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虎無双、虎無双。  作者: BB
7章

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95/112

第95話「虎が、農村部リーダーと戦う」

# 虎無双、虎無双。


## 第95話「虎が、農村部リーダーと戦う」


---

ザリザリザリッ!!

地面がエグれていく。

モチの地面攻撃だった。


虎とステラは、

モチとハクを連れて、

最終確認を行っていた。


虎「モチ、まずは、地面を荒らせ」

ステラ「ハクさんは、それをかわしながら、上から狙います」


ハクが、

その揺れる地面を、

軽やかに飛び越えて、

上空を旋回する。


ステラ「相手だけに、当たる形にできますか」

虎「モチなら、いける」


……………………………………………………………………………………………


タクミが、

若手ペアを連れて、

広場に姿を現した。


若い男が、

猪のような形のケモンガと共に、

立っている。


……………………………………………………………………………………………


タクミ「よく練習していたようだな。昨日の動き、見物人から、噂になっていたぞ」

虎「見られていたのか」

タクミ「この村は、狭い。噂は、すぐに、広まる」


タクミが、

少し笑った。


……………………………………………………………………………………………


タクミ「うちの若手、名は、ケンタという。まだ、若いが、猪型の扱いは、村一番だ」

虎「頼もしい相手だな」

ケンタ「よろしく頼みます」


ケンタが、

緊張した面持ちで、

一礼した。


……………………………………………………………………………………………


タクミが、

虎とステラを、

交互に見た。


タクミ「二対二の試合は、単純な力比べじゃない。相方との、呼吸が、全てだ」

虎「わかっている」

タクミ「昨日一日で、そこまで、仕上げてくるとはな」


……………………………………………………………………………………………


タクミが、

懐から、

すでに用意していた、

エンブレムを、

一瞬だけ、

見せた。


タクミ「これを、渡すつもりで、来ている」

虎「まだ、負けると決まっていないだろう」


……………………………………………………………………………………………


タクミが、

声を上げて笑った。


タクミ「その意気だ。だが、簡単には、渡さないぞ」

虎「望むところだ」


タクミが、

一歩下がって、

審判の位置に立った。


……………………………………………………………………………………………


タクミ「この試合、農村部の流儀で、行う。ケモンガと、心が通っていなければ、勝てない」

虎「心得ている」


タクミが、

右手を、

静かに上げた。


タクミ「では、始め!」


……………………………………………………………………………………………


試合が始まると、

虎はさっそく、

モチに指示を出した。


虎「行くぞ」


ザリザリザリッ!!


再び、

地面がエグれていく。


猪型のケモンガが、

その振動に足を取られて、

バランスを崩した。


……………………………………………………………………………………………


ハクが、

そのタイミングを見計らって、

水の弾を、

上空から撃ち込んだ。


ステラ「今です」


猪型のケモンガに、

弾が命中する。


……………………………………………………………………………………………


ケンタが、

慌てて指示を出した。


ケンタ「反撃だ!」


猪型が、

体勢を立て直して、

虎に向かって、

突進してきた。


……………………………………………………………………………………………


虎はそれを、

モチの分身で受け止めた。


分身がその衝撃を、

そのまま吸収し、

本物のモチに戻って、

虎の元に合流する。


虎「その隙、もらう」


……………………………………………………………………………………………


虎が、

一気に距離を詰めて、

軽く手を振った。


猪型のケモンガが、

場外まで、

弾き飛ばされた。


タクミ「……見事だ」


……………………………………………………………………………………………


会場に、

大きな歓声が響いた。


司会「勝負あり! 虎ステラペアの勝利です!」


ケンタが、

悔しそうにしながらも、

虎たちに一礼した。


……………………………………………………………………………………………


タクミが、

懐から、

エンブレムを取り出した。


タクミ「二つ目の証だ。受け取ってくれ」


虎が、

それを受け取ると、

すでに持っていたエンブレムと、

軽く触れ合った。


……………………………………………………………………………………………


ステラが、

その音を聞いて言った。


ステラ「反応しているようですね」

虎「そうらしいな」


虎(あと一つで、揃うのか)


……………………………………………………………………………………………


タクミが、

二人を見て、

穏やかに笑った。


タクミ「山岳部は、また違う相手だぞ。心して行くといい」

虎「楽しみにしている」


……………………………………………………………………………………………


夕方、

村の食堂で、

勝利を祝う席が、

設けられた。


村人が、

炭火で焼いた、

細長い魚を、

出してくれた。


……………………………………………………………………………………………


虎は一口食べた。


虎「……」


うなぎ特有の風味が、

まず鼻を抜けた。

乗りに乗った脂が、

しなやかな甘さで、

口の中に広がっていく。

炭火の焦げた香りが、

どこか祭りを思い出させるような、

懐かしい味わいを、

加えていた。


虎「……うまい。この味は、格別だな」

ステラも一口食べた。


ステラ「……確かに、深みのある味です」


……………………………………………………………………………………………


村人が、

嬉しそうに言った。


村人「この島の川で獲れる、特別なうなぎでね。祭りの時にしか、出さないんだよ」

虎「今日は、特別か」

村人「あんたたちの勝利を、祝ってのことさ」


……………………………………………………………………………………………


食事を終えて、

宿に戻ると、

ステラがモチとハクを見ながら言った。


ステラ「今日は、二人とも、よく頑張ってくれましたね」

虎「そうだな」


……………………………………………………………………………………………


虎は、

モチを、

そっと撫でた。


虎「よくやった」


モチが、

嬉しそうに、

形をぷるんと揺らした。


……………………………………………………………………………………………


ステラも、

ハクの首元を、

優しく撫でていた。


ステラ「ハクさんも、お疲れ様でした」


ハクが、

静かに、

翼を畳んで、

その手に頭を寄せた。


……………………………………………………………………………………………


虎は、

二枚のエンブレムを、

並べて眺めた。


虎(あと一つ、山岳部だけだ)


虎(どんな相手が、待っているだろうな)


……………………………………………………………………………………………


窓の外に、

農村部の、

穏やかな夜が広がっていた。


ステラが、

静かに言った。


ステラ「虎様、次も、頑張りましょう」

虎「ああ」


……………………………………………………………………………………………


モチとハクが、

それぞれの場所で、

静かに休んでいた。


虎(この二匹との連携、これからも、頼りにしよう)


夜が、

連携の勝利を、

静かに包んでいく。


キキン!

と二枚のエンブレムが、

小気味良い音を立てた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ステラ「次回予告です」

虎「ああ」

ステラ「二つ目のエンブレム、手に入れましたね」

虎「モチとハクの連携が、うまくいった」

ステラ「うなぎ、絶品でしたね」

虎「あの脂の甘さは、忘れられないな」

ステラ「次は、山岳部ですね」

虎「険しい道になりそうだ」

ステラ「……おおむね、覚悟が必要そうです」

虎「おおむね、か」

ステラ「おおむね、です」

虎「次の予告をしてくれ」

ステラ「次回、『虎が、山岳部を目指す』」

虎「最後のエリアだな」

ステラ「はい。楽しみですね」

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