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水晶の勇気(仮)  作者: ゆずさくら


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崩壊

「お前は…… お前だけは殺す!」

 俺は剣を振りかぶると、ハルバルドへ向かって走った。

「ふん、Code変更レベルが低いな」

 俺は渾身の力を込めて剣を振り下ろした。

 だが、その剣は、交差する硬い剣で受け止められた。

 同時に激しく空気がブレた。

「えっ?」

 ハルバルドだと思っている位置に、ヘッドドレス、チョーカー、ツインテールの美少女うが立っていた。

 その美少女の横にハルバルドの剣が迫っていた。

「ソウタ」

 俺はその剣を蹴り上げようと意識するが、体が動かない。動いたとしても、どう考えても間に合わなかった。

 ベオーミングが死んで、ソウタも…… 俺の力が足りないばかりに。

 俺は自らの力の無さを嘆いた。

『心配するな』

 音声ではない言葉が、俺の頭に入ってくる。

 これは(ペンダント)か!?

 ソウタの体は、覆い被さるように突っ込んでくるハルバルドと一緒に、床に倒れていった。

「ソウタ!」

 あのタイミングでは避けようがなかった。

「ハルバルド!」

 さらに強く湧き上がってくる怒りを剣に込めて振り上げようとした。

 だが、俺の手に剣がないことに気づく。

 ソウタは覆い被さっているハルバルドを蹴り上げて立ち上がる。

 ハルバルドは、右目と蹴られた腹を押さえてうずくまっていた。

 ソウタ、ハルバルドの剣が刺さったのではないのか!?

「ソウタ、体、大丈夫なの?」

 ソウタは頷き、アオイの方を見るような仕草をした。

 アオイのペンダントが強く光っている。

ペンダント(あれ)が剣を消し去ったんだ」

 ハルバルドが立ち上がると、俺とソウタは身構えた。

「……」

 ハルバルドは右目めを押さえたまま、後退りする。

 警戒しながらも、奴との距離を詰めていく。

 突然走ったハルバルドは、部屋を出でた。

 つけていたブレスレットを外す。

「石は後で探すさ」

 そのまま床に手をかざす。

「この川底でな」

 部屋の入り口の床が競り上がってくる。

 横の壁と同じようにせりあがってくる壁にも、エルフの呪文が書かれていた。

「閉じ込めるつもりか?」

 雷鳴のような音が建物全体から聞こえてきた。

 この部屋にCode変更は効かない。

 そして、物理的に開けることは難しい。 

「閉じ込めておいて、城を壊すつもりなのか?」

「どうやって?」

「さあ、やり方はよく分からないが」

 アオイが言った。

「とにかく逃げないと……」

「周囲は全て封鎖されている」

「けど、窓があるじゃない!」

 確かに、ぽっかりと外の風景が見える。

 俺たちは窓に立って絶望した。

 窓のしたは何もない谷になっている。

 谷底に川が流れているが浅い。

 もっとも、水が深くても助かる高さには思えなかった。

「だから川底と言ったのか」

「何よ! 絶対落ちないから!」

 その時、城が大きく揺れた。

 揺れを受けて、ソウタが言う。

「そうもいかないみたい」

 俺は窓の外を見た。

「煙も上がってくる。全体の燃やしているのかも」

「石造りなら燃え残るんじゃないの?」

「煙に巻かれて死ぬかもな」

 城全体がトラップだったということか。

 万一、この火災の中生き残れたとしても、ここで生活ができるわけではない。

 ここから出なければいずれ死んでしまう。

 なんらかの脱出方法を考えなければならない。

 Code変更したからと言って、空を飛べるわけではない。

 崩壊する城と命を共にするか、Code変更を工夫して川に飛び込めということだ。

「やばい。今頃になって眠くなってきた」

 ソウタが言う。

「アラタ、まさかCode変更したままだったのか? というか、こっちも残りはそんなに余裕があるわけじゃないんだが」

 俺とソウタは互いの顔を見て、絶望した。

 手持ちの服などにCode変更を施して、窓から逃げるしかないのに、肝心のCode変更能力が使えない。寝てしまったら、煙に巻かれて死んでいるかもしれない。

 今度こそ、ダメか。

 ぼんやりとソウタの顔を見ていた。

 アオイが言う。

「二人とも、しっかりしてよ」

 ソウタがアオイを見て何かを持ったらしく、表情が変わった。

 俺も何気なくアオイに視線を移していた。




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