第7話 一方的な蹂躙
ダンジョンの入口前とはいえ一応は街中であるにも関わらず、一般市民や一般住宅が近くにないと見るや、ハンター達は遠慮なく魔法を放ってくる。
頭上と前方から殺到する魔法の弾幕に対し、俺は頭を守るように両腕を交差させ、防御の体勢を取った。
着弾と同時、轟音とともに土煙が濛々と立ち込め、刹那の静寂が場を支配する。
結果、俺は無傷だった。
中にはBランク以下の者が放った魔法も混じっており、各種魔法耐性と【到達者】の効果によって悉く無効化され、俺にダメージを与えられた攻撃は、ただの一つも存在しなかった。
土煙の中から跳躍し、【土魔法】で投槍を手元に生成する。そして上空から、集団の先頭に立つ剣士の男目掛けて、一気に【投擲】した。
凄まじい風切り音とともに流星のように迫った投槍が剣士の頭部を消し飛ばし、地上に着弾。
轟音が周囲に響き渡り、路面に蜘蛛の巣状の亀裂が奔る。衝撃にバランスを崩し、よろめくハンター達。
軽やかに着地した俺は〈マジック・ポーチ〉から〈水龍海戦の短剣〉を取り出し、【隠密】で姿を消して駆け出す。
「奴が姿を消したぞ! すぐに〈隠密看破のランタン〉を設置しろ!」
先の一撃で包囲網が乱れていたハンター達だったが、誰かが怒鳴り上げた指示一つで即座に体勢を立て直し、周囲へと鋭く視線を巡らせる。
「クソッ! どこ行きやがった! 隠れてないで出てこ━━」
「はぁ!? いきなりコイツの首が……クッ、どこだ! どこにいやが━━ガハッ……」
「駄目だ! ランタンの範囲が狭過ぎてカバーし切れてない!」
大勢で固まっていたことが、仇になっている。
俺は奴等の間を疾風の如く駆け抜け、通り際に首を斬り落とし、心臓に短剣を突き刺し、無言のまま確実に人数を減らしていく。
奴等の目には、そこら一帯で血飛沫が舞い、仲間がドミノのように次々と倒れていく光景だけが映っていることだろう。
『魔力が37UPしました』
『筋力が29UPしました』
『頑丈が45UPしました』
『敏捷が29UPしました』
『知力が35UPしました』
『精神が49UPしました』
『器用が31UPしました』
『幸運が49UPしました』
『【氷魔法】Lv.9にUPしました』
『【氷魔法強化】Lv.9にUPしました』
『【遠視】Lv.10にUPしました』
『【魔力操作】Lv.10にUPしました』
『【看破】Lv.9にUPしました』
『【挑発】Lv.8にUPしました』
『【発動待機】Lv.7を獲得しました』
『【同時行使】Lv.3を獲得しました』
仲間の数が着実に減っていくというのに、奴等は物怖じひとつしない。
【隠密】の有効時間が切れて俺が姿を現すと、むしろ喜色を顔に浮かべ、各々の得物を手に一斉に襲いかかってくる。
そんな猛攻など物ともせず、振り下ろされた長剣を短剣で軌道を逸らし、もう一本の短剣を首元へと深く突き刺す。
「ガハッ……」
鋭く突き出された長槍を紙一重で回避し、膝蹴りでへし折る。折れた穂先を拾い上げ、持ち主の額目掛けて【投擲】した。
「ッ……」
薙ぎ払うように振るわれた大剣を短剣で受け止め、同時にもう一本の短剣を持ち主の心臓へと突き立てる。
放り出された大剣が地面に突き刺さる。それを足場にして、大きく跳躍。
「【発動待機】"太陽墜落"、【蒼炎化】。━━氷柱雨」
奴等を見下ろしながら、【火魔法】で燃え盛る巨大な太陽を生成し、【蒼炎化】で青く染め上げる。
それを【発動待機】状態に置き、間髪入れず【氷魔法】で無数の氷柱の雨を解き放った。
「ぐぁあああ! う、腕が……!」
「こ、この数は避けきれ━━ッ……」
「【土魔法】や【氷魔法】持ちは、今すぐ頭上に防壁を築け! 他の魔法士と弓士は奴を狙え!」
奴等が必死に抵抗しようともがく中、【発動待機】状態の"太陽墜落"が無慈悲に発動する。
燃え盛る青い太陽が奴等の攻撃を丸ごと飲み込み、頑強な防壁など意にも介さず、逃げ惑う奴等の頭上へと落下した。
『魔力が44UPしました』
『筋力が37UPしました』
『頑丈が62UPしました』
『敏捷が37UPしました』
『知力が44UPしました』
『精神が71UPしました』
『器用が38UPしました』
『幸運が66UPしました』
『【逃走】Lv.6にUPしました』
『【手加減】Lv.7にUPしました』
『【投擲】Lv.9にUPしました』
『【鼓舞】Lv.9にUPしました』
『【鑑定】Lv.9にUPしました』
『【水泳】Lv.9にUPしました』
『【潜水】Lv.9にUPしました』
『【発動待機】Lv.8にUPしました』
『【同時行使】Lv.4にUPしました』
「大体片付いたな。本気じゃなかったぶん、チラホラ生き残っている奴もいる。ちょうどいい━━ソイツらを生け捕りにして、どんな狙いがあって俺を襲ったのか、じっくり聞いてみるとしよう」
目標1,000PTを目指しています!
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