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虎無双、虎無双。  作者: BB
6章

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66/113

第66話「虎が、屋上庭園を歩く」

翌朝、

虎たちは再び、

ビッグビッグライブラリーを訪れた。


昨日の案内係が、

入り口で待っていた。


案内係「今日は、屋上庭園だな! 案内するぜ!」


案内係が、

巨大なエレベーターへと、

案内した。


……………………………………………………………………………………………


エレベーターが、

ゆっくりと上昇していく。


窓の外を、

図書館の各階が、

次々と流れていった。


ステラ「……何階まで、上がるのですか」

案内係「一番上まで、だ。ちょっとした、時間がかかるぜ」


クリスが、

窓の外を見ながら言った。


クリス「……この建物、下から見た以上に、高いな」

虎「そうだな」


しばらくして、

扉が開いた。


……………………………………………………………………………………………


外に出た瞬間、

広大な緑が、

視界いっぱいに広がった。


案内係「ここの屋上庭園も、もちろん世界最大サイズ! なにしろ、いろんな工夫がされて、ジャイアントセコイアがあるんだからね!」


虎が見上げると、

遠くに、

天を突くような、

巨大な木が、

そびえ立っていた。


虎「……あの木は」

案内係「ジャイアントセコイア。普通なら、あんな高さの木は、屋上には育たない。だが、この庭園は、特別な魔法の土壌で、支えられてるのさ」


ステラ「……本当に、大きいですね」


木の幹は、

何十人がかりでも、

抱えきれないほどの太さがあった。


……………………………………………………………………………………………


庭園の中を、

案内係と共に歩いた。


様々な種類の植物が、

丁寧に手入れされて、

並んでいる。


案内係「ここは、世界中の珍しい植物が、集められてるんだ。図書館だから、植物図鑑にちなんで、実物を揃えたって話でね」


クリスが、

一つの花壇の前で、

立ち止まった。


クリス「……この花、見覚えがある」

虎「知っているのか」

クリス「三千年前、宮殿の周りに、似たようなものが、咲いていた気がする」


案内係が、

興味深そうに言った。


案内係「へえ、あんた、三千年前を知ってるのか。そりゃすごいな」

クリス「まあ、色々あってな」


……………………………………………………………………………………………


庭園の中央あたりに、

小さなカフェスペースが、

設けられていた。


木陰に、

テーブルと椅子が、

並んでいる。


案内係「せっかくだ、休憩していきな。ここの軽食も、なかなかのもんだぜ」


三人は、

テーブルに座った。


店員が、

メニューを持ってきた。


ステラ「セコイアの木の実を使った、パイがあるそうです」

虎「頼んでみるか」


……………………………………………………………………………………………


しばらくして、

運ばれてきたのは、

薄い焼き色をした、

パイだった。


一切れが、

虎の手のひらほどの大きさがある。


虎は一口食べた。


虎「……」


パイ生地が、

さくさくとした食感で、

噛むたびに、

バターの香りが、

口の中に広がった。

中に詰まった木の実は、

ほんのりとした甘みと、

香ばしさを持っていて、

土や木の香りを、

そのまま閉じ込めたような、

奥深い味わいがあった。


虎「……うまい。この庭園の空気と、よく合う味だ」

ステラも一口食べた。


ステラ「……確かに、木の香りが、感じられますね」


クリスが、

一切れかじりながら、

セコイアの木を見上げた。


クリス「……あの木の実から、こんな味が生まれるのか」

案内係「セコイアの実は、普段は硬くて、食べられたもんじゃないんだが、パイにすると、こんなにうまくなるんだよ」


……………………………………………………………………………………………


食後、

庭園をさらに奥へ、

歩いていった。


木々の合間から、

街の全景が、

見渡せる場所があった。


ステラ「……街全体が、見えますね」

虎「高い場所だからな」


眼下に、

大通りや、

小さな路地が、

碁盤の目のように、

広がっていた。


虎(一万年前には、こんな高い場所から、街を見下ろすことはなかった)


虎(人間の技術は、面白いところに、たどり着くものだな)


……………………………………………………………………………………………


眺めを楽しんでいると、

少し離れた場所から、

大きな笑い声が聞こえてきた。


振り返ると、

数人のビッグ人が、

こちらに向かって、

歩いてくるのが見えた。


案内係の表情が、

少し曇った。


案内係「……おいおい、あいつら」

虎「知り合いか」

案内係「この庭園によく来る、あまり素行のよくない連中でな。今日は、絡まれないといいが」


先頭のビッグ人が、

虎たちに気づいて、

にやりと笑った。


その男「……おっと、珍しい客じゃねえか」


虎(面白そうな展開になってきたな)


虎(だが、まずは様子を見よう)


……………………………………………………………………………………………


その男が、

仲間を引き連れて、

近づいてきた。


体格の良いビッグ人が、

四人ほど、

虎たちを、

囲むように立った。


先頭の男「ノーマルサイズの旅人が、この庭園に、何の用だ」

虎「散歩だ」

先頭の男「散歩、ねえ」


男が、

ステラとクリスを、

値踏みするように見た。


先頭の男「その人形と、骨のガキも、一緒にか」

ステラ「……失礼な言い方ですね」

先頭の男「悪かったな、褒め言葉のつもりだったんだが」


案内係が、

慌てて割って入ろうとした。


案内係「おいおい、お客さんに、絡むのはやめてくれよ」

先頭の男「うるせえ、案内係は、引っ込んでな」


……………………………………………………………………………………………


虎は、

男たちを、

落ち着いて見渡した。


虎(一人一人は、それなりに、力がありそうだ)


虎(だが、動きに統一感がない。連携は、慣れていないな)


虎「用があるなら、言え」

先頭の男「……威勢がいいな、小さいくせに」


男が、

拳を、

軽く鳴らした。


先頭の男「この庭園は、俺たちの縄張りでな。ノーマルの連中が、のんびりしてると、腹が立つんだよ」


虎は、

静かに息を吐いた。


虎(縄張り、か)


虎(一万年前にも、こういう連中は、いたな)


ステラが、

虎の隣で、

静かに構えた。


ステラ「虎様」

虎「わかっている」


夕暮れの光が、

庭園全体を、

オレンジ色に染めていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ステラ「次回予告です」

虎「ああ」

ステラ「屋上庭園、素晴らしい景色でしたね」

虎「セコイアのパイも、うまかった」

ステラ「……最後に、少し、きな臭くなりましたが」

虎「あの連中、面白そうだった」

クリス「……戦いになりそうだな」

虎「なりそうだ、じゃなく、なる」

ステラ「……おおむね、穏やかには終わらなそうです」

虎「おおむね、か」

ステラ「おおむね、です。虎様が、面白そうと言っている時点で、確定していますね」

虎「次の予告をしてくれ」

ステラ「次回、『虎が、ワルたちと戦う』」

虎「合体モードの出番か」

ステラ「久しぶりですね」

虎「楽しみだ」

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