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クリスタル・ロード ~失われない大国の王を目指して~ 【35000PVを感謝します】  作者: 前田  裕也
2 目覚めの章

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クリスタル・ロード 0226  竜の剣 ふたたび

 もう少し、もう少し時間があれば・・・・

後少しでドラゴンソードの力が発揮できる。


だがボスアリの体当たりと噛みつきで防壁がどんどん崩れ、フレア達の氷魔法も今度は効く前に砕けていき魔力が浪費されるだけだ。


「防壁が破れるぞ!」

「いや~~ 、何とかしてよ~~~」


間に合わないのか・・

熱を帯びて光りだしたドラゴンソードを構えてそう思ったとき、別の声がした。


「あれっ 棚の後ろに別の部屋? が、あるよ」


 緊迫した場面に合わない声で振り返ると、ミミィが石板の棚の後ろに首を突っ込んでいて、手には何枚かの石板があった。

今まで声が聞こえないと思ったらまだリュックに詰め込んでいたのかい。

緊急時に何をしているんだか。


「よしみんな、入れ! ここは自分一人でいいから」


振り向いてそう叫んだが格好つけてるわけではなく、周りに人がいないほうが剣が振るいやすいのだ、それほどこの剣の威力は凄いしスペースが必要だから。

しかし説明している暇がない。 今にも防壁が崩れそうだ。


「しょうがない、ネビィに任せて全員入れ。 行けっ」


グロフはさすがに状況をすぐにわかって促す。 凄くありがたい。


「えっ でも・・」  

「ワタシはまだやれますわよ、 敵がちょっと大きいぐらいで何ですか」

「そう、私が小さくたって頑張れる」

「みんなやめて入ろうよ~~」

「ごちゃごちゃ言ってないで入れ! ジャンヌ、君もだ」

「そうだ、みんな撤退だ。 リーダー命令だぞ」


 ごねてる人が若干いるがレフとグロフで押し込んでくれる。

そしてガシャンと重い金属音が響いて棚の扉が閉じたが、閉まる直前に「ネビィ、すまん」と声が聞こえた。 たぶんグロフだろう。


 あの扉、思ったより厚くて丈夫そうなのは幸いだ。

そう思った途端、防壁が崩れ氷が砕けて飛び散り足元に転がってきた。  


黒い体が見える。

太い柱のような足と腹の一部が現れ、そしてデカい玉のような頭が黒光りで磨き上げられた石のような・・ 相当な硬さだろうと思われる。

ごついハサミのような顎は岩をも砕きそうで、人間など真っ二つ・だな。


 龍の剣が光を放ち、強大な敵に闘志を燃やしてるかの如くだがまだ足りない。

あの敵にとっては狭い入口を黒い鎧のような体で押し広げながら体をねじ込んで、大木がギシギシと(きし)みながら揺れ、アレの上半身が入ってきた。

そしてその目がこちらを捉える。 

もう少し、もう少しで全開できる。 龍の力がもう少しで・・


眼の前にアリのデカい頭が迫り大型の顎が開いて首へと迫った。  

間には輝きを増しているドラゴンソードが!



        ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 真っ暗になった。


ついさっきまで眩しいぐらいの視界だったのに。


音もしない。 アリの気配も消えた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 自分は死んだのか?


衝撃も痛みも無かったが、あいつにやられてしまっただろうか。

間に合わなかった・か?


ここは死後の世界?  神の領域かな?


少し待ったが、天使も神も来ない。    


 なので少し歩いてみるか。

ぐるりと見回すがどっちも真っ白で、まるで違いが感じられない。


仕方なく最初に向いていた方へ進んでいく。


歩いている実感はあるが進んでるようには見えない。 背景が何もないのは奇妙だ。


 しばらく歩くと先にぼんやりと小山のようなのが見えてきた。

あれはなんだ? 神の家だろうか


しかしもっと近づくと山でも家でもなさそうだった。

徐々に形が見えてきた。    あれは・・・ 人か。


しかし 後ろ姿だ。 

なぜか背を向けている。   


机に向かって・か?  書き物だろうか、手が動いている。

ペンらしきものがチラチラと見える。


 なぜか邪魔してはいけない気がしてそこで立ち止まった。

彼はずいぶん大事なことを書いているようだと感じたから。


少し待っていると手が止まってペンを置いた。

そうしてゆっくりと振り返ったが、なぜか顔がよく見えない。

眩しいような霧がかかっているような、わずかにぼやけている。


「あなたは神ですか」


そう聞こうと思ったのに声が出ない。  なぜ?


「私は神ではない。 だが君を呼んだ者だ」  




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