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島流しにされた第三王子は、遺跡から発掘された幼女と古代文明の島で開拓スローライフする  作者: あけちともあき
港湾施設を発見したぞ

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第47話 斧の使い方を教えよう

「うおーい」


「あっ、領主様が戻ってきた!」


「何か抱えてるぞ!」


「なんだろう、あれは」


 俺にしがみついていた少年たちが、わーっと飛び出していく。

 無事に戻ってこれて本当に良かった。

 さて、俺は手に入れたこの新しい道具を、領民たちにレクチャーせねばならない。


「ここにいる男たちよ。いいか? こいつは斧だ。木を切る道具だな。なにっ、使い方が分からない?」


 男たちは頷いた。

 なお、新住民たちは使い方が分かるらしい。

 流石だ。


 うちの領民は色々な意味で世間知らずで、外部の文化や技術と断絶して暮らしてきたからな。

 残念ながら、新住民には技術者などはいなかったらしく、そちらのレベルは上がらなそうなのだが。


「よし、じゃあ俺が実際に使って木を切って見せよう。他にも使える者はやってみてくれ。実地でレクチャーだぞ」


 新住民の男二人に斧を分けて、俺は領民を引き連れて村まで戻ってきた。

 村の半分は、森である。

 これをちょっと切り開き、住宅なり畑なりを作れるスペースを確保したい。


「森に到着したがー」


 俺は斧を担いで振り返る。

 領民たちの大半は、何をするんだろうと興味津々。

 木を伐採するという概念を持っていなかったわけだからな。


「えー、これから木を切っていく。みんなも練習し、明日からやってみるようにな。三本しかないから仲良く譲り合って使うように。では見本を示すぞ! なお、俺も斧を使うのは初めてである。そいやー!!」


 大きく振りかぶって、木に叩きつけた。

 樹木が縦に両断された。


「あっ、何か違う!!」


「おじさま、角度が90度違います! 全く、一切、なんの参考にもなりませんよー!」


「なんということだー」


「領主様は本当にとんでもないお方だな……」


「あまりに凄すぎて全く参考にできないんだ。俺たちが正しい斧の使い方を見せよう」


 二人の新住民が、斧を使って木を切り倒す様子を見せてくれた。

 周囲を切り込んでいき、人がいないように倒木が起こるよう計算し、最後の一撃を入れる。

 そうすると、メキメキと音を立てて木が倒れていくのだ。


「ロープなどを引っ掛けて引っ張り、みんなで方向をコントロールするのもいい」


「樹木の下敷きになったら命が危ないからな。気をつけてくれ!」


 領民たちが、おーう!といい返事をする。

 いいぞいいぞ。

 では実際に使ってもらおうということになった。


 立木を切り倒すのはまだまだ難しかろう。

 ここは、いつも領民たちが材木を切り出している倒木を、斧で割ってもらうことにしよう。


「よし、いけいけいけ!」


 俺が応援すると、斧を初めて手にした領民が深く頷いた。

 そして斧を振り上げる!

 あーっ!

 ふらふらしている!


 あんな長いもの、持ったことがなかったか。

 トップヘビーだもんな。

 ふらふらーっ、よろよろーっとして、へろへろと斧を倒木に叩き込む……あっ、弾かれた!

 危ない!

 見てるだけで危ない!!


「むむう! これはおじさまどころではない危なっかしさです! おじさまは破壊神が新たな得物を手にして、その暴威を振り回したらとんでもない結果が出る危なさですが、領民の人は純粋に斧に振り回されててどこに飛んでいくかわかりません!」


「俺について凄いことを言われた気がするが、領民が危ないことだけはよく分かる。おーい」


 新住民の男二人を呼び集める。


「どうしたらいいと思う?」


「姿勢と持ち方の特訓でしょうね」


「俺たちと比べると小柄なんで、斧を長く持つと振り回されるのかも知れません」


「よし、じゃあ彼らに斧の使い方を細かにレクチャーしてやってくれ! 君たち二人は、森の伐採主任として任命する!」


「おお、我々が!」


「頑張ります!」


 二人はやる気になった。

 うんうん、君たちしかできない仕事だ。

 頼むぞ……!!


 俺がやると、俺しかできないやり方を開発してしまうからな……。

 それではいかんのだ。


「ハイザット様ー」


「ハイザットさーん」


「モネとラビハじゃないか。どうしたんだ?」


「みんなが森で面白いことしてるって聞いて来たんですけど」


「あー、斧? 斧が面白いこと? ラビハ理解不能」


「この島には今まで斧が無かったんだよ。だからこうやって、木を切るという概念を領民に教えていくところなんだ」


「そうだったんだ……! ラビハ驚き……!!」


「へえ、あれが斧? ちょっとあたしも使わせてもらおうっと」


 男衆の中にホイホイ入っていったモネ。

 この村の男よりも背が高いんだな。

 毒に強いためによりたくさんの物を食べられたお陰だろう。


 モネは危なげない手つきで、ひょいっと斧を持ち上げる。

 パワフル!


 そして伐採主任の教えを受けながら振りかぶり……木に斧を叩き込んだ!

 スコーン!

 いい音がする。

 いや、これはかなりフォームもいいんじゃないか?


 主任二人が「おおーっ!!」「彼女は才能があるぞ!!」と驚いている。

 体格が恵まれていることは、いいことなんだなあ!


「みんな見てくれ! 彼女のフォームが理想的だ!」


「腰! 腰の使い方が上手い!」


「きゃー、ぺたぺた触らないでー!」


「うわーっ斧を振り回すなー!」


「危ない! 危ない!」


 なんか騒ぎになっている。


「モネちゃんはハイザットさんのお付きだからね。あんまり触るのは良くない。触っていいのはラビハたちとハイザットさんだけ」


「そうなの……? いつからそういうことになったの……?」


「おや? おじさまもそういう認識かと」


「そんな認識はしてない」


 斧に関しては、定着も問題なさそうだ。

 そうなると、次は建築関連となるだろう。


 ジムニを連れて、港湾施設に戻ってみるとしよう。

お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
ルナス島の人たちは斧を知らなかった…。 オー、ノー!!!
破壊神www暴威wwwww 言われてもしゃあないと思えるのがまたwww もう当然のように刃渡りより長いだろう木を一発で両断するし。 剣以外を振るってもコレだからなぁ。
周囲を切り込んでいき、人がいないように倒木が起こるよう計算し、最後の一撃を入れる。 【修正案】 周囲を切り込んでいき、人がいない【方向】に倒木が起こるよう【調整】し、最後の一撃を入れる。
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