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島流しにされた第三王子は、遺跡から発掘された幼女と古代文明の島で開拓スローライフする  作者: あけちともあき
肉食への道

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第83話 狩りの練習しながら何か企んでいるな

「領主様は肉がお好きなんだろ」


「これまでなんかサラッとしてたのは、肉を食べずに力が出なかったからかも知れない」


「俺たちも、領主様にも幸せになってほしいもんな」


「ってことは俺たちで肉を獲って、領主様に食べてもらって力をつけてもらってだ」


「おう、モネと子どもをこさえてもらえば、みんな幸せだな!」


「よし、やるぞ!」


「うおー!!」


 なんか、狩りチームに志願した男たちが盛り上がっているな。

 何を話しているかは聞いていなかったが、やる気があるのはいいことだ。


「うんうん、いいことですねえ」


 ゼータが何やらニヤリと笑っている!

 君が笑うということは、彼らは何か企んでいるということか……?

 一体なんなんだ……?


「ハイザットさんは知らなくてもいい。ラビハ、みんなをサポートする! それでみんな幸せ! ハイザットさんも幸せ!」


「お、おう、そうか」


 ラビハが参戦してきて、俺は言いくるめられてしまった。

 なんか、悪いことは起きなさそうだしな。

 なお、モネは俺と同じようにきょとんとしているのだった。


 さて、狩りチームは集団で行動し、大きな獲物と戦う術を教わっている。

 号令に合わせて動き回り、槍を突き出す!

 ん!?

 槍!?


「神殿に転がっていた棒をブロックに差し込んだら槍になったそうで、まとめて持ってきたって言ってましたよ」


「あのアタッチメント式のやつかあ! 全部槍になったかあ」


 だが、明らかに古代の超文明の力で作られた槍だ。

 狩りに使ってもなかなか壊れないだろうし、倒した怪物の骨や皮、角などで新しい武器を作ったりもできるだろう。


「まあいいんじゃないだろうか……。弓矢系も練習するんだな」


「あれはね、ラビハが糸を提供したの」


 えっへんと胸を張るラビハ。


「糸使い本当に凄いな……」


「あの弓、糸の伸び縮みする力で射つやつ。しなる木が用意できたら、エウゴ菜の糸でも弓矢になると思う!」


「なるほどなるほど。いつまでもラビハをアテにしてても、後々良くないからな……」


 ラビハを迎えに、十二神将がやって来るかもしれないしな。

 こうして、狩りチームは3日間くらいみっちりと訓練を積んだ。


 この姿を見て、


「良く分からない事に時間を費やして、いいのかねえ」


「あれだけの頭数がいれば、もっと畑の手入れとか収穫もたくさんできただろうに」


 おお、理解のない人々!

 まあ、これは仕方ない。


 元住民たちからすると、狩りという行為は想像もできなかったものなのだ。

 わざわざ危険を冒して怪物と戦うなんて、意味がわからないというのは至極真っ当な意見。

 肉のパワーを知らないからそういうことになるのだ。


 みんな、狩りチームに不満があったりするようだが……。

 俺が応援しているので誰一人口出しできないのだ。

 うーん、なんか絶対王政みたいじゃない?

 俺、恐怖政治を敷いているつもりはないんだけど……。


「ハイザット様に意見できるほど、ルナス領に貢献した人いないですからねー」


「そういうことか。モネはなんか、反対勢の意見知ってる?」


「知ってまーす。みんな、狩りなんかやめて、今のままでも食べられるんだから冒険しないでやっていこうって言ってます」


「やっぱりなあ。だけど、これから数も増えるだろ。食べ物は色々な種類がたくさん用意できる方がいい。もちろん狩りは危険だが、それによって今まで得られなかった資材も手に入るんだ。ようやくルナス領は人の数でも、技術的にも先に進めるようになったから決断したんだぞ」


「あたしはハイザット様にお任せしまーす! 肉、楽しみだなー」


「君はいい性格してるなー」


 すっかり感心してしまった。

 さて、それでは狩りの本番を見に行ってみよう。


 俺とモネとゼータとラビハで見学。

 手出し厳禁とのことで、狩りチームのお手並み拝見だ。


 おお、地面から飛び出してきた巨大ミミズ、アースワームをみんなで槍で突いている!

 あらかじめ足元、頭上に気をつけながら移動しているから、不意討ちにも強い。

 そして出てきたミミズを回避し、みんなで槍でざくざく突いてトドメを刺したようだ。


 あれ食べるの?

 食べられるのかも知れないな……。

 隣のモネが毒見するだろうし。


「あれが肉? 楽しみだなー」


 本人は食べる気満々ですな。


 次に、首を狙って飛びかかってくるウサギに似た怪物の群れ。

 これは、プラシアの号令でみんなが槍を立てた。

 怪物たちの後ろ足には首を切断するような刃が仕込まれているんだが、これが展開しても槍に引っかかるんだな。


 で、引っかかったところを後ろから槍でぶすぶす突いてとどめを刺している。

 お見事!


 ここまでで本日の狩りは終わり。

 アースワーム一匹、首切りウサギが十匹くらい。

 本日の狩りの成果だ。


 みんな緊張感マシマシで退却し……。

 ターミナルに戻った瞬間、ふにゃふにゃーっと崩れ落ちたのだった。


「こ、腰が……腰が抜けた……」


「大変過ぎる……! こんな、命がけなんて……!」


「でもすごい……! 誰も怪我もしないで狩りが終わった!」


 みんな徐々に実感が出てきたようで、お互いを称え合い、喜び始めた。

 ファースとプラシアも、


「みんな、とっても凄かったわ! 3日間の教えを十分に生かせたわよね! 最高よ!」


「見事な動きだった! もう、見てるだけで感動しちゃった……。私たち、いつでもいけるからその気になったら神殿に遊びに来てね」


 男たちを誘惑するのを忘れない!

 しっかりしているなあ。


「一口目はあたしが食べますからね! ハイザット様はあとですからね!」


「はいはい。しかし、ミミズだろうと食べてみようとする辺り、モネは筋金いりだな……。って、おいゼータとラビハ、何をニヤニヤしながら俺たちを見ているのだ」

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
首狩りウサギの武器ってひっさつまえばなイメージだったんですが、後ろ足の健っぽいかかとっぽいところに刃を仕込むタイプもあるんですね
第三王子だったのに婚約者とかいなかったのかな。 予備の予備とはいえ王族で臣籍降下とかして公爵になれるだろうから 相手がいないってことはなかっただろうに。 内戦で初めて異常な強さって発覚したから昼行燈だ…
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