宇宙海賊ローザ
「ニャーニャニャ」
(あの人は!!さっきの…!)
「おチビちゃん無事かい?!」
ローザさんだぁ!!
なんなの?店番のお婆さんじゃなかったの?!
メインモニターに映し出された船にはデカデカとドクロのマークがあったりなんかして!まるで宇宙海賊なんだけど?!
「ったく、アンタ、私が来なきゃどうしてたんだい」
「悪いな、ローザ。また借りを作っちまった。でも、どうして?俺たちが狙われるって?」
やっぱり船長とは古い付き合いみたい。
「そのおチビちゃんさ。素人にゃわからないだろうけど、私が見りゃスグに分かったのさ。こりゃとんでもないって。オラクルだって、手に入れたがるだろうってね。」
流石、貯金箱のコイン投入口みたいな目はごまかせない。
「ニャーニャニャ」
(エッヘン。ボクはすごいんだよ!)
「ウナーウナ」
(お婆ちゃんありがとう)
「はっはっはっ、お婆ちゃんかい。そりゃいいや。どうせ、そのままじゃドコにも行けないだろ。私についてこれそうかい?」
「ウナーウニャ」
(メインエンジンは無理そうだけど、エネルギーをバイパスしてスラスターに回せば、着陸は何とかなる、と思う。)
「よーし、じゃ、私についといで。」
「ニャニャン」
(了解!)
火星開発基地からは見えない、深いクレーターに隠された秘密のアジトへ誘導されるプレミアム・ホーク号。
わずかに残されたスラスターを巧みに操作し、無事に着陸させるビー。
ハッチを飛び出してダメージを真っ先に確認する船長。
「あぁぁぁ、俺の船がー……」
メインエンジンは無残にも破壊されている。船体へのダメージも相当なものだ。
「こりゃ派手にやられたもんだ。」
腕組みしながらローザもしかめっ面。
「どうするんだい?船長さんよ」
「どうするもなにも…ここで直せるかい?」
「なめてもらっちゃ困るね。ここをドコだと思ってるんだい。ローザ様の秘密のアジトさ!」
「ただ、アンタ、前の借金もまだ返してもらって…」
「ローザ!!そこを何とか!俺にできることならなんでもするから…!!」
「ほほぅ、なんでもねぇ。」
暫しの逡巡。そして条件を思いつくローザ。
「アンタ地球に戻ったら人探しをしておくれ。」
「人探し?」
「あぁ、それで見つけられたら借金はチャラにしてやるよ。」
「本当にそんなことでいいのか?」
「アンタに見つけられるかい?」
「任せてくれ。」
腕まくり(の気持ち)をする船長。
「ニャムニャムニャー」
(この人の行動パターンが分かってきた気がするなあ。やれやれ)
「この娘さ。」と言って胸ポケットから写真を差し出すローザ。
そこには幼い女の子のはにかむ笑顔。
「名はロザリー。歳は18になるかな。」
「他に情報は??」
「地球のA国に居る。これだけありゃ充分だろ。」
「…ぉおう。この俺様にかかりゃ、あっという間さ。」
「よし。じゃ頼んだよ。」
あっさりと交渉は成立。次の仕事が決まった船長。それにビーだった。




