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島流しにされた第三王子は、遺跡から発掘された幼女と古代文明の島で開拓スローライフする  作者: あけちともあき
色々な意味で嵐が来る

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第75話 改号出航

 難破船があるというので、近づいてみるか……。


「おじさま! こんな時こそ、改修された改号を使うときではないでしょうか!」


「なーるほど! 確かにな」


「かいごう?」


「なになに?」


 ラビハとモネに簡単に説明する。


「魔人奴隷商が乗っていた奴隷船があっただろう? あれを港湾施設につけたら魔改造されて不思議な乗り物に変わったんだ」


「凄く分かりやすいけど何も分からないかも! ラビハ混乱!」


「あたしもこう、ハイザット様とゼータちゃんがまたとんでもないことをやったってことしか分かんないなあ!」


「説明するよりも見るほうが早いだろう。行くぞ!」


「あっ、ハイザット様! まだあたしたち糸でくっついてて! うわーっ、全く抵抗できない! すごいパワー!!」


「モネちゃん、ここは楽をすべき。引っ張ってもらって歩けばいい! ラビハ賢い」


「私は定位置ですね」


 ゼータを背中にくっつけて二人を引っ張りながらターミナルに来た俺。

 キウイたちがキーキー鳴きながら外に飛び出してきている。

 あっ、嵐の影響で地面から虫が出てきているのか。


 キウイにとって、虫のバイキングだ。

 たっぷり肥えて、大量に卵を産むんだぞ。


「そう言えばおじさま。卵を産まないキウイがいて、こいつは無駄飯ぐらいなのではないかと皆様の間で評判になっていました」


「オスだな。そろそろ……鳥肉を食べる時が来たかあ?」


 そんな話をしながら、転送装置で移動。

 モネも見知った港湾施設だ。


 光の図書館みたいな部屋から、階段を使って上へ。

 すると、壁際にゴーレムたちが座り込んで停止していた。

 仕事がないので休んでいるんだな。


 モネとラビハがこれを見てビクッとする。


「大丈夫大丈夫。船を整備することに命をかけるだけの優しいゴーレムだからな」


「ゴーレムってなに……? 分からないものは怖いんですけどぉ!」


「ラビハもよく分かんない!」


 なんか俺にしがみついてきたので、三人娘をぶら下げて歩くことになってしまった。


「おじさまが人を三人くっつけてても、一切速度を落とさず歩いていきますね! 超パワー過ぎる」


「君たちが軽すぎるんだろ。もっと食事をして太りなさい」


「女子相手になんてことをー」


「デリカシー少なめのハイザットさん!」


「あたし的には太くなるのはいいことだとしか思わないんだけどなあ」


 おお、三者三様の価値観。

 そして二階の桟橋に到着した。

 ここから、改号まで金属製の橋が伸びている。


 これを見て、またモネとラビハが呆然とした。


「キラキラ光る道……。なにこれ……」


「ラビハ、こんなカチカチの桟橋みたことない! 金属たくさん使ってる! どうやって作ってるの!?」


 二人が呆然としていても、俺にくっついているのだから運ぶのは容易だ。

 ヒョイッと改号に乗り込むと、ゼータが俺から飛び降りて、操舵のために呪文を唱え始めた。


「ブラウ・ブライ・ノブライト! 動けー!」


 改号は大変反応がよいため、ゼータの呪文とともにすぐさま動き出した。

 この巨体で、なんという速度だろう。

 見渡す限りの甲板は修理され、金属のような板に覆われていた。


 下に降りるための階段が見当たらないが、多分どこかに設置されているのだろう。

 今俺たちがいるのは、自動で回転する舵輪の前。


 最前列にゼータがおり、これを見守る俺と二人なのだ。

 頭上には屋根のようなものがあるから、一応雨をしのげるな。


「速い速い! 景色がどんどん流れていく!!」


 モネが驚き、俺から降りて船べりまで走った。

 そう、走るくらいの大きさがある。

 多分、うちの領民全員が乗り込めるくらい、この船はデカい。


 船底が使えるなら、そこを居住区にもできるな。

 そうなったら、移動する村だ。


 ラビハとゼータもモネと並んで、流れていく島の景色を眺めている。

 これはちょっとした娯楽だよなあ。


 こうしてぐるりと島を回り、居住区までやって来る。

 改号を見た漁担当の領民がわあきゃあと騒いでいる。

 一度見たことあるだろ?

 えっ!?

 見た目が全然変わってる!?


 ほんと?


 まあいいや。


「難破船が見えるな。そこまで近づいてだ……」


「おじさま、この船は他の船を内部に回収できるようです」


「そうなの!? 凄いな……。じゃあゼータやっちゃってくれ!」


「はーい! ブライ・ブラウ・ノブライト!」


 こちらからは見えないが、改号の前の辺りからウイーン、ゴゴゴゴゴと音がする。

 そして金属でできた巨大な腕が伸びていった。

 なんだあれはーっ!


 腕が難破船を掴み取り、船の中へと回収していく。

 向こうの船も結構な大きさだろう?

 それを軽々と飲み込むとは。

 やはり改号は大きい。


 完全に収納が終わった頃、桟橋近くに住民たちの大多数が詰めかけてこの様子を見守っていた。

 すっかり見物されている。


 俺が船べりまで来て手を振ると、みんながワーッと歓声をあげて手を振り返した。


「みんなおじさまの強大な力に驚いていましたが、それはそれとして巨大な船を征服した姿と合わさり、英雄的な見方がより強くなったみたいですね。これはもう信仰と言えるかも知れません」


「信仰~!? 俺はただの人間だぞー? まあそれはそれとしてだ。回収した船を見に行こうじゃないか。中にまだ生き残りがいたら、新しい住民になるぞ! 民が増えるんだぞ!!」


「おじさまウキウキですねえ。じゃあ行ってみましょうか。ブラウ・ブライ・ノブライト!」


 呪文とともに、何もないように見えていた金属製の甲板が展開し、階段になった。

 どうなってるんだこれは。


 金属製の階段が続いている。

 どれどれ、改修された難破船まで向かってみようではないか。

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
とりあえずお前のような「ただの人間」がいるかwと突っ込んでおこうw 元々奴隷船だからある程度大きいんだろうけど奴隷の居住区は最小限のはず。 船をそのまま搬入できるってどれだけでかかったんだw それとも…
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