プレミアム・ホーク号
しっかりと待ち合わせの時間も盗み聞きしてたビー。
早く行って、二人の到着を待つことにした。
「ウーナー」
(さて、どんなカッコいい船だろう)
「ウニャン?」
(え?まさかあのオンボロ?)
扇型のその船は正直かなりボロっちい。でも、船体に似合わないデカいエンジンだけは最新型だ。
「ウニャー」
(しめしめ、乗降口が開いてる)
ネコだけに足音もなく忍び込むのは朝メシ前。
ちょうど良い具合の隙間を見つけて身を潜める。
「フワー」
伸びーして昼寝。
やがて、もうすぐ約束の時間って頃、やけに外が騒がしくなる。
「ニャン?」
(なんだなんだ?)
コクピットの窓から覗き込んでみる。
どう見ても誰かに追われてるさっきの二人。
なんかパンパンとかいって撃たれてるし。
しょうがないんで、エンジン始動!
暖気は足りないけど、180°転回して艦首砲で追っ手を蹴散らしてあげた。
後部ハッチから転がるように飛び込んでくる二人。
回収したのをキッチリ確認してからハッチクローズ!
とりあえず大気圏外までフルパワーかけてみる。
「ニャンニャンニャニャ」
(ボクの電子頭脳なら楽勝!しかもこの船、ボロい見た目に反してエンジンはスゴイ!船体の強度もしっかりしてる!)
やがて周回軌道に乗り、Gで壁に張り付いてた二人が動けるようになると…
「なんだって?!オレ様の船をネコが操縦してやがる」
船の持ち主がボクをコンソールから引っぺがす。
「どっから入り込みやがった!この野良ネコめ!」
フードを被ったヒゲのおじさんは、
「ハッハッハ、お前さんの船のパイロットは黒猫ってわけかい」
なんて余計かましてる。
「お前どっから来た!なんでオレ様のプレミアム・ホーク号を操縦できる?!」
「ニャーニャーニャン、ニャームニャー」
「なんだって?!サッパリわからねえ」
「まあ、待ちなよ。お前さんを、追っ手から逃したのは自分だと言ってるぞ。あのままだとやられてた、ともな」
「ナーウナーンナー」
「自分は宇宙航海士アンドロイドの黒猫ビーだと。パッと見たところこの船にはパイロットが居ないみたいだから、ボクがやってあげてもいい、だと」
「オッサンなんでコイツの言う事がわかるんだ?!まぁそれはいい。オマエにこの船が操れるわけないだろうが!」
「ニャーニャーニャー」
(じゃあここまで誰が操縦したと思うの?!)
「ニャンニャンニャン」
(ボクはどんな船でも完璧に操縦できるようにプログラミングされてるんだ!!)
フードのおじさんが助け舟
「任せてみればいいじゃないか。火星まで無事に辿り着けば約束通り払うさ」
「まあ、アンタがそれでいいなら」
納得はしてないけど、金が手に入るならそれでいい船長。
二人とネコの旅路が始まった。




