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温度  作者: 折鋸倫太郎
もびりえ ふゅねれーる
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もびりえ ふゅねれーる その1

 週末を過ごしてから、"摂"氏に日常生活が戻ってきました。


 ――勿論、"ジュネス・ドレ"にも。


 しかし、二人の関係は変わっていました

 ――以前ほど、会話が頻繁ではなくなったのです

 ――行動を共にする頻度が減ったのです。


 転機となる事件があった訳ではありません

 ――ただ、そうなったのです

 ――これは学問的に分析せずとも、誰もが学校生活の中で体験する現象だ

 ――と信じましょう


 [――と、説明責任を回避した

  ――言い訳……]


 "摂"氏は、今まで通りです。

 "ジュネス・ドレ"は

 ――"摂"氏を含まないグループの中で

 幸せに暮らします。


 ある日、同級生Aが"摂"氏に尋ねました。


 「"ドレ"と喧嘩した?」


 否定します

 ――しかし、同級生Aは信じません

 ――人間って、そういうモノ。


 同級生Aが見た様に、


 ――ぎこちなさ


 は、確実に二人の間にありました

 ――それは<喧嘩>を原因として、無かっただけ。


 どちらかと云えば、

 <レドゥール>は、"ジュネス・ドレ"側から吹き出ていた

 と云えるでしょう。


 それでも

 ――それは

 付き合いが無くなれば無くなるほど、薄くなるものです。


 "摂"氏も遠ざかって行く相手を追おうとはしませんでした。




 ―――そして、月日が過ぎていきます―――




 二人は、大人に近づきました。


 突然、"ジュネス・ドレ"が、"摂"氏に近づきました。


 "摂"氏は

 ――行かなければならない場所へ行く為、

 歩きかけました

 ――目が会いました

 ――"ドレ"が先に逸らしました。

 "摂"氏はそれでも


 「ふ」


 と立ち止まり

 ――"ジュネス・ドレ"も止まりました。


 


 沈黙




 が


 二人の間に

 ――明らかに

 ――そして依然として

 存在する


 <ぎこちなさ>


 に、転じて

 ――姿を現しました。


 しかし、

 ――はたから見れば、

 二人のそばを行き交う人波の出す雑音によって、

 <それ>は、恰も<無い>様に

 ――隠れて

 見えました。


 "ジュネス・ドレ"は


 「もごもご…」


 [=「ちょっと……」]


 と、対話が必要である事を仄めかしました。


 「どうかしましたか?」


 と"摂"氏が尋ねると、


 "ドレ"は、話し辛らそうでした

 ――視線が泳いでいます。


 "摂"氏が黙したまま相手の切り出しを待つと、


 「実は……」


 と、口を開く"ドレ"

 ――視界は、地面に据えられています。


 「実は


  ――お前にはカンケー無い事かも知らないけど」


 「何でしょう?」


 "ドレ"は視線を転じて

 ――重々しい間を置いてから


 「お前には関係ねぇかもしれないけど、ウチのな……

  ――知り合いが死んだんだ」



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