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島流しにされた第三王子は、遺跡から発掘された幼女と古代文明の島で開拓スローライフする  作者: あけちともあき
港湾施設を発見したぞ

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第48話 光の書籍をいかにして読むか

「なんですと!! 大量の古代の蔵書が!? しかし読めぬ文章で、ゼータ殿の力を借りねばならぬとは! ふーむふむ」


「全部言ったな。どうだジムニ。来るか?」


「当然行きましょう」


 当然なのか!

 ワクワクした顔のジムニがついてきた。

 どうやら先が安全らしいと聞いて、モネまでついてくる。


「俺の行く先には来ないと言っていたのに」


「安全なら行きますよー。あたし、好奇心がないというわけじゃないんですから」


「現金なり」


「おじさまと一緒にいると常に命が危険になるというのがそもそもおかしいんですよ!」


 そうかなあ。

 ジムニとモネを連れて、再び港湾施設へ。

 今回は倉庫に行く必要も無い。

 光の書籍を展開し、これをジムニに読ませるのが主だった用事なのだ。


「ほう? この円筒形のものに蔵書が詰め込まれている? なるほど、形のない本ゆえに、この中に大量に収まるのでしょうな。どうやって読むのですかな?」


「こうですよー」


 ゼータが円筒形の表面をポンと叩くと、ピカッと光って空中に本が現れた。


「むおー!」


「うおー!」


「うわー!」


 ジムニ、俺、モネが思わず叫ぶ。


「おじさまは前回見てませんでしたっけ?」


「そんな気もするが色々ありすぎて覚えてないんだ。これ、どうやって開くんだ?」


「こうです、こう」


 ゼータが手を伸ばすと、本が彼女の腕の高さまでやって来た。

 そして、手を触れるとパラパラめくれる。

 どうなっているんだ……。


「なるほど、こうですかな?」


 勇気あるジムニが円筒形の表面を触れる。

 そこには、本のタイトルが光で浮かび上がっている。

 こいつに触れると、対象の本が出てくるというわけか!


 光る本がジムニの手元に現れた。

 彼はこれを指でなぞり、めくっていく。


「不思議な反発力があり、まるで何かに触れているような感覚だ……。めくる速度は速いが、これは実際の本をめくるようには読めぬな……」


「分析してる」


「やっぱジムニさんは凄いんですよね」


「文字読めるようになったら、無限の蔵書みたいなもんでしょ。ジムニ連れて一ヶ月も島を離れた俺がバカみたいじゃない?」


「あれはあれでラビハちゃんとかパンの美味しさとか収穫はたくさんあったんじゃないですか?」


「そうかなあ……」


 俺とモネはこの場において部外者みたいな感じなので、ひそひそ話などをしている。

 その間に、ジムニはゼータに文字の読み方などを聞いていた。


「私が知っている文字も幾つかありますな。魔人が書いたと思っていた本は、ゼータ殿と同じ時代の人間だった可能性がある」


「そういうことがあるんですね! なるほどー。じゃあ、どれとどれが読めますか? そこを中心にして周囲を読み解いて行きましょう」


 お勉強が始まった!

 とりあえず、本を一冊読むだけでも一ヶ月とか掛かりそうな勢いだ。

 ジムニのメインウェポンは王国から持ってきた本のままで揺らぐまい。


 問題は、気温と湿度高めのこの島なので、本がカビないかというところなのだが。

 カビるだろうな……。

 カビを防ぐための手段も講じたい。


「よし、俺は本をカビないようしまっておく容器を探しに行くぞ。モネ、ついてこい」


「はいはーい」


「はいは一度でいいのではないか……?」


 二人で廊下を歩く。


「こんなピカピカに磨かれた廊下、歩くのちょっとためらいますよね。芸術品なんじゃないですか? 本当に歩いて大丈夫ですか?」


「ゼータのいた時代はこんな感じだったらしい。まあ、この間、俺と少年たちがバタバタ走り回ったから流石に汚れてきているし、気にしなくていいんじゃないか?」


「そうなんですね……。それにしても、壁も天井もピカピカ。持ち帰りたい……」


「ここに来たらいつでも完全な状態を眺められるだろ? この施設は安全だから一人で来てもいいし」


「一人は怖いなー。ハイザット様ついてきてくださいよ」


「君ね、領主に護衛をお願いする付き人ってどうなの」


 そんな話をしていたら、唯一展開している倉庫に到着した。

 この間は斧を回収したが、今日は……。


「こう、箱が欲しい」


「箱ですか?」


「湿気や虫が入ってこれないみたいな……」


 中に入ってキョロキョロしていたら、アドラマントがいつもとちょっと違う振動をした。

 おっ、脅威が迫ってるか?

 いや、魔剣が勝手に、鞘の先をどこかに向けようとしている。


「まさかお前、心当たりがあるのか!? もしかしてアドラマントはこの時代に作られた剣なのか?」


 ぷるぷる震える魔剣は、倉庫の入口から右脇を指し示すと、力尽きてぶらーんと垂れ下がった。

 力を使い果たしたか……。

 

 果たして、向かった先にそれはあった。

 不思議な構造体でできた箱である。


「これは一体……? 近づく虫を排除する箱だとでも言うのか」


 持ち上げてみたら、モネがくんくんにおいを嗅いだ。


「うわっ、これ、猛毒です!」


「なにぃーっ!?」


「なんか私がピリッとくる感じで……。でも外側から触れるのは大丈夫っぽいです。なんだろうこれは……なんだろう……?」


 良く分からないが、さほど重さもなく、担いで持ち帰ることができた。

 後でゼータに聞くと、


「あれは防虫剤と除湿剤を練り込んだ本棚ですね。たまに本棚そのものを虫干しして湿気を逃がしてやってください」


 とか言うのだった。

 不思議な道具がありすぎだろう、この施設……。

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
ジムニは知力特化だけどハイザットの武力と同じレベルの化け物の類ではw
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