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虎無双、虎無双。  作者: BB
7章

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91/112

第91話「虎が、都市部でケモンガバトルを見る」

# 虎無双、虎無双。


## 第91話「虎が、都市部でケモンガバトルを見る」


---


朝、

モチとハクを連れて、

都市部エリアに向かった。


大通りに、

ケモンガバトルの垂れ幕が、

いくつも掲げられていた。


ステラ「今日は、大きな試合があるようですね」

虎「見てみるか」


……………………………………………………………………………………………


闘技場の入り口で、

係員が説明してくれた。


係員「本日は、都市部リーダーの防衛戦です。挑戦者が、次々と現れる、恒例の日ですよ」

虎「都市部リーダー」

係員「この島の、三エリアを治める、リーダーの一人です。かなり強いですよ」


……………………………………………………………………………………………


観客席に座ると、

すでに満員に近い賑わいだった。


モチが、

虎の膝の上で、

興味深そうに、

形を変えていた。


ステラが、

ハクを撫でながら言った。


ステラ「熱気が、すごいですね」

虎「この島の、一番の娯楽なんだろう」


……………………………………………………………………………………………


司会の声が、

会場に響いた。


司会「本日最初の挑戦者、登場です!」


闘技場の中央に、

若い青年が現れた。


彼の隣に、

犬に似た形のケモンガが、

並んで立っていた。


……………………………………………………………………………………………


対する側から、

落ち着いた雰囲気の女性が、

ゆっくりと歩み出た。


司会「都市部リーダー、レイナ選手です!」


レイナの隣に、

猛禽類のような姿をした、

鋭い目つきのケモンガが、

控えていた。


……………………………………………………………………………………………


虎(あれが、リーダーか)


虎(気配だけで、実力がわかる)


試合開始の合図と共に、

両者のケモンガが、

動き出した。


犬型のケモンガが、

勢いよく突進する。


……………………………………………………………………………………………


だが、

猛禽型のケモンガは、

その動きを、

見切っていたかのように、

軽く跳んでかわした。


そのまま、

鋭い一撃を、

相手に叩き込んだ。


犬型のケモンガが、

一瞬、

体勢を崩す。


……………………………………………………………………………………………


ステラが、

その様子を見ながら言った。


ステラ「……動きの読み合いが、大事なんですね」

虎「そうらしいな」


虎は、

リーダーの動かし方を、

じっと観察した。


虎(無駄がない。ケモンガと、完全に息が合っている)


……………………………………………………………………………………………


しばらくの攻防の末、

猛禽型が、

決定打を放った。


犬型が、

場外に、

弾き飛ばされる。


司会「勝負あり! 都市部リーダー、レイナ選手の勝利です!」


……………………………………………………………………………………………


会場が、

大きな歓声に包まれた。


挑戦者の青年が、

悔しそうな顔をしながらも、

レイナに一礼していた。


虎(負けても、恨みがましくない。いい文化だ)


……………………………………………………………………………………………


試合が数戦、

続いた後、

休憩の時間になった。


ステラが、

虎に言った。


ステラ「虎様、あの動き、参考になりましたか」

虎「ああ。読み合いの間の取り方が、うまい」


モチが、

虎の話を聞いているように、

形を丸くしていた。


……………………………………………………………………………………………


休憩中、

観客席の近くで、

軽食を販売する屋台が、

出ていた。


看板に、

『バトル観戦飯』

と書かれていた。


……………………………………………………………………………………………


虎は、

串に刺さった揚げ物を、

一つ買った。


一口食べると、

外側がさくっとして、

中から、

出汁の効いた具材が、

とろりと出てきた。

熱気のこもった会場で食べると、

その温かさが、

心地よく感じられた。


虎「……うまい。試合を見ながら食べる飯は、また、違う味だな」

ステラも一口食べた。


ステラ「……確かに、雰囲気で、味が変わる気がします」


……………………………………………………………………………………………


食べながら、

虎はレイナの試合ぶりを、

思い返していた。


虎(あのリーダーと、いつか戦ってみたいな)


虎(モチとの、いい訓練になりそうだ)


……………………………………………………………………………………………


試合が再開されると、

今度は、

別の挑戦者が現れた。


ステラが、

その様子を見ながら言った。


ステラ「今日は、レイナさん、負けなしのようですね」

虎「相当な実力だな」


……………………………………………………………………………………………


その日の最後の試合が終わると、

レイナが、

挑戦者全員に、

声をかけていた。


レイナ「今日も、いい試合だった。また、挑んでくれ」


虎は、

その様子を見ながら、

立ち上がった。


……………………………………………………………………………………………


虎「話しかけてみるか」

ステラ「いいのですか」

虎「面白そうな相手だ」


虎は、

闘技場の中央に向かって、

歩いていった。


……………………………………………………………………………………………


レイナが、

虎に気づいて、

振り返った。


レイナ「……珍しい姿だな。旅人か」

虎「そうだ。虎という」


レイナが、

モチを見て、

少し目を見張った。


……………………………………………………………………………………………


レイナ「スライム型か。珍しいな」

虎「今日、選ばれた」

レイナ「見ていたぞ。相当な使い手だと聞いた」


虎「まだ、選んだばかりだ」


……………………………………………………………………………………………


レイナが、

興味深そうに言った。


レイナ「挑戦者は、いつでも、受け付けている。準備ができたら、来るといい」

虎「そのつもりだ」


虎(もう少し、モチとの連携を、深めてからだな)


……………………………………………………………………………………………


夕方、

宿への帰り道、

ステラが虎に言った。


ステラ「虎様、挑戦するつもりですか」

虎「ああ。あの人には、勝てそうな気がする」


ステラが、

少し笑った。


ステラ「自信満々ですね」


……………………………………………………………………………………………


虎(一万年前の俺なら、力任せに挑んでいただろう)


虎(今は、モチとの、動きの合わせ方から、考えないといけない)


夜、

宿の部屋で、

虎はモチを見つめた。


……………………………………………………………………………………………


虎「明日から、少し、訓練しよう」


モチが、

虎の顔の形に、

また変化してみせた。


虎「……その真似、便利そうだが、少し不気味だな」


モチが、

すぐに、

元の丸い形に戻った。


……………………………………………………………………………………………


窓の外に、

南の星空が広がっていた。


ステラの部屋から、

ハクの穏やかな鳴き声が、

かすかに聞こえていた。


虎(この島での、いい経験になりそうだ)


夜が、

静かに、

更けていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ステラ「次回予告です」

虎「ああ」

ステラ「レイナさん、強い方でしたね」

虎「動きの読み合いが、勉強になった」

ステラ「挑戦する気になったのですね」

虎「モチとの連携を、深めてから、な」

ステラ「訓練、私も、お手伝いします」

虎「頼む」

ステラ「……おおむね、いい目標ができました」

虎「おおむね、か」

ステラ「おおむね、です」

虎「次の予告をしてくれ」

ステラ「次回、『虎が、都市部リーダーに挑む』」

虎「勝負の時だな」

ステラ「はい。楽しみですね」

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