はじめての闘い その47
そして再び、"摂"氏の攻撃!!
相手の動きを察知し
――鶴の様に片足を上げ
"蜘蛛宇宙人"の<笑っていない>片膝は
――折り曲げられて、
"摂"氏の
<馬鹿のひとつ覚え・下段蹴り>
によって、足の甲を再び受けます。
受けてから、
「おい!!」
と、"蜘蛛宇宙人"
――そして、地に爪先を付けようとします
――そこで、既に足を取り戻していた"摂"氏は続けてパンチ!!
「ちょっと待て!!」
警告された"摂"氏は
「ぴたり」
――拳の進行を止めました。
拳の向こうで
「ひょうひょう」
と"蜘蛛宇宙人"は
――二つの掌を見せて
「無防備」
であることを示します。
ブラフであるかもしれないと、"摂"氏は戦闘態勢は解きません。
「お前そろそろ覚えろよ……」
――"蜘蛛宇宙人"の口が動いています
――喉仏の動きも、暗いながら見える
――気がしたそうです……。
「これは格闘技
――じゃない訳じゃないが…
厳密に云えば、肉体をぶつけ合う闘いじゃないんだよ……
――傷つけあう殺し合いじゃないんだよ………
それを目的としていないんだ
――忘れたか?
お前ももう、足痛ぇだろ?」
――そして、顎で、示します。
「つまり、"防御層"で、という意味で?」
と"摂"氏が理解したのを確認して
――それを"蜘蛛宇宙人"は頷きで表し
――そして
構えました。
再スタートです。
腕組みこそしていませんが、何故か手を拱いている"摂"氏は、
"蜘蛛宇宙人"の動きを待ちました。
動きません。
その為、
先ず、
軽く、
"防御層"に包まれた手の甲を打ち出してみました
――具体的に、何処かに当てるつもりもなく……
――それを知ってか、宙に浮いた相手の<へっぴり拳>を"蜘蛛宇宙人"は肘の"防御層"で、触れさせました
――わざと、押し付ける様に…
言葉が音無く、溢れました。
「では、表情に表された"苦痛"とは何だろうか?
――どういうモノだろうか?
口元を捻じ曲げれば、それは自動的に<苦しい>ということなのだろうか?」
すると"蜘蛛宇宙人"は、半身の奥に隠していた黒い拳を
――胴を迂回させる様にして
突き出し
――その、規則的に隙間なく並んだ黒い四本指の背で
"摂"氏の防御の為に立てた前腕、そこに当てました!!
そこを発生源として、"摂"氏の身体全体に
――振動が波紋の様に
拡がって行きます――
「頬を盛り上げれば、自動的に<苦痛>が表されるのか?
――両方だと<笑い>で、片方だと<苦痛>という規則性はあるのか?
――そこに絶対性はあるのか?
眉を顰めれば、それは自動的に<苦痛>となるのか?
――相手を睨みつけているという可能性はないのか?
――目が悪いということはないのか?




