第94話「虎が、二人の連携を磨く」
# 虎無双、虎無双。
## 第94話「虎が、二人の連携を磨く」
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タクミが、
バトルのルールを、
説明してくれた。
タクミ「明日の試合は、二対二のタッグ形式にしようと思っている」
虎「二対二」
タクミ「都市部と違って、農村部は、連携を重んじる土地柄でな。二人で挑んでくれ」
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ステラが、
少し驚いた顔をした。
ステラ「私も、戦うのですか」
タクミ「ケモンガ乗りが、一人だけとは限らない。あんたと、ハクの空中戦、見てみたいな」
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虎(俺だけの相棒だと思っていたが)
虎(ステラとの、連携か)
タクミが続けた。
タクミ「こちらも、二人一組で応じる。うちの村の若手を、連れてくるつもりだ」
虎「わかった」
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タクミと別れた後、
虎とステラは、
村の外れにある、
広い空き地に向かった。
ステラ「連携を、練習しましょう」
虎「そうだな」
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モチが、
虎の隣で、
すでに戦闘態勢のように、
体を引き締めていた。
ハクは、
ステラの周りを、
ゆっくりと旋回している。
虎「まず、地上と空、どう分担するか、決めるか」
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ステラが、
提案した。
ステラ「私とハクさんで、上から相手の動きを、崩します。虎様は、その隙に、仕留めてください」
虎「役割分担、悪くない」
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実際に、
模擬戦を始めてみた。
ハクが空に舞い上がり、
上空から、
小さな水の球を、
撃ち出した。
虎は、
その動きに合わせて、
地上を、
駆け出した。
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だが、
最初はタイミングが、
うまく合わなかった。
虎の踏み込みが、
少し早すぎて、
ハクの攻撃と、
重なってしまった。
ステラ「……もう少し、遅らせてください」
虎「わかった」
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何度か繰り返すうちに、
少しずつ、
呼吸が合ってきた。
ステラが、
上空から声をかける。
ステラ「今です、虎様!」
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虎が、
その合図に合わせて、
モチと共に、
一気に踏み込んだ。
モチが、
虎の分身を作り出し、
二方向から、
標的に見立てた木を、
挟み撃ちにした。
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虎「これは、いい形だ」
ステラ「はい。空と地上、両方から、圧をかけられます」
虎(一人で戦うのとは、また違う感覚だ)
虎(ステラの目が、上から、状況を見ていてくれる)
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しばらく練習を続けると、
汗ばむ陽気になってきた。
ステラが、
一旦休憩を提案した。
ステラ「少し、休みましょう」
虎「そうだな」
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そこへ、
牛型のケモンガを連れた、
村の少年が、
近づいてきた。
少年「あの、これ、うちの牛が作ったやつです」
少年が差し出したのは、
瓶に入った、
茶色い飲み物だった。
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ステラが、
興味深そうに聞いた。
ステラ「これは」
少年「コーヒー牛乳です。牛型のケモンガは、いい乳を出すやつが多くて。それに、豆の粉を混ぜて、作るんです」
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虎は、
一口飲んだ。
虎「……」
濃厚な乳の甘みに、
香ばしいコーヒーの苦みが、
ちょうどよく重なっていた。
練習で疲れた体に、
その甘さが、
染み渡っていく。
牛型ケモンガの恵みが、
そのまま、
一杯に詰まっているような味だった。
虎「……うまい。甘さと、苦さの、バランスがいいな」
ステラも一口飲んだ。
ステラ「……確かに、疲れが、和らぐ気がします」
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少年が、
嬉しそうに笑った。
少年「うちの牛、自慢なんです」
虎「いい相棒だな」
牛型のケモンガが、
少年の隣で、
穏やかに鳴いていた。
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飲み終えると、
虎とステラは、
練習を再開した。
今度は、
モチとハクを、
同時に動かす、
複雑な連携を、
試してみた。
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ハクが上空から、
相手を追い込むように、
翼で風を起こす。
その風に紛れて、
モチが分身を作り、
地上から、
死角を突く。
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虎「……これは、かなり、いいな」
ステラ「はい。三段構えのように、なっています」
虎(明日の相手には、これで、対応できるはずだ)
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夕方近くまで、
練習を続けた後、
二人はようやく、
腰を下ろした。
ステラが、
汗を拭きながら言った。
ステラ「今日一日で、随分、形になりましたね」
虎「お前と、ハクのおかげだ」
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モチが、
虎の膝の上で、
満足げに丸くなっていた。
ハクも、
ステラの隣で、
翼を休めている。
虎(このチームなら、明日の試合、負ける気がしない)
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タクミが、
遠くから、
様子を見に来ていた。
タクミ「いい動きになってきたな」
虎「見ていたのか」
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タクミが、
少し笑った。
タクミ「うちの若手も、負けないくらい、鍛えてある。明日は、いい試合になりそうだ」
虎「望むところだ」
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夜、
宿に戻ってから、
虎はモチを見つめた。
虎「明日、頼むぞ」
モチが、
虎の顔に、
また少しだけ変化してみせた。
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ステラが、
壁越しに声をかけてきた。
ステラ「虎様、明日、頑張りましょう」
虎「ああ」
虎(連携が、こんなに、面白いものだとは)
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窓の外に、
農村部の、
静かな夜が広がっていた。
星明かりが、
田んぼの水面に、
柔らかく反射している。
虎はエンブレムを、
懐から取り出して、
もう一度見つめた。
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虎(明日、二つ目を、手に入れる)
夜が、
連携を磨いた一日の終わりを、
静かに、
包んでいった。
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ステラ「次回予告です」
虎「ああ」
ステラ「連携、いい形になりましたね」
虎「お前とハクの、動きが鍵だった」
ステラ「コーヒー牛乳、美味しかったです」
虎「甘さと苦さが、絶妙だった」
ステラ「明日は、いよいよ、タッグバトルですね」
虎「タクミさんの若手、楽しみだ」
ステラ「……おおむね、いい仕上がりです」
虎「おおむね、か」
ステラ「おおむね、です」
虎「次の予告をしてくれ」
ステラ「次回、『虎が、農村部リーダーと戦う』」
虎「二人で、勝ち取るぞ」
ステラ「はい。楽しみですね」




