むように聞いてくる。 アイリスを心配してだろうが顔を寄せないでほしい。


「浅い水路も作る予定です、子供用に」


そう言ってもこの人は来るだろうと思う、アイリスの付き添いで。

いい叔父さんだ。




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