第92話「虎が、都市部リーダーに挑む」
# 虎無双、虎無双。
## 第92話「虎が、都市部リーダーに挑む」
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翌朝から、
虎は闘技場の練習場で、
モチとの連携を、
磨き始めた。
虎「モチ、俺の動きに合わせて、形を変えてみろ」
モチが、
虎の意図を汲み取るように、
体を扁平に、
広げてみせた。
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虎はその形を、
盾のように、
使ってみた。
虎「……いいな。攻撃も、防御も、これで、幅が広がる」
ステラが、
その様子を見ながら言った。
ステラ「モチさん、虎様の考えを、汲み取るのが、早いですね」
虎「相性がいいんだろう」
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練習を続けるうちに、
モチが、
虎自身の姿に、
そっくりそのまま変化する、
コピー能力を、
より精密に使えるようになってきた。
虎「これは、面白い」
モチが、
虎の腕の動きまで、
正確に真似てみせた。
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虎(本体とコピーで、二方向から攻める。これは、使える)
虎は、
その場で、
何度も動きを試した。
汗をかくほど、
熱心な練習だった。
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昼になり、
練習場の隅で、
休憩を取ることにした。
ステラが、
持ってきた弁当を、
広げた。
虎は一口食べた。
虎「……」
魚介と野菜を炒めた、
南国らしい味付けの料理だった。
香辛料の効いた味付けが、
汗をかいた体に、
ちょうどよく染み渡った。
噛むほどに、
出てくる旨みが、
練習の疲れを、
和らげてくれるようだった。
虎「……うまい。汗をかいた後の飯は、いつも格別だな」
ステラも一口食べた。
ステラ「……確かに、体に染みます」
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食べながら、
ステラが言った。
ステラ「今日、挑戦するのですか」
虎「ああ。準備は、できた」
虎(モチとの連携も、モチ自身の能力も、ある程度、掴んだ)
虎(あとは、実戦で、確かめるだけだ)
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午後、
闘技場に、
挑戦の申し込みをした。
受付係が、
虎を見て言った。
受付係「今日は、虎様が、挑戦されるんですね。レイナ選手にも、伝えておきます」
虎「頼む」
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夕方、
試合の時間になった。
観客席には、
これまで以上に、
人が集まっていた。
司会「本日の、目玉対戦です! 旅の挑戦者、虎選手!」
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虎が闘技場の中央に、
モチと共に、
歩み出た。
観客の一人が、
声をあげた。
観客A「あの虎、噂の旅人だろ!」
観客B「スライム型、初めて見るぞ!」
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対する側から、
レイナが、
猛禽型のケモンガと共に、
姿を現した。
司会「都市部リーダー、レイナ選手!」
レイナが、
虎を見て、
不敵に笑った。
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レイナ「思ったより、早かったな」
虎「準備が、整った」
レイナ「その言葉、信じよう」
司会が、
試合開始を、
宣言した。
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猛禽型のケモンガが、
真っ先に、
飛び出した。
鋭い爪が、
モチに向かって、
振り下ろされる。
虎「モチ、受け流せ」
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モチが、
体を薄く広げて、
その爪の勢いを、
逃がすように受け止めた。
猛禽型が、
一瞬、
バランスを崩す。
その隙に、
虎が動いた。
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虎が距離を詰めると同時に、
モチが、
虎の姿にそっくりの、
分身を作り出した。
レイナが、
目を見張った。
レイナ「……二人、いるのか」
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本物の虎と、
モチが化けた分身が、
左右から、
同時に迫った。
レイナが、
猛禽型に、
指示を出す。
だが、
どちらが本物か、
一瞬、
判断がつかない様子だった。
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猛禽型が、
分身の方に、
攻撃を仕掛けた。
分身がそのまま、
崩れて元のモチの形に戻り、
虎の体に、
吸収されるように、
合流した。
その隙を、
虎は逃さなかった。
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虎(今だ)
虎は、
一気に、
猛禽型の懐に、
踏み込んだ。
軽く腕を振ると、
猛禽型が、
場外まで、
弾き飛ばされた。
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司会が、
大きな声で言った。
司会「勝負あり! 挑戦者、虎選手の勝利です!」
会場が、
どよめきに包まれた。
観客A「見たか、今の分身……!」
観客B「都市部リーダーが、負けた……!」
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レイナが、
猛禽型を抱きかかえながら、
虎に近づいてきた。
レイナ「……見事だ。あの分身の使い方、初めて見た」
虎「モチの能力だ」
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レイナが、
懐から、
小さな金属の板を、
取り出した。
エンブレムのような形をしていた。
レイナ「これを、渡す。都市部を制した、証だ」
虎「もらっておく」
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虎はエンブレムを、
受け取った。
虎(一つ目、か)
虎(あと二つで、島長に、会えるらしいな)
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ステラが、
虎の隣に来て言った。
ステラ「おめでとうございます、虎様」
虎「モチのおかげだ」
モチが、
虎の肩の上で、
嬉しそうに、
形を弾ませていた。
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夜、
勝利を祝って、
宿の近くの食堂で、
食事をとることにした。
店主が、
祝いだと言って、
特別な料理を、
出してくれた。
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虎は一口食べた。
虎「……」
魚介をふんだんに使った、
豪華な炒め物だった。
昼に食べたものよりも、
さらに濃厚な味付けで、
勝利の喜びと共に食べると、
その旨みが、
一層深く感じられた。
虎「……うまい。今日は、特別な味だ」
ステラも一口食べた。
ステラ「……本当に、おめでとうございます」
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店主が、
虎に聞いた。
店主「次は、農村部か、山岳部か、どっちに、行くんだい」
虎「決めていない」
虎(あと二つのエンブレム。どちらも、面白そうだ)
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食事を終えて、
宿に戻る道すがら、
ステラが言った。
ステラ「虎様、次のエリアも、楽しみですね」
虎「ああ」
モチが、
虎の肩の上で、
静かに、
形を落ち着けていた。
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夜空に、
南国の星が、
広がっていた。
虎(この島にも、まだ、色々な出会いが、待っているんだろうな)
虎は、
エンブレムを、
懐にしまった。
夜が、
静かに、
祝勝の一日を、
包んでいった。
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ステラ「次回予告です」
虎「ああ」
ステラ「レイナさんに、勝ちましたね」
虎「モチの分身が、うまくいった」
ステラ「エンブレム、一つ目です」
虎「あと二つだ」
ステラ「次は、農村部でしょうか」
虎「行ってみよう」
ステラ「……おおむね、順調な滑り出しです」
虎「おおむね、か」
ステラ「おおむね、です」
虎「次の予告をしてくれ」
ステラ「次回、『虎が、農村部へ向かう』」
虎「新しいエリアだな」
ステラ「はい。楽しみですね」




