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島流しにされた第三王子は、遺跡から発掘された幼女と古代文明の島で開拓スローライフする  作者: あけちともあき
開発しよう、ターミナル

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第15話 土地の名前を決めよう

 村は今、空前のゆで卵ブーム!

 船乗りたちが披露したゆで卵調理によって、村の奥さんたちはゆで卵に目覚めたのだった。


 固いキウイの卵の殻も、温度差を利用すれば容易に割れる。

 ジムニが提唱した技術は即座に実行に移された。


 魚、エウゴ菜に続く第三の食材が得られた村の食料事情は劇的に改善した。

 まあ、エウゴ菜以外にも少しは野菜を作っていたのだが。


「今まで、よくぞあんな多様性のない食料で生きてこれたなあ……」


「あたしたちのおじいちゃんとかおばあちゃんに当たる人たちが、この島にたどり着いたんですよ。何かから逃げていたらしいんですけど、島に上陸したら、追手は慌てて逃げていったとか。で、唯一人が暮らせるここに村を作って、どうにか生きてきたんですよ」


 ギリギリだったのだとモネが伝える。

 なるほど、もともと持続性など無い村で、それが数十年前にアースユニ王国に発見されて接収され、流刑地となったわけだ。

 そりゃあ、こんなところに流されたら栄養失調で長生きはできまい。


 だが、これからは違うぞ。

 俺が卵の安定供給を可能にしたからな。

 そしてこれから、様々な作物を揃えていって、この村をもっと暮らしやすい場所に変えるのである。


 卵で力をつけた子どもたちは、ついにゼータと張り合えるようになったらしい。


「今度は負けねえぞ!」


「ふふふ、挑戦ですか? いいでしょう!」


「おりゃー!」


「なかなかの力! やりますね!」


 ゼータ、女の子が男の子と手四つで力比べするのはどうかと思うな。


「おりゃー!」


 あっ、ゼータが男の子を力で捻り潰した!

 うーん、自分より背が高い男の子だぞ?

 あの幼女、恐るべきパワーを内に秘めているかも知れない。


「くっそー、まだまだ足りねえー!」


「もっといっぱい食ってゼータに勝てるようにならないと!」


「ふふふふふ、私はいつでも、誰の挑戦でも受け付けます!」


 どーんと胸を張るゼータなのだった。

 そんな光景を見ていたら、ジムニが話しかけてきた。


「それで殿下。そろそろこの村に名を付けてはいかがですかな?」


「名を? そもそも村に名前はないの?」


「あの村長一族が自分たちの名前をつけていたんですぞ」


「あー、そりゃいかんわ。じゃあ考えるか。村というか、俺はこれからここをどんどん大きくして、街にするつもりだ。だから、ここはハイザット遠島伯領になるわけなのだが……。王族を追放された俺は、新しく姓を名乗らねばならない。これがこの土地の名前になるわけだ」


「ですな。何が良いでしょうかなあ」


「あたしは思いつかないなあ……」


 俺、ジムニ、モネで頭をひねる。

 何気にこの三人が、遠島伯領のトップ3かも知れない。

 ゼータは子どもだからまだ役職はないからな。


「後で変える前提で、まずは島の名前つけるのがいいんじゃないですか?」


「そうだな。モネのアイデアで行こう。俺はハイザット・ルナス遠島伯ということにし、ルナス島はルナス遠島伯領ということになる」


「うむうむ、いいのではありませんかな? 少し気は速いですが、殿下のこの島を征服するという覚悟を感じられますからな!」


「ああ。遠大な目標だが、それをやらないと領地が広がらないからな。村人と畑とキウイしかない領地なんだ。戦力とか俺一人だぞ」


 スッと横に出てきたゼータが、


「おじさま一人いれば十分なのでは?」


 とか言うのだった。

 いやいや、流石に一人はまずいだろう。

 自分たちの身は自分たちで守れるようになっていかないとな。


 俺は村人……いや、領民を集めて、領地の名前を決めたことを告げた。

 ルナス遠島伯領の住民は、俺を入れて200人ほど。

 小さい村としてはそんなもんだろうが、問題はここが絶海の孤島であることだ。


 今後のことを考えていくと、200名は少ない。

 血が濃くなってしまう。

 幸いと言っていいのか分からないが、このルナス領に老人は二人しかいない。


 ジムニと、ばあさんが一人だ。

 どうやらルナス領で長生きすることは極めて困難なようだな。


 今後は、それなりに長生きできる環境を作るべく、活動していかねばならない。


「いいですねー! 私たちの国ができたんですね!」


 ゼータが嬉しそうだ。


「旗を作らなくちゃ! 私たちの旗を作りましょうおじさま!」


「厳密には国では無いんだが、まあ王国がほとんどこっちに手出しもできないし、税はどうなるんだみたいな話も全く詰められてないから、ほぼ独立国だよな」


 なお、俺達の話を聞いても、領民は男も女も子どもも、みんなキョトンとしている。

 想像がつかないらしい。


「彼らは皆、島から出たことがないのですよ。だから外の世界があっても、それがどんな場所なのか想像もできないのです。私が来るまでは、彼らはろくに読み書きもできませんでしたから」


「ジムニが先生をやってくれたから、俺が過ごせる最低限の文化的土壌ができていたというわけだな。感謝する。あと、お前には長生きしてもらわないと困る」


 こうして俺は、次なる目標を定めた。

 新たな食材の確保だ。

 果実。

 果実で行こう。


「ゼータ、やるべきことが定まった。次の土地を解放すると同時に、果実を見つける」


「果物ですか! いいですね、私、甘いの大好きです! 今のルナス領って、甘いものが全く無いじゃないですか」


「ああ。糖分不足だ。これを可及的速やかに補給する。やっていくぞ。付き合ってくれ」


「もちろんです! 行きましょう!」


 ゼータが俺の背中に駆け上がり、いつもの定位置についた。


「では諸君、俺はまた、島を開拓してくる。畑作と漁、そしてキウイの世話をよろしくな!」


 いざ、出発!

 次の転送装置へ!


 

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― 新着の感想 ―
村人全員が謎剣術を使えるように? 戦力換算でハイザットが少なく見積もって3万以上、 200人の村人がそれぞれ100人相当(あの謎剣術なら初伝でも100は過少かな)になったら 5万相当(実質約200)の…
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