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虎無双、虎無双。  作者: BB
6章

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64/112

第64話「虎が、大都市へ入る」

街道の先に、

巨大な門が見えてきた。


門の上に、

大きな看板が掲げられている。


『ようこそ、ビッグビッグシティーへ』


ステラが、

自転車を漕ぎながら、

その大きさに、

目を見張った。


ステラ「……門だけで、これほどの大きさとは」

虎「シーアリスよりも、さらに一回り、大きいな」


門の脇に、

ビッグ人の案内係が、

立っていた。


大きな声で、

虎たちに向かって、

呼びかけてきた。


……………………………………………………………………………………………


案内係「ようこそビッグビッグシティーへ! この街はサイズも大きければ、人としての器も大きい! 気も大きいのが玉に瑕だけどね……」


虎「気が大きい、とは」

案内係「まあ、来ればわかるさ! うちの街の連中は、みんな豪快でね。細かいことは、気にしないんだ!」


案内係が、

大声で笑った。


その笑い声だけで、

少し、

地面が震えた気がした。


虎(賑やかな街だな)


虎(それに、この街の空気、悪くない)


……………………………………………………………………………………………


門をくぐると、

街の全貌が、

見えてきた。


シーアリスと同じように、

低層と高層が、

組み合わさった建物が並んでいる。


だが、

その規模が、

比べ物にならないほど、

大きかった。


大通りには、

巨大な噴水があり、

その水しぶきが、

街全体に、

うっすらと霧のようにかかっていた。


ステラ「……街全体が、一つの生き物のようですね」

クリス「活気が、すごいな」


……………………………………………………………………………………………


歩いていると、

すぐに、

街の住民たちの、

豪快さがわかった。


一人のビッグ人の商人が、

虎たちを見て、

声をかけてきた。


商人「おお、旅人か! 珍しいもんが並んでるな! まあいい、これ全部、持っていきな!」


商人が、

店先の果物を、

両手いっぱいに、

差し出してきた。


虎「……いいのか、こんなに」

商人「気にすんな! うちは、そういう店なんだ!」


ステラが、

少し戸惑いながら言った。


ステラ「……本当に、気前がいいですね」


……………………………………………………………………………………………


別の場所では、

道端で、

二人のビッグ人が、

言い争っているように見えた。


だが、

よく聞くと、

何でもない世間話を、

大声で、

交わしているだけだった。


住民A「昨日の飯、うまかったよなぁ!!」

住民B「だろ! あの店、当たりだぜ!!」


虎(喧嘩かと思ったが、違うのか)


虎(声の大きさが、感情の大きさに、比例しているんだろう)


……………………………………………………………………………………………


昼過ぎ、

大通りの中心にある、

食堂に入った。


店主が、

巨大な鉄板の上で、

豪快に、

肉を焼いていた。


店主「腹が減ってるなら、これ食え! うちの名物、ビッグステーキだ!」


分厚い肉の塊が、

虎たちの前に置かれた。


一枚が、

テーブルの半分ほどを、

占めていた。


虎は一口食べた。


虎「……」


肉の繊維が、

太く、

噛むほどに、

力強い旨みが溢れ出てきた。

味付けは、

豪快なタレだったが、

甘みと塩気のバランスが、

しっかり取れている。

一口食べるごとに、

体の中に、

力が満ちていくような感覚があった。


虎「……うまい。この街の飯は、豪快だな」

店主「だろ! 小さくまとまってちゃ、この街じゃやってけないんだよ!」


ステラも一口食べた。


ステラ「……確かに、豪快な味です」


クリスが、

肉を噛みながら、

感心したように言った。


クリス「……この街の食べ物、量も味も、性格が出ているな」


……………………………………………………………………………………………


食事の後、

店主が、

街の中心部を、

指差した。


店主「あそこに、見えるだろ。あれが、この街の自慢だ」


虎が、

その方向を見ると、

遠くに、

一際大きな建物が、

そびえ立っていた。


石造りの、

巨大な塔のような建物だった。


店主「ビッグビッグライブラリー。世界最大の図書館だ。あそこには、世界中の記録が、集まってるって話だぜ」


虎(あれが、目指していた場所か)


虎(思ったより、街の中心にある)


ステラが、

その建物を、

見つめながら言った。


ステラ「……あれが、月文明の手がかりを、探す場所ですね」

虎「ああ」


クリスが、

杖を、

その方向に向けた。


クリス「……何か、感じる。あの建物の中に、確かに、古いものの気配がある」


……………………………………………………………………………………………


夕方、

宿を取って、

一日の疲れを、

落ち着けることにした。


窓から、

ビッグビッグライブラリーの、

灯りが見えた。


夜になっても、

明かりが消えることのない、

巨大な建物だった。


ステラ「虎様」

虎「何だ」

ステラ「いよいよ、明日ですね」

虎「ああ」


虎(一万年前には、こんな場所を、想像もしなかった)


虎(あの中に、俺たちが探しているものが、あるといいが)


夜風が、

街の喧騒を、

運んでいた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ステラ「次回予告です」

虎「ああ」

ステラ「ビッグビッグシティー、賑やかな街でしたね」

虎「気前もいいし、声も大きい」

ステラ「肉料理も、豪快でした」

虎「体に力が満ちる味だった」

クリス「明日は、いよいよ図書館だな」

虎「そうだ」

ステラ「……おおむね、期待通りの規模でした、この街」

虎「おおむね、か」

ステラ「おおむね、です。中身は、まだこれからですが」

虎「次の予告をしてくれ」

ステラ「次回、『虎が、図書館を訪ねる』」

虎「世界最大の図書館、か」

ステラ「はい。何が見つかるでしょうか」

虎「行ってみればわかる」



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