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虎無双、虎無双。  作者: BB
7章

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90/112

第90話「虎が、ケモンガの相棒を選ぶ」

# 虎無双、虎無双。


## 第90話「虎が、ケモンガの相棒を選ぶ」


---


朝、

選定の儀式が行われる広場に、

虎たちは向かった。


すでに、

何人もの旅人が、

集まっていた。


係員「今日、選定を受ける方々は、こちらへ」

虎「頼む」


……………………………………………………………………………………………


広場の中央に、

不思議な形をした、

大きな水晶が置かれていた。


係員が説明を始めた。


係員「この水晶に触れると、あなたに、最も合ったケモンガが、姿を現します」

ステラ「相性で、決まるのですか」

係員「そうです。無理やり選ぶことは、できません」


……………………………………………………………………………………………


虎が先に、

水晶に手を触れた。


水晶が、

淡く光り出した。


虎(何が来るか)


虎(面白い仕組みだ)


光が収まると、

足元に、

半透明の丸い塊が、

現れた。


……………………………………………………………………………………………


その塊が、

虎の姿を、

じっと見つめている。


係員が、

驚いた顔をした。


係員「これは……スライム型ですね。かなり珍しい相性です」

虎「珍しいのか」


……………………………………………………………………………………………


係員「スライム型は、形を自在に変えられる、特殊なケモンガです。使い手の器量が、大きく問われるタイプなんです」


スライムが、

虎の足に、

そっと触れた。


それだけで、

虎はこの相棒との相性の良さを、

感じ取った。


虎「気に入った」

係員「よかったですね」


……………………………………………………………………………………………


次に、

ステラが水晶に触れた。


光が広がり、

今度は、

空から羽ばたく音が、

聞こえてきた。


大きな白鳥が、

広場に舞い降りてきた。


……………………………………………………………………………………………


その白鳥が、

ステラの前に、

優雅に着地した。


係員「白鳥型は、飛行能力に優れています。人形の方に、この型が選ばれるのは、初めて見ました」

ステラ「……美しい方ですね」


白鳥が、

ステラの手に、

そっと頭を寄せた。


……………………………………………………………………………………………


虎(乗れそうな大きさだな)


虎(空からの支援に、向いていそうだ)


ステラも、

同じことを考えたのか、

少し嬉しそうな顔をした。


ステラ「虎様、乗せてもらえるかもしれません」

虎「試してみるといい」


……………………………………………………………………………………………


係員が、

二人の様子を見て言った。


係員「相棒に、名前をつけてあげてください。それが、絆の始まりになります」

虎「名前」


虎は、

スライムを見下ろした。


虎「……モチ、でどうだ」


……………………………………………………………………………………………


スライムが、

形を、

ぷるんと変化させて、

喜んでいるように見えた。


係員「気に入ったようですね」

虎「そうか」


ステラも、

白鳥を見つめながら、

考えていた。


ステラ「……ハクさん、というのは、どうでしょう」


……………………………………………………………………………………………


白鳥が、

その名前に、

翼を軽く広げて、

応えるように鳴いた。


ステラ「気に入ってもらえたようです」

虎「よかったな」


虎(モチと、ハクか)


虎(悪くない名前だ)


……………………………………………………………………………………………


昼過ぎ、

新しい相棒と共に、

街を歩くことにした。


モチが、

虎の肩の上で、

色々な形に、

変化してみせていた。


虎「そんなこともできるのか」


モチが、

虎の顔の形に、

簡単に真似てみせた。


……………………………………………………………………………………………


虎「……俺の顔まで、コピーできるのか」


驚きながらも、

その様子を眺めていると、

モチが、

虎の姿そのものに、

一瞬変化した。


虎(これは、面白い能力だ)


虎(戦闘にも、使えそうだな)


……………………………………………………………………………………………


ハクの背に乗って、

ステラが少し上空を、

飛んでみせた。


ステラ「……気持ちいいです、虎様」

虎「危なくないか」

ステラ「ハクさんが、しっかり支えてくれています」


ハクが、

ゆっくりと、

広場に降り立った。


……………………………………………………………………………………………


昼食に、

街の食堂で、

ケモンガと一緒に食べられる料理を、

注文した。


店主が説明してくれた。


店主「これは、ケモンガ用の栄養餌と、人間用の料理を、一緒に楽しめるセットだよ」


……………………………………………………………………………………………


虎は、

自分の分を、

一口食べた。


虎「……」


香草がしっかり効いた煮込み料理で、

噛むほどに、

深い旨みが出てきた。

隣で、

モチが同じ食材で作られた、

専用の餌を、

嬉しそうに食べている姿を見ながら食べると、

不思議と、

味わいが増すような気がした。


虎「……うまい。相棒と一緒に食べる飯は、格別だな」

ステラも一口食べた。


ステラ「……確かに、いつもより、温かい気持ちになります」


……………………………………………………………………………………………


食事をしながら、

ハクが、

ステラの隣で、

優雅に水を飲んでいた。


その様子を見て、

虎が言った。


虎「二匹とも、もう馴染んでいるな」

ステラ「そうですね」


虎(この相棒たちと、これから、どんな旅になるのか)


……………………………………………………………………………………………


夕方、

宿に戻ると、

係員から、

明日のバトル観戦について、

案内があった。


係員「都市部で、明日、大きなバトルがあります。まずは、見学から、始めるといいでしょう」

虎「楽しみだ」


……………………………………………………………………………………………


夜、

宿の部屋で、

モチが虎の隣で、

丸くなっていた。


ステラの部屋では、

ハクが、

静かに羽を休めていた。


ステラが、

壁越しに、

虎に声をかけた。


……………………………………………………………………………………………


ステラ「虎様、明日から、忙しくなりそうですね」

虎「そうだな」

ステラ「モチさんと、ハクさんと一緒に、頑張りましょう」

虎「ああ」


虎(一万年前には、こんな相棒がいる旅も、なかった)


虎(面白い島だ)


……………………………………………………………………………………………


窓の外に、

南国らしい、

大きな星が瞬いていた。


モチが、

虎の顔の横で、

静かに形を丸くしていた。


夜が、

新しい相棒たちを迎えた、

一日の終わりを、

静かに包んでいた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ステラ「次回予告です」

虎「ああ」

ステラ「モチさんとハクさん、いい相棒になりましたね」

虎「相性が、良かったんだろう」

ステラ「明日は、いよいよ、バトル観戦ですね」

虎「どんな戦い方をするのか」

ステラ「都市部を、見て回れそうです」

虎「楽しみだ」

ステラ「……おおむね、いい滑り出しです」

虎「おおむね、か」

ステラ「おおむね、です」

虎「次の予告をしてくれ」

ステラ「次回、『虎が、都市部でケモンガバトルを見る』」

虎「初めての観戦だな」

ステラ「はい。楽しみですね」

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