第95話「虎が、農村部リーダーと戦う」
# 虎無双、虎無双。
## 第95話「虎が、農村部リーダーと戦う」
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ザリザリザリッ!!
地面がエグれていく。
モチの地面攻撃だった。
虎とステラは、
モチとハクを連れて、
最終確認を行っていた。
虎「モチ、まずは、地面を荒らせ」
ステラ「ハクさんは、それをかわしながら、上から狙います」
ハクが、
その揺れる地面を、
軽やかに飛び越えて、
上空を旋回する。
ステラ「相手だけに、当たる形にできますか」
虎「モチなら、いける」
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タクミが、
若手ペアを連れて、
広場に姿を現した。
若い男が、
猪のような形のケモンガと共に、
立っている。
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タクミ「よく練習していたようだな。昨日の動き、見物人から、噂になっていたぞ」
虎「見られていたのか」
タクミ「この村は、狭い。噂は、すぐに、広まる」
タクミが、
少し笑った。
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タクミ「うちの若手、名は、ケンタという。まだ、若いが、猪型の扱いは、村一番だ」
虎「頼もしい相手だな」
ケンタ「よろしく頼みます」
ケンタが、
緊張した面持ちで、
一礼した。
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タクミが、
虎とステラを、
交互に見た。
タクミ「二対二の試合は、単純な力比べじゃない。相方との、呼吸が、全てだ」
虎「わかっている」
タクミ「昨日一日で、そこまで、仕上げてくるとはな」
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タクミが、
懐から、
すでに用意していた、
エンブレムを、
一瞬だけ、
見せた。
タクミ「これを、渡すつもりで、来ている」
虎「まだ、負けると決まっていないだろう」
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タクミが、
声を上げて笑った。
タクミ「その意気だ。だが、簡単には、渡さないぞ」
虎「望むところだ」
タクミが、
一歩下がって、
審判の位置に立った。
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タクミ「この試合、農村部の流儀で、行う。ケモンガと、心が通っていなければ、勝てない」
虎「心得ている」
タクミが、
右手を、
静かに上げた。
タクミ「では、始め!」
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試合が始まると、
虎はさっそく、
モチに指示を出した。
虎「行くぞ」
ザリザリザリッ!!
再び、
地面がエグれていく。
猪型のケモンガが、
その振動に足を取られて、
バランスを崩した。
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ハクが、
そのタイミングを見計らって、
水の弾を、
上空から撃ち込んだ。
ステラ「今です」
猪型のケモンガに、
弾が命中する。
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ケンタが、
慌てて指示を出した。
ケンタ「反撃だ!」
猪型が、
体勢を立て直して、
虎に向かって、
突進してきた。
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虎はそれを、
モチの分身で受け止めた。
分身がその衝撃を、
そのまま吸収し、
本物のモチに戻って、
虎の元に合流する。
虎「その隙、もらう」
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虎が、
一気に距離を詰めて、
軽く手を振った。
猪型のケモンガが、
場外まで、
弾き飛ばされた。
タクミ「……見事だ」
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会場に、
大きな歓声が響いた。
司会「勝負あり! 虎ステラペアの勝利です!」
ケンタが、
悔しそうにしながらも、
虎たちに一礼した。
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タクミが、
懐から、
エンブレムを取り出した。
タクミ「二つ目の証だ。受け取ってくれ」
虎が、
それを受け取ると、
すでに持っていたエンブレムと、
軽く触れ合った。
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ステラが、
その音を聞いて言った。
ステラ「反応しているようですね」
虎「そうらしいな」
虎(あと一つで、揃うのか)
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タクミが、
二人を見て、
穏やかに笑った。
タクミ「山岳部は、また違う相手だぞ。心して行くといい」
虎「楽しみにしている」
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夕方、
村の食堂で、
勝利を祝う席が、
設けられた。
村人が、
炭火で焼いた、
細長い魚を、
出してくれた。
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虎は一口食べた。
虎「……」
うなぎ特有の風味が、
まず鼻を抜けた。
乗りに乗った脂が、
しなやかな甘さで、
口の中に広がっていく。
炭火の焦げた香りが、
どこか祭りを思い出させるような、
懐かしい味わいを、
加えていた。
虎「……うまい。この味は、格別だな」
ステラも一口食べた。
ステラ「……確かに、深みのある味です」
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村人が、
嬉しそうに言った。
村人「この島の川で獲れる、特別なうなぎでね。祭りの時にしか、出さないんだよ」
虎「今日は、特別か」
村人「あんたたちの勝利を、祝ってのことさ」
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食事を終えて、
宿に戻ると、
ステラがモチとハクを見ながら言った。
ステラ「今日は、二人とも、よく頑張ってくれましたね」
虎「そうだな」
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虎は、
モチを、
そっと撫でた。
虎「よくやった」
モチが、
嬉しそうに、
形をぷるんと揺らした。
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ステラも、
ハクの首元を、
優しく撫でていた。
ステラ「ハクさんも、お疲れ様でした」
ハクが、
静かに、
翼を畳んで、
その手に頭を寄せた。
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虎は、
二枚のエンブレムを、
並べて眺めた。
虎(あと一つ、山岳部だけだ)
虎(どんな相手が、待っているだろうな)
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窓の外に、
農村部の、
穏やかな夜が広がっていた。
ステラが、
静かに言った。
ステラ「虎様、次も、頑張りましょう」
虎「ああ」
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モチとハクが、
それぞれの場所で、
静かに休んでいた。
虎(この二匹との連携、これからも、頼りにしよう)
夜が、
連携の勝利を、
静かに包んでいく。
キキン!
と二枚のエンブレムが、
小気味良い音を立てた。
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ステラ「次回予告です」
虎「ああ」
ステラ「二つ目のエンブレム、手に入れましたね」
虎「モチとハクの連携が、うまくいった」
ステラ「うなぎ、絶品でしたね」
虎「あの脂の甘さは、忘れられないな」
ステラ「次は、山岳部ですね」
虎「険しい道になりそうだ」
ステラ「……おおむね、覚悟が必要そうです」
虎「おおむね、か」
ステラ「おおむね、です」
虎「次の予告をしてくれ」
ステラ「次回、『虎が、山岳部を目指す』」
虎「最後のエリアだな」
ステラ「はい。楽しみですね」




