第6話 神話の炎と包囲網
十体のムスペルを率いる炎の巨人王━━スルトを討伐し、目の前に出現した宝箱に手をかける。
中身はボスの魔石と━━剣身が激しく燃え盛る炎で形成された大剣が納められていた。
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・名称 レーヴァテイン
・分類 大剣
・効果
①対象を灰燼に帰すまで消えない炎を生成・放射。
②不壊特性
③筋力値+80、器用値+80
・等級 神話級
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早速【鑑定】で詳細を確認したが、①の効果がヤバすぎる。対象が燃え尽きるまで消えない炎とか、喰らったら死亡確定ということだろ?
もしこういう系統の武器を所持する者と対峙する羽目になったら、絶対に接近せず一定の距離を保ちながら、遠距離から攻撃し続けるしかない。
ただ、同じ神話級に相当する武具やユニークスキルの能力次第では、抗う手段もあるのだろうか?
リスキー過ぎて自分で試そうとは思わないが、都合のいい奴がいて余裕がありそうなら、そいつで確かめてみるべきだな。
攻略報酬を〈マジック・ポーチ〉に収納した俺は、外で待機しているジンさんの元へ急ぐべく、足早に魔法陣へと向かい、外へ転移した。
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ダンジョンの外に戻ってきた俺は、素材を売却しようとギルドの出張所へ向かいかけて、ふと足を止めた。
ダンジョンの入口を取り囲むように、大勢のハンターが集まっていたからだ。
来た時よりも明らかに人数が増えている。どこかのクランの遠征でも鉢合わせたか、と思っていると、一人のハンターが俺を指差して叫んだ。
途端、その場にいた全員の視線が俺へと集中する。
(おいおい、めっちゃ殺る気満々なんだが?)
こちらを見据えるハンター達の目は、決して友好的ではない。むしろ獲物を前にした猛獣のような、ぎらついた眼光だった。
どうにか活路を見出せないかと周囲に視線を走らせ、ジンさんの姿を探す。しかし人が多過ぎて、見つけることができない。
(……ていうか、何故俺が狙われているんだ?)
この国に来たばかりだし、他のハンターやクランから反感を買うような真似をした覚えもない。
他国のハンターが気に入らないというだけにしては、この規模はどう考えてもおかしかった。
俺を倒したところで得られるのは、精々装備や所持品程度のはず。
返り討ちに遭うリスクを天秤にかければ、大きなメリットがあるとは思えない━━が、それでもこうして集まっているということは。
いや、あるんだろう。俺を狙うだけのメリットが。
今まさに目の前に集結した奴等が、その事実を証明している。
ならば何人か生け捕りにして、直接吐かせるか。通訳ならジンさんがいる。
そうして俺は、四方八方から一斉に飛来する魔法の弾幕へと、静かに目を向けた。




