火星についたよぉ
無事応急処置もでき、やがて火星の開発基地港に入港する流れとなった。
「こちら、火星港、貴船の認証番号をお伝えください。」
「プレミアム・ホーク、番号はxxxx-xxxx」
「認証番号確認できました。3番ポートへ進んでください。」
「プレミアム・ホーク了解。3番ポートへ着陸する。」
なんて、もっともらしいやり取りの後、無事に3番ポートへ。
ビーの腕前なら、なーんともなく、いつ着地したのかもわからないくらいスムース。
「ニャーン」
(エッヘン)
「お見事!」
フードのおじさんが褒めてくれた。
「それじゃあ船長、約束の報酬だ。」
小汚い巾着袋を渡す。なんかズッシリしてる感じ。
「あぁ、ありがとよ。じゃあ元気でな。」
あっさりした船長。
「さぁ、ここで燃料補給と、それに食料も調達しなくちゃな。」
「ニャウニャウ」
(ビーのビスケットも。あと絶対ミルクもね)
フードのおじさんと別れ、火星の基地を探索に出る。
開発基地と言っても、もう数千人が居て、ここから木星なんかにも行ってるらしい。
ちょっとした街なんかもあるらしいよ。ビーのビスケットもきっとある。
と、言う事で、船長と一緒に街に向かう。なんだか薄暗い路地を通って行く。
どんどん進むけど、船長は来た事あるのかな…
「やぁ、ローザ、久しぶりだな」
とある店で店主に声を掛けてる。
「あら、アンタ生きてたのかい」
「ローザこそ、まだくたばってないのか」
「はっ相変わらずのへらず口が!!」
「で、いつも通りでいいのかい」
「あぁ、それでいい。…あ、そうだレーションのビスケットを多めに頼むよ」
貯金箱のコイン投入口みたいな目でジロリと睨まれて、思わずたじろぐ。
「なんだいその子。ったくみすぼらしい。ほら、ちょっとコッチにおいで。」
後から聞いたんだけど、ローザのこの言い方、よっぽどボクのことが気に入ったからなんだって。照れ屋さんだね。
それはともかく、ボクのことを膝にのせてアゴの下あたりを撫でる。ボクも思わず
「ゴロゴロ」
(そこそこ~)
とかうっとりしてしまう。思わず、ウトウトしてると船長が、
「ほら、行くぞ!メシだ!」
とか大きな声で言うもんだからちょっとビクッとして、照れ隠しに
「ニャーウ」
(わかってるって!)とか言ってみるけど、ちょっと恥ずかしい。
どんどん先に行っちゃう船長の後を追いかけて路地を抜けると、そこにはネオンサインの煌めく、さっきまでの薄暗さとはかけ離れた通りがあった。




