↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虎無双、虎無双。  作者: BB
6章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
76/113

第76話「虎が、街に触れ回る」

翌朝、

案内所に、

大量のポスターが、

積み上がっていた。


ノラが、

それを見て、

少し圧倒された顔をした。


ノラ「……こんなに、刷ってしまいました」

虎「配れば、問題ない」


ステラが、

ポスターを一枚、

手に取った。


でこぼこした文字で、

『でこボコまつり』

と、

大きく書かれている。


ステラ「……いい仕上がりですね」

ノラ「印刷屋さんが、頑張ってくれて」


……………………………………………………………………………………………


四人で、

ポスターを、

街の各所に、

貼って回ることになった。


虎は、

ビッグ人向けの、

高い場所を、

担当した。


虎「ここでいいか」

ノラ「はい、その辺りが、目線の高さです」


虎が、

軽々と、

高い壁に、

ポスターを、

貼っていく。


ノラ「……脚立、要らないんですね」

虎「その通りだ」


……………………………………………………………………………………………


大通りを歩いていると、

昨日の屋台の店主が、

虎たちに気づいた。


店主「おっ、また来たな。今度は何してるんだ」

虎「祭りの宣伝だ」


虎が、

ポスターを見せた。


店主「でこボコまつり……いいじゃねえか、それ!」

虎「気に入ったか」

店主「うちの店にも、貼らせてくれ!」


……………………………………………………………………………………………


店主が、

店先の目立つ場所に、

ポスターを、

貼ってくれた。


通りかかった客が、

それを見て、

声をあげた。


客「あ、これ、あの活動か。前より、面白そうだな」

店主「だろ! 行ってみろよ!」


ノラが、

その様子を、

嬉しそうに見ていた。


ノラ「……反応が、全然、違います」


……………………………………………………………………………………………


職人街にも、

足を伸ばした。


鍛冶屋の店主が、

ポスターを見て、

にやりと笑った。


鍛冶屋「でこボコまつり、か。俺とうちの弟子で、参加してみるかな」


鍛冶屋の店には、

ビッグ人の店主と、

ノーマルサイズの弟子が、

一緒に働いていた。


鍛冶屋「俺たち、まさに、でこぼこコンビだからな」


……………………………………………………………………………………………


クリスが、

杖を軽く振りながら、

静かに言った。


クリス「……この街には、そもそも、こういうペアが、たくさんいる」

虎「そうだな」

クリス「祭りは、それを、目に見える形にするだけで、いい」


虎(クリスの言う通りだ)


虎(この街には、もともと、素材が、揃っている)


……………………………………………………………………………………………


昼過ぎ、

広場の噴水近くで、

子供たちの一団に、

出くわした。


子供A「なにそれ、でこボコまつり!?」

子供B「面白そう! 行きたい!」


ノラが、

しゃがんで、

子供たちに、

説明した。


ノラ「ビッグ人のお兄さんと、ノーマルの子で、ペアを組んで、色々な、ゲームをするお祭りなの」

子供C「じゃあ、僕、あそこにいる、大きいお兄さんと、組めるかな!」


……………………………………………………………………………………………


子供が指差した先に、

ビッグ人の若者が、

立っていた。


その若者が、

子供の視線に気づいて、

手を振った。


ビッグ人の若者「おう、坊主、来るか」

子供C「行く!」


ノラが、

その様子を見て、

目を細めた。


ノラ「……こういう光景が、当日、たくさん見られたら、いいですね」


……………………………………………………………………………………………


夕方近く、

一通りの宣伝を、

終えた。


疲れた体を、

休めるため、

案内所近くの、

軽食屋に、

寄ることになった。


店の看板に、

『でこぼこ饅頭』

という、

新しいメニューが、

出ていた。


……………………………………………………………………………………………


店主が、

説明してくれた。


店主「祭りの噂を聞いてね、あやかって、作ってみたんだ。大きい饅頭と、小さい饅頭を、一緒に、蒸してある」


虎は、

大小の饅頭を、

それぞれ食べた。


虎「……」


大きい方は、

しっかりとした、

食べ応えのある、

甘さで、

小さい方は、

それよりも、

繊細で、

上品な、

甘みだった。

二つを、

交互に食べると、

不思議と、

味の対比が、

面白く感じられた。


虎「……面白い食べ方だな。大小で、違う甘さになっている」

店主「そうなんだよ。同じ生地なのに、蒸し時間で、味わいが、変わってくる」


……………………………………………………………………………………………


ノラも、

両方食べて、

うなずいた。


ノラ「……これ、当日、屋台で、出してもらえたら、盛り上がりそうです」

店主「もちろんだ、任せておけ」


ステラが、

小さい方の饅頭を、

食べながら言った。


ステラ「……この対比、祭りのテーマにも、合っていますね」


……………………………………………………………………………………………


宣伝の一日を、

振り返りながら、

四人は、

案内所に、

戻った。


ノラが、

虎に言った。


ノラ「今日だけで、こんなに、反応があるとは、思っていませんでした」

虎「名前が、伝わりやすくなったからだろう」


……………………………………………………………………………………………


夜、

案内所の灯りの下で、

最後の確認を、

した。


ノラ「あと二週間ちょっとです。準備、進めていきましょう」

虎「ああ」


クリスが、

静かに言った。


クリス「……子供たちの反応が、特にいいのが、印象的だった」

虎「そうだな」


虎(この調子なら、いい祭りに、なりそうだ)


……………………………………………………………………………………………


外に出ると、

街の灯りが、

賑やかに、

輝いていた。


ステラが、

虎に言った。


ステラ「虎様、明日も、宣伝を、続けますか」

虎「ああ。まだ、伝えていない場所が、あるだろう」

ステラ「はい」


夜風が、

案内所の、

ポスターを、

そっと、

揺らしていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ステラ「次回予告です」

虎「ああ」

ステラ「街の反応、上々でしたね」

虎「名前を、変えた甲斐があった」

ステラ「でこぼこ饅頭、面白い食べ物でした」

虎「大小で、味が変わるのが、面白かった」

クリス「……子供たちの、期待も、大きいようだ」

虎「祭り当日が、楽しみになってきた」

ステラ「あと少しで、当日ですね」

虎「準備を、進めよう」

ステラ「……おおむね、順調な滑り出しです」

虎「おおむね、か」

ステラ「おおむね、です」

虎「次の予告をしてくれ」

ステラ「次回、『虎が、祭りを見守る』」

虎「いよいよ、本番だな」

ステラ「はい。楽しみですね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。