第90話「虎が、ケモンガの相棒を選ぶ」
# 虎無双、虎無双。
## 第90話「虎が、ケモンガの相棒を選ぶ」
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朝、
選定の儀式が行われる広場に、
虎たちは向かった。
すでに、
何人もの旅人が、
集まっていた。
係員「今日、選定を受ける方々は、こちらへ」
虎「頼む」
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広場の中央に、
不思議な形をした、
大きな水晶が置かれていた。
係員が説明を始めた。
係員「この水晶に触れると、あなたに、最も合ったケモンガが、姿を現します」
ステラ「相性で、決まるのですか」
係員「そうです。無理やり選ぶことは、できません」
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虎が先に、
水晶に手を触れた。
水晶が、
淡く光り出した。
虎(何が来るか)
虎(面白い仕組みだ)
光が収まると、
足元に、
半透明の丸い塊が、
現れた。
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その塊が、
虎の姿を、
じっと見つめている。
係員が、
驚いた顔をした。
係員「これは……スライム型ですね。かなり珍しい相性です」
虎「珍しいのか」
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係員「スライム型は、形を自在に変えられる、特殊なケモンガです。使い手の器量が、大きく問われるタイプなんです」
スライムが、
虎の足に、
そっと触れた。
それだけで、
虎はこの相棒との相性の良さを、
感じ取った。
虎「気に入った」
係員「よかったですね」
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次に、
ステラが水晶に触れた。
光が広がり、
今度は、
空から羽ばたく音が、
聞こえてきた。
大きな白鳥が、
広場に舞い降りてきた。
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その白鳥が、
ステラの前に、
優雅に着地した。
係員「白鳥型は、飛行能力に優れています。人形の方に、この型が選ばれるのは、初めて見ました」
ステラ「……美しい方ですね」
白鳥が、
ステラの手に、
そっと頭を寄せた。
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虎(乗れそうな大きさだな)
虎(空からの支援に、向いていそうだ)
ステラも、
同じことを考えたのか、
少し嬉しそうな顔をした。
ステラ「虎様、乗せてもらえるかもしれません」
虎「試してみるといい」
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係員が、
二人の様子を見て言った。
係員「相棒に、名前をつけてあげてください。それが、絆の始まりになります」
虎「名前」
虎は、
スライムを見下ろした。
虎「……モチ、でどうだ」
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スライムが、
形を、
ぷるんと変化させて、
喜んでいるように見えた。
係員「気に入ったようですね」
虎「そうか」
ステラも、
白鳥を見つめながら、
考えていた。
ステラ「……ハクさん、というのは、どうでしょう」
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白鳥が、
その名前に、
翼を軽く広げて、
応えるように鳴いた。
ステラ「気に入ってもらえたようです」
虎「よかったな」
虎(モチと、ハクか)
虎(悪くない名前だ)
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昼過ぎ、
新しい相棒と共に、
街を歩くことにした。
モチが、
虎の肩の上で、
色々な形に、
変化してみせていた。
虎「そんなこともできるのか」
モチが、
虎の顔の形に、
簡単に真似てみせた。
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虎「……俺の顔まで、コピーできるのか」
驚きながらも、
その様子を眺めていると、
モチが、
虎の姿そのものに、
一瞬変化した。
虎(これは、面白い能力だ)
虎(戦闘にも、使えそうだな)
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ハクの背に乗って、
ステラが少し上空を、
飛んでみせた。
ステラ「……気持ちいいです、虎様」
虎「危なくないか」
ステラ「ハクさんが、しっかり支えてくれています」
ハクが、
ゆっくりと、
広場に降り立った。
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昼食に、
街の食堂で、
ケモンガと一緒に食べられる料理を、
注文した。
店主が説明してくれた。
店主「これは、ケモンガ用の栄養餌と、人間用の料理を、一緒に楽しめるセットだよ」
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虎は、
自分の分を、
一口食べた。
虎「……」
香草がしっかり効いた煮込み料理で、
噛むほどに、
深い旨みが出てきた。
隣で、
モチが同じ食材で作られた、
専用の餌を、
嬉しそうに食べている姿を見ながら食べると、
不思議と、
味わいが増すような気がした。
虎「……うまい。相棒と一緒に食べる飯は、格別だな」
ステラも一口食べた。
ステラ「……確かに、いつもより、温かい気持ちになります」
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食事をしながら、
ハクが、
ステラの隣で、
優雅に水を飲んでいた。
その様子を見て、
虎が言った。
虎「二匹とも、もう馴染んでいるな」
ステラ「そうですね」
虎(この相棒たちと、これから、どんな旅になるのか)
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夕方、
宿に戻ると、
係員から、
明日のバトル観戦について、
案内があった。
係員「都市部で、明日、大きなバトルがあります。まずは、見学から、始めるといいでしょう」
虎「楽しみだ」
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夜、
宿の部屋で、
モチが虎の隣で、
丸くなっていた。
ステラの部屋では、
ハクが、
静かに羽を休めていた。
ステラが、
壁越しに、
虎に声をかけた。
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ステラ「虎様、明日から、忙しくなりそうですね」
虎「そうだな」
ステラ「モチさんと、ハクさんと一緒に、頑張りましょう」
虎「ああ」
虎(一万年前には、こんな相棒がいる旅も、なかった)
虎(面白い島だ)
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窓の外に、
南国らしい、
大きな星が瞬いていた。
モチが、
虎の顔の横で、
静かに形を丸くしていた。
夜が、
新しい相棒たちを迎えた、
一日の終わりを、
静かに包んでいた。
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ステラ「次回予告です」
虎「ああ」
ステラ「モチさんとハクさん、いい相棒になりましたね」
虎「相性が、良かったんだろう」
ステラ「明日は、いよいよ、バトル観戦ですね」
虎「どんな戦い方をするのか」
ステラ「都市部を、見て回れそうです」
虎「楽しみだ」
ステラ「……おおむね、いい滑り出しです」
虎「おおむね、か」
ステラ「おおむね、です」
虎「次の予告をしてくれ」
ステラ「次回、『虎が、都市部でケモンガバトルを見る』」
虎「初めての観戦だな」
ステラ「はい。楽しみですね」




