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世界を救ったのは剣豪でもなく陰陽師でもなく薬師?だったんですよ!  作者: 氣愛注入


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第99話 キャッチ・アンド・サンダー!伏雷の力

「さて、これからこやつらをキルして、パーティーするざます。才蔵!才蔵はどこざますか?」


伏雷が辺りを見回すと、少し離れた場所から才蔵が姿を現した。


「今からアイツらをドーンして、ブラックコゲするから戦うざます!あんたもさっさと手伝いなさい!」


才蔵は懐から一枚の紙を取り出し、伏雷へ向けて掲げた。


『戦闘には参加できません、えびせん』


「なに?」


才蔵が紙をめくり、


『イザナミ様から戻れと命令、朝礼』


「イザナミ様が?!ちょっと待つざます!」


『おさらば、お台場』


「才蔵!!私の言うことを聞きなさい!!」


『メロン、ドロン』


ボンッ!


白い煙が弾け、才蔵の姿が跡形もなく消えた。


「なんざます!あの根暗ニンジャーは?!」


「……もういいざます!私が本気を出して、あんたたちをまとめてビリビリに感電させ、ブラックにするざます!」


伏雷は両手に一本ずつ蝋燭を取り出し、二本の芯へ火を灯した。


二つの炎が一気に燃え上がり、伏雷の身体を包み込み、


「私の本当の恐ろしさを見せてやるざます!この姿を見てリーブした奴はいないざますよ!」


尼僧の姿が炎の中で大きく歪み、四肢が地面へ落ちると、全身から無数の棘が突き出し、低く地を這う異形へと変貌した。


その背後では屍盾武者が盾を構え、屍薬師、屍陰陽師、屍歌舞伎者、屍忍者が次々と動き出した。


「伏雷達が来るぞ!」


空海が両手を突き出すと、光の壁がワイチたちを包み込んだ。


「まずは俺たちが行くぜ!」


「先手必勝!行きます!」


武蔵と小次郎が左右へ分かれ、一気に伏雷との間合いを詰めようとした瞬間、伏雷の背中から無数の棘が飛び出した。


「キャッチざます!」


棘が二人の足元へ突き刺さった瞬間、その形が崩れ、黒い足枷となって両足へ絡みついた。


「な、なんだ、こいつは!」


武蔵が強引に踏み出そうとするが、足枷が地面へ縫いつけるように動きを封じ、小次郎も刀を構えたまま前へ出られない。


「動けません!」


「オーホッホッホ!キャッチしたざます!」


晴明が式紙を放った。


「天狗よ、行けー!」


式紙から天狗が飛び出し、上空から炎を放ったが、伏雷は炎を突き抜けて地面を駆けた。


「なに!効いていない……?」


天狗が続けて風の刃を放ち、さらに雷を叩き込んだが、伏雷は次々と術を受けながら動きを止めなかった。


「オーホッホッホッホ!そんなもの、この私には効かないざます!」


伏雷が大きく口を開くと、黒く濁った液体を勢いよく吐き出し、地面を這うようにワイチたちの足元へ広がっていった。


「なんだ、この気持ち悪い水は!」


瘴化液に足を浸した屍盾武者が盾を強く構え直し、屍忍者が一気に駆け出すと、その動きは先ほどより明らかに速くなっていた。


「敵の動きが……!」


ワイチが足元を流れる黒い液体へ目を凝らした。


「この水、瘴気が宿ってる!みんな離れて!」


「もうレイトざます!」


伏雷が両前脚を瘴化液に浸すと、オレンジ色の雷が一気に流れ込んだ。


「嚙電挫魔蘇(かんでんざます)!」


バリバリバリッ!!


瘴化液を伝った雷がワイチたちの足元から一斉に駆け上がった。


「ぐああああっ!」


「うああっ!」


空海の結界が雷を受け止め、激しい閃光を放ちながら大きく揺れた。


その瞬間、屍忍者が横から飛び込み、小刀を抜くと、刃がオレンジ色に輝きながら結界へ突き立てられた。


「ウゥゥゥ……!」


バキィン!


結界に亀裂が走り、光の壁が砕け散った。


「な、何じゃと!?」


「オーホッホッホ!ディフェンス終了ざます!ここからもっとビリビリするざますよ!」


伏雷の全身の棘がオレンジ色に輝いた。


「美莉尾莉蘇留挫魔蘇(びりびりするざます)!」


棘の先端から細いオレンジ色の雷が一斉に放たれ、結界を失ったワイチたちへ四方八方から襲いかかった。


「ぐああっ!」


「くっ……!」


村正宗が玄武の盾で正面から飛んできた雷を受け止めるが、左右から回り込んだ雷が武蔵と小次郎へ次々と突き刺さり、足枷で動けない二人の全身を電撃が駆け巡った。


「皆さん、そのままで!リカバリーベル!」


ナリアの杖から柔らかな光が広がり、雷を受けた仲間たちを包み込んだ。


「武蔵さん、小次郎さんの足枷を解除します!ディスペル!」


浄化の光が二人の足元へ流れ込み、黒い足枷が消えていった。


「やっと動けるぜ!」


「今度こそ近づきます!」


武蔵と小次郎が左右へ分かれ、伏雷の前に立つ屍盾武者へ向かって駆け出した。


「オーホッホッホ!接近戦なんてさせないざますよ!」


伏雷の背中から棘が次々と飛び出し、二人の足元へ突き刺さった。


武蔵が横へ踏み込み、小次郎も身体を翻して棘をかわすと、瘴化液の上を屍忍者が駆け抜けた。


「ウゥゥゥ……!」


左右から手裏剣が飛び、武蔵が刀で弾き、小次郎が身を沈めてかわしたところへ、屍陰陽師が印を結んだ。


青白い雷が地面を這い、二人へ向かって走った。


バリバリッ!


武蔵が横へ跳び、小次郎も反対側へ飛ぶと、二人の間を雷が駆け抜けて地面を弾いた。


「ちっ!」


着地と同時に武蔵が踏み込み、屍盾武者へ刀を振り下ろした。


ガァン!


巨大な盾が斬撃を受け止め、小次郎が反対側へ回り込もうとした瞬間、屍忍者の吹き矢が進路へ飛び込んだ。


「くっ!」


小次郎が刀で毒針を弾く間に屍盾武者が向きを変え、再び伏雷の前を塞いだ。


「こいつ、徹底して伏雷を守る気か!」


「オーホッホッホ!私にタッチなんてノーノーざます!」


上空の天狗が風の刃を放ち、伏雷へ次々と叩き込んだ。


ドドドドッ!


伏雷は四足で地面を駆け、風の刃をまともに受けながらも速度を落とさなかった。


「やはり術が効きません!」


「オーホッホッホ!そんなマジック、ノーダメージざます!」


伏雷が晴明へ向かって駆け込むと、村正宗が玄武の盾を差し込み、その進路を塞いだ。


ガァン!


伏雷の身体が玄武の盾へ激突し、村正宗の両足が地面を滑った。


その横を武蔵と小次郎が再び駆け抜け、屍盾武者へ迫ったところへ、屍陰陽師が印を結んだ。


青白い雷が地面を這い、二人の進路へ走った。


「また術が来るぞ!」


武蔵が雷を避けて横へ踏み込み、小次郎が飛び越えたところへ屍忍者の手裏剣が飛び、さらに伏雷の棘が二人の足元を狙った。


刀で手裏剣を弾き、棘をかわし、雷を避けるたびに二人は屍盾武者から引き離されていった。


「くそっ!近づけねえ!」


阿国が尺八を構え、音色を戦場へ響かせた。


「それなら、雷属性を下げるわよ♪」


伏雷と屍軍団を包んでいたオレンジ色の光が弱まり、伏雷の棘から弾ける雷と屍陰陽師の周囲を走る青白い雷が勢いを失っていった。


「なんざます?!私のサンダーがパワーダウンしたざます!」


その背後で屍歌舞伎者が尺八を構えた。


「ウェェェェ……!」


甲高い音色が戦場へ響くと、伏雷と屍軍団の雷属性が上がり、弱まっていた雷が再び激しく弾け始めた。


「オーホッホッホ!サンダーパワーアップざます!ベリーグッドざます!」


「もう!せっかく下げたのに♪」


阿国が敵の雷属性を下げる音色を重ねると、屍歌舞伎者も雷属性を上げる音色を響かせ、オレンジ色と青白い雷が弱まっては強まりを繰り返した。


その間にも武蔵と小次郎が屍盾武者へ向かって走り出した。


「今度こそだ!」


「一気に行きます!」


伏雷の棘が二人へ飛び、武蔵と小次郎が左右へかわした直後、屍陰陽師が印を結んだ。


頭上に黒い雲が広がり、青白い雷が二人の進路へ落ちた。


ドォン!


「うおっ!」


二人が足を止めた瞬間、屍忍者が瘴化液の上を駆け抜け、武蔵へ手裏剣、小次郎へ吹き矢を放った。


武蔵が手裏剣を斬り落とし、小次郎が毒針をかわしたところへ、伏雷の棘が二人の足元へ突き刺さった。


黒い足枷が両足へ絡みついた。


「またかよ!」


「動きを止められました!」


「オーホッホッホ!何度来ても同じざます!そこでストップしてるざます!」


晴明の指示を受けた天狗が屍忍者へ向きを変え、風の刃を放った。


「ウゥゥゥ……!」


風の刃を受けた屍忍者が地面を転がると、屍薬師が両手を向け、黒い光で傷口を覆った。


裂けていた身体が塞がり、屍忍者が再び立ち上がった。


「回復されました!」


「だったら薬師を先に狙うぞ!」


天狗が屍薬師へ向きを変え、風の刃を放った。


屍盾武者が巨大な盾を構えてその前へ入り、風の刃を受け止めた。


ガガガガッ!


「薬師まで盾で守るのか!」


伏雷が大きく口を開き、黒く濁った瘴化液を再び吐き出した。


黒い液体が地面を這い、先ほどよりさらに広い範囲を覆っていく。


瘴化液へ足を浸した屍忍者の動きがさらに速くなり、屍盾武者が巨大な盾を押し出し、屍陰陽師と屍歌舞伎者から立ち上る瘴気も濃くなった。


「また力が上がってる!」


「オーホッホッホ!スペシャルウォーター追加ざます!もっともっとパワフルになるざますよ!」


瘴化液がワイチたちの足元へ迫った。


「そこから離れろ!」


動ける者たちが乾いた地面へ逃れたが、足枷に捕らえられた武蔵と小次郎の足元へ瘴化液が流れ込んだ。


「オーホッホッホ!もうレイトざます!」


伏雷が両前脚を瘴化液に浸すと、オレンジ色の雷が一気に流れ込んだ。


「嚙電挫魔蘇(かんでんざます)!」


バリバリバリッ!!


雷が瘴化液を伝って一面へ広がり、武蔵と小次郎の足元から全身へ駆け上がった。


「ぐああああっ!」


「うああっ!」


瘴化液に触れていた仲間たちにも雷が襲いかかり、全身を激しく痺れさせた。


「リカバリーベル!」


ナリアの杖から回復の光が広がり、電撃を受けた仲間たちを包み込んだ。


その光が消えるより早く、屍陰陽師が印を結んだ。


青白い雷が次々とワイチたちへ飛び込んだ。


「術が来るぞ!」


村正宗が玄武の盾を構え、正面から飛んできた雷を受け止めた。


ドォン!


青白い雷が盾の表面で弾け、左右へ飛び散った電撃が地面を走った。


「くっ!」


屍忍者が瘴化液の上を一気に駆け抜け、手裏剣と吹き矢を投げ込んだ。


「リカバリーベル!」


ナリアが再び回復の光を広げると、杖を握る腕が僅かに震えた。


「はぁ……はぁ……」


「このままじゃナリアがもたねえぞ!」


空海が両手を突き出した。


「結界!」


光の壁がワイチたちを包み込み、屍陰陽師の雷を受け止めた。


バリバリバリッ!


結界が激しく揺れたところへ、屍忍者が瘴化液の上を駆け抜けた。


「またあいつが来るぞ!」


屍忍者がオレンジ色に輝く小刀を抜き、光の壁へ突き立てた。


バキィン!


結界が砕け散った。


「くっ……また破られたか!」


光の壁が消れた瞬間、屍陰陽師が印を結んだ。


頭上に黒い雲が広がり、青白い雷が一気に落ちた。


ドォン!


「ぐあっ!」


雷と爆風にワイチたちが地面へ叩きつけられた。


伏雷が大きく口を開くと、喉の奥へオレンジ色の雷が集まっていった。


「オーホッホッホ!今度はビッグなお仕置きざます!」


「正面からでかいのが来る!玄武の盾で防いでくれ!」


村正宗が玄武の盾を構え、倒れた仲間たちの前へ入った。


「緒死尾気挫魔蘇(おしおきざます)!」


極太の雷撃が伏雷の口から一直線に放たれた。


ドゴォォォン!!


玄武の盾へ雷撃が激突し、オレンジ色の雷が盾の表面を激しく這い回った。


「ぐぬっ……!」


村正宗の両足が地面を削りながら後方へ押し込まれ、雷撃が途切れると玄武の盾から白い煙が立ち上った。


その横を屍忍者が駆け抜け、倒れたワイチたちへ手裏剣を放った。


「まだ来るぞ!」


晴明が身を伏せ、阿国が横へかわし、空海が飛んできた手裏剣を避けたところへ、屍陰陽師が印を結んだ。


青白い雷が地面を走り、逃げ道を塞いでいった。


阿国が尺八を吹いて敵の雷属性を下げると、伏雷と屍陰陽師の雷が弱まり、屍歌舞伎者が雷属性を上げる音色を重ねると、再び雷が勢いを取り戻した。


その間にも傷ついた屍忍者へ屍薬師の黒い光が注がれ、受けた傷が塞がっていった。


「リカバリーベル!」


ナリアが再び杖を掲げ、回復の光を広げた。


「はぁ……はぁ……」


光が消えると、杖を握るナリアの腕が震え、膝が僅かに沈んだ。


武蔵と小次郎は足枷に捕らえられ、伏雷へ近づくことができず、屍盾武者は伏雷と屍薬師への攻撃を巨大な盾で防ぎ続けていた。


晴明の術は伏雷には通じず、屍陰陽師の雷術が絶え間なく飛び、空海が結界を張れば屍忍者が破壊し、傷つけた屍兵は屍薬師が回復する。


阿国が敵の雷属性を下げても屍歌舞伎者が押し戻し、瘴化液に触れた屍軍団はさらに力を増していた。


「くそっ……このままじゃ押し切られるぞ!」


伏雷が瘴化液の中で四足を踏ん張り、全身の棘を大きく逆立てた。


「オーホッホッホ!もうヘロヘロざますね!まだまだパーティーは終わらないざますよ!」


無数の棘の先端にオレンジ色の雷が灯り、その背後で屍軍団が一斉に次の攻撃へ動き出した。


【次回予告】


阿国です♪


「もう、あっちからもこっちからも雷ばっかりで大変だったわね♪伏雷だけでも厄介なのに、屍たちまで次から次へと邪魔してくるんだもの♪」


「でも、このままやられっぱなしっていうわけにはいかないわよ♪」


次回、第100話「落雷注意報!」


「ぜひ、お楽しみに♪」

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