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虎無双、虎無双。  作者: BB
6章

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71/112

第71話「虎が、目撃者の跡を追う」

虎は、

村の灯りを、

目指して、

歩き出した。


虎(この世界の広さも、感覚として、掴めていない)


虎(だが、焦っても仕方ない)


道の脇に、

古い時代の、

石碑らしきものが、

建っていた。


だが、

文字は、

すでに、

擦り切れて、

読めなかった。


……………………………………………………………………………………………


しばらく歩くと、

村の入り口が、

見えてきた。


虎は、

辺りの気配を、

探った。


虎(ステラとクリスの気配が、ない)


虎(別の場所に、飛ばされたか)


村の中に、

入っていくと、

昼間、

見かけた老人が、

家の前で、

薪を割っていた。


……………………………………………………………………………………………


虎は、

老人に、

近づいてみた。


だが、

やはり、

気づかれる様子は、

なかった。


虎(幻影とはいえ、こうして、行動を、追えるのは、都合がいい)


老人が、

薪割りを終えて、

家の中に、

入っていった。


虎は、

それを、

そっと、

追いかけた。


……………………………………………………………………………………………


家の中で、

老人は、

先ほどの、

羊皮紙を、

取り出していた。


老人が、

筆を、

動かしている。


虎(何を、書いているのか)


虎は、

そっと、

覗き込んだ。


羊皮紙には、

古い文字で、

何かが、

書き記されていた。


……………………………………………………………………………………………


虎は、

その文字を、

読んでみた。


虎「……『あの夜、光が触れた場所には、村の者たちが、後に、石を積んだ』」


虎(石を積んだ、か)


虎(それが、記録にあった、印というやつか)


老人が、

筆を止めて、

つぶやいた。


老人「……あの場所には、もう、誰も、近づかん。だが、忘れちゃ、ならん」


……………………………………………………………………………………………


翌朝、

(この世界の中での、翌朝)

老人が、

家を出て、

歩き始めた。


虎は、

その後を、

追いかけた。


老人は、

村の外れに向かって、

歩いていた。


虎(この先に、その場所が、あるのかもしれない)


……………………………………………………………………………………………


しばらく歩くと、

不意に、

背後から、

声が、

聞こえた。


ステラ「虎様……!」


振り返ると、

ステラと、

クリスが、

駆け寄ってくるのが、

見えた。


虎「……無事だったか」

ステラ「はい、しばらく、はぐれていましたが」

クリス「……気配を、辿って、ここまで、来られた」


……………………………………………………………………………………………


虎は、

二人に、

これまでの、

経緯を、

説明した。


虎「あの老人が、記録を、書いている。今、村の外れに、向かっている」

ステラ「石を積んだ場所、ですか」

虎「そうだ。その先に、目印が、あるかもしれない」


クリスが、

静かに言った。


クリス「……追ってみよう」


……………………………………………………………………………………………


三人で、

老人の後を、

追った。


村の外れは、

草木が、

生い茂る、

未開の土地だった。


老人が、

慣れた足取りで、

道なき道を、

進んでいく。


ステラ「……この道、幻影でも、疲れるものですね」

虎「そうだな」


……………………………………………………………………………………………


歩いている途中、

道端に、

小さな屋台のようなものが、

見えた。


これも、

記録の一部なのか、

その場所だけ、

妙に、

賑やかだった。


村の別の人々が、

そこで、

何かを、

売っていた。


クリス「……市場のような、場面のようだ」

虎「少し、寄ってみるか」


……………………………………………………………………………………………


屋台では、

串に刺した、

何かの実を、

焼いていた。


虎は、

先日と同じように、

そっと、

手を伸ばしてみた。


指先が、

その実に、

触れる感触があった。


虎は、

一口、

かじった。


……………………………………………………………………………………………


虎「……」


外側は、

炭火で炙られて、

香ばしく、

中は、

とろりとした、

自然な甘みが、

広がった。

村の子供たちが、

好んで食べていた、

素朴なおやつのようだった。

先ほどの粥とは、

また違う、

軽やかな味わいだった。


虎「……うまい。この時代にも、こういう楽しみが、あったんだな」


ステラも、

一口、

味わった。


ステラ「……甘くて、優しい味です」


クリスが、

興味深そうに言った。


クリス「……こういう、生活の断片が、味として、残っているのは、面白い」


……………………………………………………………………………………………


食べ終えて、

再び、

老人を、

追いかけた。


しばらく進むと、

開けた場所に、

出た。


そこには、

確かに、

石が、

積み上げられた、

小さな塚のようなものが、

あった。


……………………………………………………………………………………………


老人が、

その前で、

立ち止まった。


老人「……ここだ。あの夜、光が、触れた場所」


老人は、

しばらく、

その石塚を、

見つめていた。


老人「……いつか、この場所の意味を、誰かが、解き明かす日が、来るのだろうか」


……………………………………………………………………………………………


虎は、

石塚を、

じっと、

観察した。


虎(この石の積み方、何か、意味があるのか)


クリスが、

杖を、

かざした。


クリス「……この場所、確かに、強い魔力の痕跡が、残っている」


ステラが、

石塚の周りを、

歩きながら、

確認した。


ステラ「……石の配置に、規則性が、あるように、見えます」


……………………………………………………………………………………………


虎(この石塚の、正確な位置と、形が、わかれば)


虎(現実世界の、どこかに、これと同じものが、あるかもしれない)


老人が、

静かに、

去っていった。


その姿が、

夕闇の中に、

溶けていく。


虎「……もう少し、この場所を、詳しく、調べたい」


……………………………………………………………………………………………


クリスが、

石塚に、

近づいて、

慎重に、

記憶に、

刻み込むように、

観察を続けた。


クリス「……この配置、覚えておく。現実に、戻ったら、照らし合わせてみる」

虎「頼む」


ステラが、

辺りを、

見渡しながら言った。


ステラ「……そろそろ、この世界の、時間も、限りがあるかもしれません」

虎「そうだな」


……………………………………………………………………………………………


虎は、

石塚を、

最後に、

もう一度、

確認した。


虎(この場所の、正体を、突き止めれば)


虎(次の手がかりに、繋がるはずだ)


夕闇が、

石塚を、

静かに、

包んでいった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ステラ「次回予告です」

虎「ああ」

ステラ「石塚、見つかりましたね」

虎「老人が、案内してくれた」

ステラ「途中の屋台の味も、印象的でした」

虎「素朴だが、いい味だった」

クリス「……配置は、覚えた。現実で、照らし合わせる必要がある」

虎「そうだな」

ステラ「……おおむね、目的の場所に、たどり着けました」

虎「おおむね、か」

ステラ「おおむね、です。まだ、確定ではありませんが」

虎「次の予告をしてくれ」

ステラ「次回、『虎が、印を見つける』」

虎「いよいよ、締めくくりだな」

ステラ「はい。楽しみですね」

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