クリスタル・ロード 0231 安らぎのひととき
あの木の調査は改めてということになり、自分達の街に戻ってきた。
「早くまた行きたいね~、 今度は師匠も連れて行かないと。 私じゃ読めないのもあるから・・ それに大きな荷車を数台、馬車の方がいいかな」
大きな荷物をリュックいっぱいに担いだままで言う、石板が一杯で重いはずなのに。
ミミィがずいぶん張り切っているが、師匠のことは苦手だったはずが良いのだろうか。
いきなり馬車数台分では二人の仕事がかなり忙しくなると思うし、師匠にどやされないか心配だ。 あの人はあの人で領主からの仕事が詰まっているはずだが。
「今回はすごく疲れたね、ケガがなくてよかったけどネビィよく休んでね」
微笑んでいるリーシャの隣ではアイリスがなぜかこちらを睨んでいるが、自分がなにをしたというのだ。 気の所為か?
「アイリス達の回復のお陰でもう問題ないよ、ありがとうな」
「うん・・・」
アイリスはむっつりと返事をしたきりで迎えに来たギルド長の馬車に乗り帰って行った。
姪が無事に帰ってきたことでごきげんなギルド長の表情とは正反対だ。
フレア達4人は遺跡の調査の報酬が入ると満足げだ。
なにせあの大木には先史文明の記録が詰まっているらしいし、まだ一階(一室?)分しかわかっていないとはいえかなり期待出来そうなので。
あの人物の遺言を知らない人達はずいぶんとお気楽である・・ 自分は気が重いのにとつい顔が引きつるのだ。
「は~~ ホントに疲れましたわ、今晩はお風呂ですわね大きな湯船でゆったりと。 体をほぐしてからぐっすり寝たいですわ」
「だよね、 お風呂上がりは果実水で夕食は鍋物の温かいもので」
「鍋物いいな、肉や野菜買っておくか」
「魚介類も良いぞ、どっさり買っとこう・ いいよな?」
お~~ とばかりに4人は勢いよく市場へと向かっていった。
「まだ手が痛い? ネビィもお風呂で疲れを落としてね」
リーシャが顔を寄せていた。
自分は体の疲れより精神の方なんだけどあの事はとりあえず置いといて、風呂にしよう、考えるのはその後で良いな。
フレアたちのようにうちも鍋物にしようか、少し良いものを材料に。
「買い物して行こうか、久しぶりにリーシャの家と共同の夕食どうかな」
「そうだね、いっぱい買っていこう」
笑顔で乗ってきたリーシャと出店で色々買い込んですぐに荷物で一杯になった。
特に多いのは大型のエビとカニである。
家につくとリーシャの母さんもいてすぐに話がまとまり、夕食準備を始めた。
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朝。
今日は日曜日なのに既に父さんは起きて庭で鍛錬をしている。
昨夜、酒をずいぶん飲んでいたはずなのに相変わらず平気なようだ。
「あれしきで二日酔いなどならんぞ、母さんだって一本程度しか飲んどらん」
そうですか、一人で一、二本飲めば十分だと思うけど。
「エビとカニが新鮮で美味かったな、金は足りたか? 半分出してやるぞ。 相当な収穫があったのか遺跡の調査は」
「それはかなり、いわゆる金銀財宝では無いけど中身はそれ以上なものが!」
「ほう・・ では領主に報酬を弾むよう掛け合ってやろう、待っておれ」
そうだな、心配事はともかく今は単純に喜んでおこう、あの領主もいるし他にも考えてくれる人がいるのだ。
頼るのも悪いことでは無いだろう。
「お願いします」
ちなみに一番カニを食べていたのは父さんだ。
その分働いてもらおう。
「ああそうだ、流れるプールを造る話は聞いたか、街を囲む川のようなプールを造るんだがそれにお前も協力しろ」
「プール? 唐突ですね、街の周りに? なんで・・・・ 街を囲む? 堀ですか」
「そうだ! 察しが良いな、普段はプールにして戦となれば水を深くして堀にする」
なるほど、この街が狙われやすくなったから防御を厚くというわけか。
やはりあの領主は色々考える。
呑気なようで意外に計画的だ。
「川の水を引き込んで水量を調節しながら普段は流れるプールで楽しむと」
「そうだ、そのための仕掛けを考えるぞ。 まずは模型を造るか」
変な武器を造る機会が減った分、別のことを始めるか。
ドラゴンソードなどがもらえたから父さんの武器が出番ないからな、仕方ない。
プールで遊ぶのも悪くないし。




