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虎無双、虎無双。  作者: BB
7章

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92/112

第92話「虎が、都市部リーダーに挑む」

# 虎無双、虎無双。


## 第92話「虎が、都市部リーダーに挑む」


---


翌朝から、

虎は闘技場の練習場で、

モチとの連携を、

磨き始めた。


虎「モチ、俺の動きに合わせて、形を変えてみろ」


モチが、

虎の意図を汲み取るように、

体を扁平に、

広げてみせた。


……………………………………………………………………………………………


虎はその形を、

盾のように、

使ってみた。


虎「……いいな。攻撃も、防御も、これで、幅が広がる」


ステラが、

その様子を見ながら言った。


ステラ「モチさん、虎様の考えを、汲み取るのが、早いですね」

虎「相性がいいんだろう」


……………………………………………………………………………………………


練習を続けるうちに、

モチが、

虎自身の姿に、

そっくりそのまま変化する、

コピー能力を、

より精密に使えるようになってきた。


虎「これは、面白い」


モチが、

虎の腕の動きまで、

正確に真似てみせた。


……………………………………………………………………………………………


虎(本体とコピーで、二方向から攻める。これは、使える)


虎は、

その場で、

何度も動きを試した。


汗をかくほど、

熱心な練習だった。


……………………………………………………………………………………………


昼になり、

練習場の隅で、

休憩を取ることにした。


ステラが、

持ってきた弁当を、

広げた。


虎は一口食べた。


虎「……」


魚介と野菜を炒めた、

南国らしい味付けの料理だった。

香辛料の効いた味付けが、

汗をかいた体に、

ちょうどよく染み渡った。

噛むほどに、

出てくる旨みが、

練習の疲れを、

和らげてくれるようだった。


虎「……うまい。汗をかいた後の飯は、いつも格別だな」

ステラも一口食べた。


ステラ「……確かに、体に染みます」


……………………………………………………………………………………………


食べながら、

ステラが言った。


ステラ「今日、挑戦するのですか」

虎「ああ。準備は、できた」


虎(モチとの連携も、モチ自身の能力も、ある程度、掴んだ)


虎(あとは、実戦で、確かめるだけだ)


……………………………………………………………………………………………


午後、

闘技場に、

挑戦の申し込みをした。


受付係が、

虎を見て言った。


受付係「今日は、虎様が、挑戦されるんですね。レイナ選手にも、伝えておきます」

虎「頼む」


……………………………………………………………………………………………


夕方、

試合の時間になった。


観客席には、

これまで以上に、

人が集まっていた。


司会「本日の、目玉対戦です! 旅の挑戦者、虎選手!」


……………………………………………………………………………………………


虎が闘技場の中央に、

モチと共に、

歩み出た。


観客の一人が、

声をあげた。


観客A「あの虎、噂の旅人だろ!」

観客B「スライム型、初めて見るぞ!」


……………………………………………………………………………………………


対する側から、

レイナが、

猛禽型のケモンガと共に、

姿を現した。


司会「都市部リーダー、レイナ選手!」


レイナが、

虎を見て、

不敵に笑った。


……………………………………………………………………………………………


レイナ「思ったより、早かったな」

虎「準備が、整った」

レイナ「その言葉、信じよう」


司会が、

試合開始を、

宣言した。


……………………………………………………………………………………………


猛禽型のケモンガが、

真っ先に、

飛び出した。


鋭い爪が、

モチに向かって、

振り下ろされる。


虎「モチ、受け流せ」


……………………………………………………………………………………………


モチが、

体を薄く広げて、

その爪の勢いを、

逃がすように受け止めた。


猛禽型が、

一瞬、

バランスを崩す。


その隙に、

虎が動いた。


……………………………………………………………………………………………


虎が距離を詰めると同時に、

モチが、

虎の姿にそっくりの、

分身を作り出した。


レイナが、

目を見張った。


レイナ「……二人、いるのか」


……………………………………………………………………………………………


本物の虎と、

モチが化けた分身が、

左右から、

同時に迫った。


レイナが、

猛禽型に、

指示を出す。


だが、

どちらが本物か、

一瞬、

判断がつかない様子だった。


……………………………………………………………………………………………


猛禽型が、

分身の方に、

攻撃を仕掛けた。


分身がそのまま、

崩れて元のモチの形に戻り、

虎の体に、

吸収されるように、

合流した。


その隙を、

虎は逃さなかった。


……………………………………………………………………………………………


虎(今だ)


虎は、

一気に、

猛禽型の懐に、

踏み込んだ。


軽く腕を振ると、

猛禽型が、

場外まで、

弾き飛ばされた。


……………………………………………………………………………………………


司会が、

大きな声で言った。


司会「勝負あり! 挑戦者、虎選手の勝利です!」


会場が、

どよめきに包まれた。


観客A「見たか、今の分身……!」

観客B「都市部リーダーが、負けた……!」


……………………………………………………………………………………………


レイナが、

猛禽型を抱きかかえながら、

虎に近づいてきた。


レイナ「……見事だ。あの分身の使い方、初めて見た」

虎「モチの能力だ」


……………………………………………………………………………………………


レイナが、

懐から、

小さな金属の板を、

取り出した。


エンブレムのような形をしていた。


レイナ「これを、渡す。都市部を制した、証だ」

虎「もらっておく」


……………………………………………………………………………………………


虎はエンブレムを、

受け取った。


虎(一つ目、か)


虎(あと二つで、島長に、会えるらしいな)


……………………………………………………………………………………………


ステラが、

虎の隣に来て言った。


ステラ「おめでとうございます、虎様」

虎「モチのおかげだ」


モチが、

虎の肩の上で、

嬉しそうに、

形を弾ませていた。


……………………………………………………………………………………………


夜、

勝利を祝って、

宿の近くの食堂で、

食事をとることにした。


店主が、

祝いだと言って、

特別な料理を、

出してくれた。


……………………………………………………………………………………………


虎は一口食べた。


虎「……」


魚介をふんだんに使った、

豪華な炒め物だった。

昼に食べたものよりも、

さらに濃厚な味付けで、

勝利の喜びと共に食べると、

その旨みが、

一層深く感じられた。


虎「……うまい。今日は、特別な味だ」

ステラも一口食べた。


ステラ「……本当に、おめでとうございます」


……………………………………………………………………………………………


店主が、

虎に聞いた。


店主「次は、農村部か、山岳部か、どっちに、行くんだい」

虎「決めていない」


虎(あと二つのエンブレム。どちらも、面白そうだ)


……………………………………………………………………………………………


食事を終えて、

宿に戻る道すがら、

ステラが言った。


ステラ「虎様、次のエリアも、楽しみですね」

虎「ああ」


モチが、

虎の肩の上で、

静かに、

形を落ち着けていた。


……………………………………………………………………………………………


夜空に、

南国の星が、

広がっていた。


虎(この島にも、まだ、色々な出会いが、待っているんだろうな)


虎は、

エンブレムを、

懐にしまった。


夜が、

静かに、

祝勝の一日を、

包んでいった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ステラ「次回予告です」

虎「ああ」

ステラ「レイナさんに、勝ちましたね」

虎「モチの分身が、うまくいった」

ステラ「エンブレム、一つ目です」

虎「あと二つだ」

ステラ「次は、農村部でしょうか」

虎「行ってみよう」

ステラ「……おおむね、順調な滑り出しです」

虎「おおむね、か」

ステラ「おおむね、です」

虎「次の予告をしてくれ」

ステラ「次回、『虎が、農村部へ向かう』」

虎「新しいエリアだな」

ステラ「はい。楽しみですね」

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