第91話「虎が、都市部でケモンガバトルを見る」
# 虎無双、虎無双。
## 第91話「虎が、都市部でケモンガバトルを見る」
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朝、
モチとハクを連れて、
都市部エリアに向かった。
大通りに、
ケモンガバトルの垂れ幕が、
いくつも掲げられていた。
ステラ「今日は、大きな試合があるようですね」
虎「見てみるか」
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闘技場の入り口で、
係員が説明してくれた。
係員「本日は、都市部リーダーの防衛戦です。挑戦者が、次々と現れる、恒例の日ですよ」
虎「都市部リーダー」
係員「この島の、三エリアを治める、リーダーの一人です。かなり強いですよ」
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観客席に座ると、
すでに満員に近い賑わいだった。
モチが、
虎の膝の上で、
興味深そうに、
形を変えていた。
ステラが、
ハクを撫でながら言った。
ステラ「熱気が、すごいですね」
虎「この島の、一番の娯楽なんだろう」
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司会の声が、
会場に響いた。
司会「本日最初の挑戦者、登場です!」
闘技場の中央に、
若い青年が現れた。
彼の隣に、
犬に似た形のケモンガが、
並んで立っていた。
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対する側から、
落ち着いた雰囲気の女性が、
ゆっくりと歩み出た。
司会「都市部リーダー、レイナ選手です!」
レイナの隣に、
猛禽類のような姿をした、
鋭い目つきのケモンガが、
控えていた。
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虎(あれが、リーダーか)
虎(気配だけで、実力がわかる)
試合開始の合図と共に、
両者のケモンガが、
動き出した。
犬型のケモンガが、
勢いよく突進する。
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だが、
猛禽型のケモンガは、
その動きを、
見切っていたかのように、
軽く跳んでかわした。
そのまま、
鋭い一撃を、
相手に叩き込んだ。
犬型のケモンガが、
一瞬、
体勢を崩す。
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ステラが、
その様子を見ながら言った。
ステラ「……動きの読み合いが、大事なんですね」
虎「そうらしいな」
虎は、
リーダーの動かし方を、
じっと観察した。
虎(無駄がない。ケモンガと、完全に息が合っている)
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しばらくの攻防の末、
猛禽型が、
決定打を放った。
犬型が、
場外に、
弾き飛ばされる。
司会「勝負あり! 都市部リーダー、レイナ選手の勝利です!」
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会場が、
大きな歓声に包まれた。
挑戦者の青年が、
悔しそうな顔をしながらも、
レイナに一礼していた。
虎(負けても、恨みがましくない。いい文化だ)
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試合が数戦、
続いた後、
休憩の時間になった。
ステラが、
虎に言った。
ステラ「虎様、あの動き、参考になりましたか」
虎「ああ。読み合いの間の取り方が、うまい」
モチが、
虎の話を聞いているように、
形を丸くしていた。
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休憩中、
観客席の近くで、
軽食を販売する屋台が、
出ていた。
看板に、
『バトル観戦飯』
と書かれていた。
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虎は、
串に刺さった揚げ物を、
一つ買った。
一口食べると、
外側がさくっとして、
中から、
出汁の効いた具材が、
とろりと出てきた。
熱気のこもった会場で食べると、
その温かさが、
心地よく感じられた。
虎「……うまい。試合を見ながら食べる飯は、また、違う味だな」
ステラも一口食べた。
ステラ「……確かに、雰囲気で、味が変わる気がします」
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食べながら、
虎はレイナの試合ぶりを、
思い返していた。
虎(あのリーダーと、いつか戦ってみたいな)
虎(モチとの、いい訓練になりそうだ)
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試合が再開されると、
今度は、
別の挑戦者が現れた。
ステラが、
その様子を見ながら言った。
ステラ「今日は、レイナさん、負けなしのようですね」
虎「相当な実力だな」
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その日の最後の試合が終わると、
レイナが、
挑戦者全員に、
声をかけていた。
レイナ「今日も、いい試合だった。また、挑んでくれ」
虎は、
その様子を見ながら、
立ち上がった。
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虎「話しかけてみるか」
ステラ「いいのですか」
虎「面白そうな相手だ」
虎は、
闘技場の中央に向かって、
歩いていった。
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レイナが、
虎に気づいて、
振り返った。
レイナ「……珍しい姿だな。旅人か」
虎「そうだ。虎という」
レイナが、
モチを見て、
少し目を見張った。
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レイナ「スライム型か。珍しいな」
虎「今日、選ばれた」
レイナ「見ていたぞ。相当な使い手だと聞いた」
虎「まだ、選んだばかりだ」
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レイナが、
興味深そうに言った。
レイナ「挑戦者は、いつでも、受け付けている。準備ができたら、来るといい」
虎「そのつもりだ」
虎(もう少し、モチとの連携を、深めてからだな)
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夕方、
宿への帰り道、
ステラが虎に言った。
ステラ「虎様、挑戦するつもりですか」
虎「ああ。あの人には、勝てそうな気がする」
ステラが、
少し笑った。
ステラ「自信満々ですね」
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虎(一万年前の俺なら、力任せに挑んでいただろう)
虎(今は、モチとの、動きの合わせ方から、考えないといけない)
夜、
宿の部屋で、
虎はモチを見つめた。
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虎「明日から、少し、訓練しよう」
モチが、
虎の顔の形に、
また変化してみせた。
虎「……その真似、便利そうだが、少し不気味だな」
モチが、
すぐに、
元の丸い形に戻った。
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窓の外に、
南の星空が広がっていた。
ステラの部屋から、
ハクの穏やかな鳴き声が、
かすかに聞こえていた。
虎(この島での、いい経験になりそうだ)
夜が、
静かに、
更けていった。
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ステラ「次回予告です」
虎「ああ」
ステラ「レイナさん、強い方でしたね」
虎「動きの読み合いが、勉強になった」
ステラ「挑戦する気になったのですね」
虎「モチとの連携を、深めてから、な」
ステラ「訓練、私も、お手伝いします」
虎「頼む」
ステラ「……おおむね、いい目標ができました」
虎「おおむね、か」
ステラ「おおむね、です」
虎「次の予告をしてくれ」
ステラ「次回、『虎が、都市部リーダーに挑む』」
虎「勝負の時だな」
ステラ「はい。楽しみですね」




