表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シュナと余命10年の騎士  作者: ぽこ
最終章
51/54

エピローグ

昔々、女神に愛されたひとりの祈祷師がいた。


 

天涯孤独になったその祈祷師には、

その傍らを護り続けた騎士2人がいた。



3人はその命が尽きるまで、

山が崩れては溢れ出てくる魔物を

祈りとともに安寧の地へと送り還し続けた。



魔物は山に潜むよう、

決して里に降りぬよう、

幼子たちがすくすくと育ちますようにと。



その功績は

誰に知られることもなく、

誰に讃えられることもなく。



ただ全ての幼子達のためだけに祈り続けた。







祈祷師は4人の子に恵まれた。



1人目の子は

年老いた祈祷師の後を継いで、

騎士の長女とともに各国を旅しながら祈り続けた。



2人目の子は

年老いた鍛治師の後を継いで、

名匠となってその名を後世に残した。

双子の片割れと結ばれて2組の双子に恵まれた。



3人目の子は

年老いた母の生業を継いで、

腕の良い優しい針子になり町1番の大店(おおだな)を構ると、その評判の良さは王都にまで伝わり、たちまち王室御用達となった。




4人目の子は

共に暮らした騎士に憧れ、

国を護る騎士となって生涯を国防に尽くした。

その手には譲り受けた緋緋色金のグレートソード。

師譲りの超重量剣技は幾度となく民の命を救った。









それから歳月を経て、

祈祷師は年老いた2人の騎士を見送った。



静かに迎えたそれぞれの赤い日に

小さな波はあったが、もうそれに溺れることはなく。

ただただ「長い間ありがとう」と伝え、別れた。



祈祷師は夫と大神(チビ)ともに晩年を静かに過ごした。



いつも心の中で

2人の安らかな眠りを祈りながら、

また次の世でも逢えますようにと祈りながら。













そして迎えた最期の日ーーー




夫と子ども達に見守られながら、

祈祷師は静かに息を引き取ろうとしていた。



皆がありがとうと言っているのだけが聞こえてくる。

握られている手を返したいが、もう手が動かない。

その琥珀の瞳はもう何も映さない。

あぁ、なんと歯痒いのだろう。



人に最後まで残るのは()()()()である。






すると夢か現かーーー

いつもの鈴の音のような迦陵頻伽(がりょうびんが)な声が響いてきた。



『私の愛しい子よ。

 定めに揺らぐ事なく全うした事、大義であった。

 褒美に最期の祈りを叶えてやろう』


 

「…叶うことならば、家族にまた巡り会いたいです」



『家族か…それは彼奴等(ダダとセルム)も含まれるか』



「13のあの日から…今も昔も2人は私の家族です」



『ふふっ、そうだな。ではその願い、叶えてやろう』



「…いつも見守って下さりありがとうございました」



『…生涯尽くしてくれたこと感謝する』






こうして祈祷師は、心穏やかに輪廻に還っていった。



















雪の降るある晩に産まれたその子は、

2人兄弟の年の離れた妹として生まれた。


兄達は目に入れても痛くないほど溺愛し、

遊ぶ順番を巡って兄弟はいつも喧嘩ばかり。

そんな兄弟を諌めるのは、1匹の白い子犬。



「お兄ちゃん達、喧嘩しないで!」

「俺の高い高いの方が楽しいだろ?」

「脳筋は黙れ。本を読んであげるこっちにおいで」

「喧嘩するならチビと遊ぶ!」

『ワン!』








魔物は山に潜むよう、

決して里に降りぬよう、

幼子たちがすくすくと育ちますようにーーー

51話の最終話までお付き合い下さり、誠にありがとうございましたm(_ _)m



途中、スランプや体調不良で更新が遅くなってしまうことが多々ありましたが、いいねを下さった方々、星★をつけてくださった方々、ブックマークを付けてくださった方々のおかげでなんとか完走する事が出来ましたm(_ _)m



物語を書くこと自体が3ヶ月に前に始めたばかりで、読みにくい部分が多々あったこと、お詫び申し上げます。


この『シュナと余命10年の騎士』は、最初の方こそ起承転結を考えながら書いていたのですが、第1章は何となく説明臭くなるばかりで頭でっかちになっていました(読み返すと赤面するしかないのです)


それで、第2章が始まった辺りから『ハッピーエンドにする!』以外のことは考えず、『その日その場で思いつくだけ書く』というスタイルに変更しました。もうその場凌ぎもいいところです。

なので辻褄が合わない所も多々あったと思います…


それでも、最後までお読みいただいた方々には感謝以外の言葉がありません。本当にありがとうございました!



この物語はひとまず一区切りということで完結としますが【外伝】もそのうち書いていこうと思っていますので、ブックマークをそのままにして頂けると嬉しいです^_^



まだ寒い日が続きますが、皆様ご自愛くださいませ。

横浜の隅っこのほうから御多幸を祈っております。



ぼこ拝

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ