↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
島流しにされた第三王子は、遺跡から発掘された幼女と古代文明の島で開拓スローライフする  作者: あけちともあき
肉食への道

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/89

第81話 肉の専門家に頼もう

「キウイは色々加工が必要そうだ。やはりここは……肉の専門家に頼むしかあるまい」


「肉の専門家ですか!! ……誰ですか?」


 ゼータは不思議そうだが、既に会っているだろう。

 何の情報もなくこの島を行脚し、モグラを食肉に変え、香味野菜という名のハーブすら発見した女たちだ!!


「ということで来たぞ。何人かついてきてくれ。これから……肉を狩りに行く!!」


「おおー!」


「待ってました!」


「やっぱり夜の生活には肉ですよね!」


 ぬっ!

 聞き逃がせないことを言ったやつがいるな……?


「大人の男が訪ねてきて、それで一夜を深く接触して過ごしてしまったりはしていまいな?」


 大地母神の神官たちが静かになった。

 やったな!?

 まあいい。


「多分、新住民の男たちだろ? あいつら、酒の時も盗み飲みに来たからな……。なんと誘惑に弱い男たちだろう」


「領主様も誘惑に負けてしまっていいのに」


「ヒャクシはさりげなく俺の腕を取ろうとするんじゃない。魔法で誘惑すると自動反撃で真っ二つになるぞ」


「ひー」


 女司祭がスススっと離れていった。

 ということで、狩りの経験がある女神官二名が同行することになる。


「ファースです」


「プラシアです」


 体の大きな女と、細身で目つきの鋭い女だ。


「ファースは信仰に目覚める前は、猟師をしていたんですよ。私たちの中で一番、獲物を取るのが上手いです。プラシアは元盗賊で、とても目端が利きます。獲物のちょっとした痕跡も見逃しませんよ」


「おお、プロフェッショナルじゃないか」


 そう言えばこの間の料理の時、二人は手伝いに徹していたな。

 得意ジャンルが違うというわけか。


「頼もしいですねー。私はお肉を所望します!」


 そんな二人だが、ゼータが元気にお肉食べたい宣言をするとにっこりした。


「子どもにはたんとお肉を食べさせないとね!」


「お姉さんたちが美味しいお肉をとってあげるからね」


「俺の中で二人への好感度がアップしたぞ」


 こうして、四人で森に繰り出すのだ。

 二人に先達を任せる。

 俺が手を出しては、人間に再現不可能な狩りになってしまうからな。


 なお、ゼータは二人の後ろにピッタリくっついて、特等席で狩りを体験させてもらっている。

 いいなあ。

 俺が近すぎると殺気で怪物どもが反応してしまうからな。


 おっと、プラシアが何かに気付いたようだ。

 そっとそっと痕跡を辿っていく。

 ファースが背負ってきた得物を構えた。

 巨大な弩弓だ。


 普通の男であれば、全力を振り絞ってやっと矢を番えられるレベルだろう。

 俺はまあくるくるいけるが。


 何かいるのかな……?

 俺にはさっぱり分からん。

 おっと、アドラマントが軽く震えている。


 殺気を放つ何かが茂みの中にいるということだ。

 プラシアは気配を殺し、全身に土をなすりつけた後、じわりじわりと近づいていった。


 茂みの中からは、真っ黒な何かが突き出してくる。

 鼻だ。

 匂いを嗅いでいるのだな。


 だが、プラシアは既に土を被っているので自分の匂いがしない。

 鼻の持ち主は、嗅覚をより働かせるべく、顔を突き出してきた。


 おっ、イノシシ!!

 かなりの大きさだ。

 肩の高さだけで、200ティタはあるだろう。

 そして顔のあちこちに、甲羅のようなものを纏っている。


 あんな大きいのに、守りを固める必要があるのか?

 つまり、あの巨大イノシシを捕食するやつがこの島にはいるということだ。


 音もなく真横に回ったプラシアが、イノシシの鼻先目掛けて何かを放り投げた。


『ブオッ!?』


 驚くイノシシ。

 そこからは酸味のある強い匂い。

 これは、乾燥させたクアットロの実を、少しの水で練ったものか!


 鋭い嗅覚に強烈な酸味を叩き込まれ、イノシシが混乱した。


『ブオオオオ!!』


 プラシアが手をあげて合図した。

 ファースが矢を放つ。

 太い矢だ。


 それが飛来し、イノシシの目玉を貫いた。

 凄まじい狙いの精度だな。


「当たっちゃった」


「私のナビゲートは確かでしょう」


 本人が驚いてる!

 ゼータが手伝ってたのか。

 俺以外をサポートしても有能な幼女だな……。


『ブオオオオオ!!』


「ファース、まずい! こいつは規格外!」


「プラシア逃げろ!」


 威嚇で矢を打ち込むファース。

 大イノシシは片目を射抜かれても、動きが鈍らない。

 激しく暴れ、飛んでくる矢を甲羅で弾きながらこちらに向かってくる。


 途中でプラシアが巻き込まれそうに……。


「俺が乱入だぞ。飛燕!」


 俺の剣風が、飛び込んでくる大猪の顔面を削ぎ落とした。

 接近して返す刀で、真っ向から両断しておく。


 イノシシが左右に、どうっと倒れた。


「無事か? 一人でも減ったらまずいからな」


「あ、あ、ありがとうございます……」


「プラシアー! この森、とんでもないところだよ……」


 ファースが相棒を迎えに来た。

 そして、二人で俺にペコペコ頭を下げている。


「なに、気にしない気にしない。普通サイズのイノシシならこの二人でいけるってことなんだな? ということは、村人もチームを組めば大イノシシの子どもなら狩れる……! 参考になる狩りだった」


「二人とも勘違いしないでくださいね。おじさまが参考になるのではなく、普通の領民の人たちがやれそうという話をしているんです」


「あ、はい」


「領主様は規格外過ぎるから……」


「うん、絶対に俺を基準にするなよ? よし、イノシシを持って帰ろう! そして狩りのフォーメーションとか、その辺りを研究していきたい。ファース、プラシア。君たちは講師として村まで来て欲しい」


 こうして次なる目的がまとまるのだった。

 始めるぞ、狩り!

お読みいただきありがとうございます。

面白い、先が気になる、など感じられましたら、下の星を増やして応援などしていただけると大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
神官たちも十分規格外の化物集団のはずなのにw ハイザットのせいで一般人よりは強いけど。ってくらいにしか見えないw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。